高校時代、僕が所属していたブラスバンド部。部室の楽譜棚には何故か70年代末期の楽曲ばかりが並んでいた。例えばラブ・アンリミテッド・オーケストラの♪愛のテーマ、スティービー・ワンダーの♪愛するデューク、ヴァン・マッコイの♪ハッスル等々いかにもブラバンでするとかっこよさそうな曲ばかり。当然そうした曲目演奏することもあったのだが、その中で僕がやたらと気に入った曲があった。それがボズ・スキャッグスの♪ウィ・アー・オール・アローン。僕はこの曲でボズ・スキャッグスを聴き始める。
オリジナルを聴きたいと思った僕は貸しレコード屋へ走った。そして手にしたのが名盤「シルク・ディグリーズ」。ラストを飾る♪ウィ・アー・オール・アローンは、歌詞カード片手によく歌った。社会人になってから、飲み屋で外国人の一団と一緒になった。店内は”日米親善”をテーマにカラオケ合戦となった。体格のいい黒人がポール・マッカートニーの♪マイ・ラブを、僕の同僚はド演歌で対抗、金髪のスリムな男性が♪ホテル・カリフォルニアを歌った後で、僕は♪ウィ・アー・オール・アローンを歌った。それからだな、僕が洋楽カラオケに夢中になったのは(笑)。
ボズ・スキャッグスのアルバムで最もお気に入りは何と言っても「ミドル・マン」。デビッド・フォスタープロデュース作で、ディスコグラフィーの中では最もロック色が濃い作品かも。近頃このアルバムをよく聴く。文字通り”ミドルマン”となった僕が、その良さに気づいたからなのか?。参加ミュージシャンがともかく豪華。スティーブ・ルカサー、ジェフ・ポーカロ、デビッド・ペイチのTOTO組は当然のこと、ビル・チャンプリン、レイ・パーカーJr.、カルロス・サンタナ、ローズマリー・バトラー・・・。曲の並びまでもが完璧なのね。ミディアムテンポのシャッフルが都会的な♪ジョジョから始まって、ドライブ感のある♪ブレイクダウン・デッド・アヘッド、♪シモン(僕の心をもてあそぶ)が渋ーく決まった後、絶品のバラード♪トワイライト・ハイウェイ。サンタナのソロが感動に導いてくれる。するとうって変わってプログレ調なイントロの♪ミドル・マン、ファンキーな♪イン・ニューヨーク、ローズマリー・バトラーとの掛け合いが印象的な♪エンジェル・ユー・・・。このヴァラエティに富んだ楽曲が魅力。カーオーディオに欠かせない1枚なんだ。