『昨年4月に導入された教員免許更新制で、大学で受けた講習の内容や最新知識を得た成果などについて「よい」と評価する教員が9割を超えることが25日、文部科学省のまとめで分かった。更新制を含む教員免許制度は、抜本改革に向けた調査と検討が今春から行われる予定で、民主党幹部からは更新制の廃止も明言されている。しかし、文科省や大学関係者らが「予想以上」とする受講者の評価の高さは、今後の議論にも影響を与えそうだ。 受講後に教員が必ず提出する「事後評価」を集計したもので、25日の中央教育審議会の教員養成部会に提出された。高評価を受けて部会では、「せっかくいい制度を構築したのだから、変更するにしても徐々にやってほしい」(角田元良聖徳大学大学院教授)、「議論した上で変えるならいいが、政権交代が理由でころころ変わるのは困る」(岩瀬正司・全日本中学校長会長)などの意見が出された。 教員免許更新制は、教員が10年ごとに「必修」と「選択」科目で計30時間以上の講習を大学などで受けるもの。認定試験で不合格となれば、2年以内に再試験で合格しない限り、教員免許が失効する。 評価は昨年12月までの報告分が集計され、人数は必修で延べ5万7027人、選択で延べ14万4049人。「内容・方法」「最新知識・技能修得の成果」「運営面」の3項目で評価が行われ、4段階のうち「よい」「だいたいよい」とした評価は3項目合計で必修90・8%、選択93・8%に上った。 特に選択は内容で57・7%、知識修得の成果で56・4%が「よい」とされるなど、評価が高かった。 また、昨年12月時点での受講者数は、今年度末までの受講対象者の約8割にあたる約7万1千人だった。 文科省は「大学側の努力が評価された」としつつ、「更新制という制度自体に対しては、別な評価が出るかもしれない」と慎重な見方も示している。 民主党はマニフェストで教員養成課程の6年制への移行を明記。更新制についてはマニフェストで触れていないが、輿石東参院議員会長が昨年9月、平成23年度にも廃止する意向を表明した。また、民主党を支持する日教組も、更新制廃止を強く主張している。 横須賀薫宮城教育大名誉教授の話「教育委員会が行う行政研修への不満が多い教員にとって、更新講習は大学でアカデミズムに触れる喜びがあるのではないか」1月26日7時56分配信 産経新聞
教員免許更新制は、『教員が10年ごとに「必修」と「選択」科目で計30時間以上の講習を大学などで受けるもの。認定試験で不合格となれば、2年以内に再試験で合格しない限り、教員免許が失効する。』となっていますが、校務の忙しい教育現場の先生のことを考えて春休み夏休み冬休みに講習会を実施し認定試験を行わず、欠席せずに必修と選択科目の計30時間以上を受講した先生方には教員免許の更新認めてはどうでしょうか。認定試験の点数で、教育免許更新を評価するのはどうかと思います。教育現場の先生方、勉強し直したくなったり、新しい時代の専門知識や学問理論を学びたくなったら、自分の研究したい大学の学部や母校に戻り研究したり、大学院に行き研究したりできるよう制度を作り、文部科学省もサポートすべきでは有りませんか。現職教員の国内や海外留学の制度もあっても良いのではないでしょうか。現職教員資質の向上や専門知識の無さを指摘される向きも有りますが。教育現場で教壇に立ちながら、各教科の研究や授業方法、教授力の向上に努力し、先生の集まりの各教科研究会で地道に取り組まれている先生方も居られることを忘れないで、日々教育実践に教科担当者として教育現場で地道にコツコツ頑張っておられる先生方の努力の芽を摘み取らないようにして下さい。授業研究や教授力の成果は直ぐに数字に出せるものでは有りません。商品を販売する営業実績とは違うのです。教員免許の更新制度の問題は、全国の教育現場で生徒を実際に指導されている先生方の意見を良く聞き、今後どうするのか良く考えるべきです。優れた若手の校長や民間校長登用しても、教育現場で実際の生徒指導を経験した先生で無いと学校運営は上手く行きません。授業さえ教えていれば良いと言う事にはならないのです。長年の教師生活における生徒指導の実践と経験が物を言う世界です。日本大学文理学部名誉教授で文学博士小久保宗明先生は、小学校の教員になり養子に行ってお母さんに言われそうですが。旧師範学校(、今の東京学芸大学の前身)を卒業されて、公立中学校の先生をしながら大学の夜学に通われ、高校教諭を経て大學院を卒業され日本大学の教授になられた大鏡の研究家です。授業前は、一生懸命下調をされ、授業で教える内容を十分研究をされてから授業に臨んで来たと言われ、初めて中学校の教壇に立った以来ずっと貫き通されていたそうです。教壇立つものは、授業研究を大切にし教師生活の一生を通じて、自分の担当する授業で、自分が納得出来る最も内容の良い授業が出来るように日々努力し、授業研究していると言われました。一生に一度、教壇に立っている間に実現させることが、教壇に立つ教師としての使命ですと言われました。教員免許の更新や教員の資質向上、専門知識の欠如が政治家や経済人から叫ばれている今日、教壇に立つ教育者の心構えと授業研究に一生を捧げられている小久保宗明先生の教育者として江戸っ子気質の心意気と教育現場で長年培われた先生の教師論を思い出す今日この頃です。