Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

獲物の分け前

2011-09-09 | 映画(あ行)
■「獲物の分け前/La Curee」(1966年・フランス)

監督=ロジェ・ヴァディム
主演=ジェーン・フォンダ ミシェル・ピコリ ピーター・マッケナリー ティナ・マルカン

 ジェーン・フォンダがロジェ・バディム監督のカノジョだった頃の主演作。この時代はヨーロッパで活躍しており、あのエロティックSFの金字塔「バーバレラ」などに出演している頃だ。これはエミール・ゾラ原作「はらわた」の映画化。20歳年の離れた実業家の夫(ミシェル・ピコリ)と結婚した資産家の娘ルネ(ジェーン・フォンダ)は、豪勢な暮らしを満喫していた。先妻と夫との息子マクシム(ピーター・マッケナリー)が同居している。最初は悪ふざけのつもりだったのが、次第に年齢の近い二人は互いに深い関係に・・・。

 前半の二人の秘めた逢い引き場面は、バレやしないかとハラハラするし、ジェーン・フォンダの色っぽさにドキドキするし、ゆらめく水面を撮るキャメラが美しい。バディム監督が「オレのカノジョはいい女だろ!」と徹底的に見せつける。ここ繰り返し観たいなっ・・・というのが正直な感想(こら)。
二人で旅行した先の宿で
「ベッドを買い取りましょう。二人で過ごした記念だもの。」
と笑顔で言うルネ。夫が戻るかもしれないのに、マクシムのベッドに入って帰ろうとしない場面では
「自分の寝室に戻れよ。」
「一人で寝られないクセをつけたのは誰?」
そんな会話にもドキドキ。夢中になっていく様子が伝わってくる。ルネは夫と離婚してマクシムと一緒になりたいと望むようになる。ところが、最初「父を裏切ってやる」と強気だったマクシムは、意外にも父の提案を受け入れて資産家の娘であるガールフレンドとの婚約を選ぶ。婚約パーティを目にしたルネが呆然と屋敷を歩き、真っ白な壁の自分の部屋に座り込むラストシーン・・・。ルネは豪勢な監獄に囚われたようなもの。何とも言えない余韻。

 父も息子もリッチな家の娘を妻にして、我が家の安泰を築こうとする。二人の男にとって、ルネもガールフレンドは狩猟犬がくわえてくる獲物のようなもの。邦題の「獲物の分け前」とは当をえた見事な表現だ。この映画の最大の魅力はジェーン・フォンダの美しさだが、ロジェ・バディム監督の撮り方・見せ方の巧さがあってのものとも思う。温室の中の水辺で過ごす裸の二人は本当に絵になる場面だし、ロングショットでふざけ合う二人をカメラが追ったかと思えば、表情に迫るアップ。僕ら世代にとって、リアルタイムのバディム作品というと、フィリピーヌ・ルロワ・ボーリューがかわいかった「さよなら夏のリセ」(1983)。青春映画なのに何故脇に名優ぞろい?と不思議に思ったけど、それはバディム監督のキャリアがあるからなのだ。バルドー主演作など60年代の作品をもっと観たいな。

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今日の映画台詞・「火天の城」(2009)

2011-09-09 | 今日の映画台詞
09:12 from web
今日の映画台詞◆

「おなごの笑わぬ家に陽は昇らぬ」
「火天の城」(2009)


◆安土城を建てた宮大工岡部又右衛門の物語。苦しい時にも笑顔を絶やさない妻(大竹しのぶ)が、父からの教えだと言う台詞。家庭内に笑顔があることは素敵なこと。うちのレイア姫(小5)を見るとほんとにそう思う(笑)。
by t_somelikeithot on Twitter

うちのレイア姫は脳天気なお子ちゃまなので、毎日あの笑顔と無邪気さに癒される。先週はぬいぐるみを左手に、右手にデジカメを持ってなんと動画作成!。

レイア「臨時ニュースをお知らせします。」
・・・ってクマがしゃべってる。何故かニュースのゲストはハムスターのぬいぐるみ。インタビューが始まった。
レイア(クマ)「お母さんはどうなさったのですか。」
レイア(ハムスター)「戦争中に従軍看護婦をしていて亡くなりました。」
・・・横で聞いてて吹き出した。ぬいぐるみで遊んでる中にも世界観がきちんと確立しているのね、これが。そう言えば前にも遊んでるときにも、クマが反政府デモ隊を率いていたな・・・どんな世界観?。

今回ご紹介した「火天の城」の台詞。最近テレビで似たような台詞を聞いたことがあるぞ・・・と、よーく考えたら、NHK朝の連ドラ「おひさま」で主人公陽子の母親(原田知世!僕は高校時代から大ファン)が娘に遺した台詞だ!。

「どんなことがあっても、笑うの。太陽の陽子さん。」

これが主人公の信条となる。親の言葉って大事だよね。

・・・我が身を振り返ると、まだつまらないことしか言ってないような気もする(汗)takアナキンでありました。まぁいいや、レイアは聞いちゃいないし。

レイア「それではニュースを終わります。」

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