ドラッグストアでは、頭痛薬や胃薬など、さまざまな種類の市販薬が販売されています。どの薬を買おうかと手に取って比べていると、同じような成分が含まれ薬の量も同じであるにもかかわらず、数百円単位で価格が異なることがあります。なぜ価格の違いが生まれるのでしょうか。薬剤師の竹中孝行さんに聞きました。

宣伝広告費のコストが上乗せ

Q.含まれる成分がほぼ同じで、包装されている薬の数が同じ市販薬でも、価格が異なることがあるのはなぜですか。

竹中さん「市販薬は、同じ成分の薬でも価格に差が生じることがあります。例えば、ブランドイメージを上げるために、テレビCMなどの宣伝広告費にコストをかけている市販薬は、その分のコストが含まれ、価格が高くなっていることがあります。一方、ドラッグストアや薬局が、独自のプライベートブランド(PB)商品として市販薬を販売していることもあり、手頃な価格となっている場合もあります」

Q.PBの市販薬は価格が手頃ということですが、効能が他の市販薬よりも劣るということはないのですか。

竹中さん「PB商品の市販薬が手頃な価格となっているケースが多いのは、製薬会社の研究開発費や宣伝広告費などのコストが低く、仕入れ原価が低く抑えられているためです。価格が手頃であっても、含まれている有効成分や量が一般の市販薬と同じであれば、基本的に効能に大きな差はありません」

Q.PB商品ではない市販薬の場合でも、製薬会社により価格が違います。価格が高い方が、よく効くと言えるのでしょうか。

竹中さん「ブランドイメージでの価格差などもあるため、価格が高いからといって、より効果があるというわけではありません。また、名称や価格が異なる市販薬でも、含まれている有効成分と量が同じであれば、効果に大きな差はありません。製造工程や添加物に違いがある場合もありますが、有効成分は同一なので、効能に大きな違いが出ることはないと考えてください」

Q.値段が異なる市販薬が並んでいると、いざ購入するときに何を基準に、どの薬を買えばよいのか迷うことがあります。

竹中さん「値段で見るのではなく、成分で見ることが大切です。成分に関する知識がない場合は、どうしてもブランド名で判断しがちになるため、店舗の薬剤師や登録販売者に症状を伝えて相談し、それに適した成分の薬を選んでもらうことが大切です。

例えば、頭痛薬の成分としては、『NSAIDs』と呼ばれるタイプの鎮痛成分(ロキソプロフェン、イブプロフェンなど)と、非ピリン系と呼ばれるタイプの鎮痛成分(アセトアミノフェン)があります。

小さなお子さんに飲ませる場合や副作用が心配な人の場合は、後者が適しています。前者の薬は、効果はより期待できますが、副作用である胃への負担などもあるので、服用する人の体質を確認し、胃を守る成分を一緒に含んだ頭痛薬が適切な場合もあります。片頭痛であれば、市販の頭痛薬では対処できないため、早急に病院へ行く必要があります。

胃腸薬の場合も同様に、症状や原因によって適切な薬の成分が変わってきます。このように、購入基準として、成分の判別は専門家でないと難しいことや、そもそも市販薬で解決できる症状ではなく、病院に行った方がよいという判断なども必要となってくるため、店舗の薬剤師や登録販売者に相談することが大切です」

 

医薬品の中身の違いは素人には分かりません。

以前健康組合から、配布されたビタミン剤より市販の薬局で買ったビタミン剤のほうが、よく効くと言った大阪の電鉄会社の社員の方の言われたことを思い出しました。

一般薬局販売用と病院や開業医向けの医薬品は同一ではないし、薬効も違いは有ると思います。