インポッシブル・バーガーの植物性バーガー(2019年1月7日撮影、資料写真)。(c)Robyn Beck / AFP
(AFPBB News)
【AFP=時事】植物性の「肉」は、もはや食品業界の異端ではない。スーパーでの売れ行きも良く、ファストフード・チェーンや食品企業で注目商品となっているだけではなく、ウォール街の投資家らの人気も集めている。
米金融大手JPモルガン・チェースは、植物性肉の市場規模は15年以内に優に1000億ドル(約11兆円)を超えると推計している。また、英大手銀バークレイズは、10年以内に世界で販売される肉全体の約10%、最大1400億ドル(約15兆円)相当を「代替肉」が占めると試算している。
大手飲食店チェーンではバーガーキングが今年4月から、同社の看板商品であるハンバーガー「ワッパー」のベジタリアン版を試験販売しており、マクドナルドもドイツで肉不使用のバーガーを投入した。米ケンタッキーフライドチキンは肉を使わないメニューを検討中だ。
もちろん代替肉自体は目新しいものではない。だが、食品業界のスタートアップ企業や成長中の企業はより新しいテクノロジーを活用し、本物の肉の味や食感などを徹底的に再現しようとしている。それと同時に、環境や動物保護の観点、あるいは健康上の理由から植物性肉の食品を選ぶ消費者もいっそう増えている。
代替肉メーカーとしてよく知られているベンチャー企業、インポッシブル・フーズやビヨンド・ミートは、時に急増する需要に応えるのに苦心するほどで、ウォール街の投資家らもその潜在性を有望視している。
インポッシブル・フーズのインポッシブル・バーガーはすでに米国とアジアの飲食店計7000軒で販売されている。評価額20億ドル(約2200億円)の同社は最近、3億ドル(約320億円)を調達した。
■大手も続々参入
食品大手ではスイスのネスレが4月、欧州で大豆、小麦、ビートルートなど植物の抽出物を主原料とした「インクレディブル・バーガー」の販売を開始した。同社は今秋には米国で、エンドウマメを主原料としたベジタリアン向けバーガー「スイートアース」の発売を計画している。
欧州食品・日用品大手ユニリーバも昨年、植物性肉専門ブランド「ベジタリアンブッチャー」を立ち上げた。同社は「世界一の植物性肉ブランド」を目指すとしている。
米食品大手ケロッグはベジタリアン食品部門「モーニングスターファーム」を通じて、1970年代から代替肉市場で存在感を発揮している。
急成長する業界で積極的に事業展開している企業にはこの他、自国でベジタリアン・バーガーを立ち上げたブラジル食品大手JBSや、ビヨンド・ミートに出資したことがあり、現在は自社で植物性肉製品の販売を計画している米タイソン・フーズなどがある。
動物性食品の代替製品を推進する「グッド・フード・インスティテュート」によると、2018年の代替肉の販売額は前年比23%増と急成長している。だが、食肉市場全体ではまだ1%にすぎず、ミルク市場の13%を大豆やアーモンド、ココナツなどを原料とした非乳製品が占めることに比べればまだまだ及ばない。
■投資家らが警告するリスク
代替肉市場は大きな潜在性を秘めているが、アナリストらは業界が直面している不確定要素を見失ってはいけないと警告している。
「リスク要因はいくつかある。例えば、消費者の舌にアピールするために添加物を使用している製品は結果的に、うたっているよりも健康的ではなかったりする」とバークレイは指摘している。
バークレイがもう一つ指摘しているのは、マーケティングに関して「規制による制約を受ける可能性」だ。例えば、米国では畜産業団体が、「肉」という単語の使用を動物性食品に限定するよう政治家らに働き掛けている。
また、JPモルガンは、新興企業には常にリコールによって混乱が生じるリスクがあると警告している。より大きな企業、多様な企業がこぞって市場に参入し、存在感が増すことにより、そうした過誤が起こった場合の影響が増幅される可能性があるという。 【翻訳編集】AFPBB News』
代替え肉、人造肉ブームになるのかも分かりませんが。
添加物、保存料、防腐剤、発色剤、化学調味料、遺伝子組換え食品使用等健康に良く、安全な代替肉と断定出来るかどうか未定と思います。