落選後の混乱で忘れそうになっていました。
毎年恒例の「今年読んだ本ベスト10」は、
けっこう読んで下さる人が多いようです。
書評についてのコメントをくれる人もいて、
少なくとも数人は楽しみにして下さるので、
昨年分もリストアップしてみました。
インターネット環境が整ってなかったので、
年を超えてしまい、遅ればせながらですが、
年間ベスト10をリストアップしました。
「池上彰の教養のススメ」、池上彰著、日経BP社、2014年
→教養学部出身の私には、とてもヒットしました。
すぐに役立つ知識は、すぐに役立たなくなる。
幅広く教養を身に着けることの重要性を再認識します。
「日中韓を振り回すナショナリズムの正体」、保阪正康、半藤一利著、東洋経済新報社、2014年
→尊敬する保阪正康さんの共著の本です。
現代と戦前の日中韓のナショナリズムを比較しながら論じます。
いまの世の中の風潮の怖さを再認識させられます。
安倍総理が「この道しかない」と言っていましたが、
もしかすると「この道はいつか来た道」かも?
「ヤンキー化する日本」、斎藤環著、角川ワンテーマ新書、2014年
→いまの政治を読むのに不可欠の概念は「ヤンキー化」です。
自民党の勇ましい議員たちのヤンキー度の高さには閉口します。
現代政治を分析する上でも重要な本です。
すぐ読めてお薦めです。
「アラブが見た十字軍」、アミン・マアルーフ著、ちくま学芸文庫、2001年
→けっこう骨の折れる本ですが、現代の中近東を理解するにも良書です。
アラブ、トルコ、ペルシア、東ローマ、西欧等の多様なアクターの相互関係が興味深いです。
日本人にはわかりにくい感覚を学ぶにはよいと思います。
「しなやかな日本列島のつくりかた」、藻谷浩介著、新潮社、2014年
→日本に希望を持つためにぜひご一読を! 読みやすいです。
「アデナウアー」、板橋拓己著、中公新書、2014年
→こういうわかりやすい本で歴史を学ぶのは良いと思います。
西ドイツの戦後復興と国際社会への復帰から学ぶものは多いです。
「感情の政治学」、吉田徹著、講談社メチエ、2014年
→若き研究者が、政治における「感情」の重要性に挑みます。
あまり政治学では触れられてこなかったテーマだと思います。
「改革派首長はなにを改革したのか」、田村秀著、亜紀書房、2014年
→反知性主義の首長たちが、実は成果を出していないことを検証。
威勢の良い「改革派」の政治家にだまされないために。
「和解のために」、朴裕河(パク・ユハ)著、平凡社ライブラリー、2011年
→日本と韓国の和解のために、双方の視点を比較する冷静な本です。
日本側からも韓国側からも批判される著者の冷めた勇気は立派です。
「中国国境 熱戦の跡を歩く」、石井明著、岩波書店、2014年
→中国の軍事力行使の特色がわかり、空恐ろしくなる本です。
いかに尖閣沖武力衝突を回避するかは今後の重要課題です。