◼️「チョコレート・ファイター/Chocolate」(2008年・タイ)
監督=ブラッチャヤー・ピンゲーオ
主演=ジャージャー 阿部寛 ポンバット・ワチラバンジョン アラマー・シリボン
監督=ブラッチャヤー・ピンゲーオ
主演=ジャージャー 阿部寛 ポンバット・ワチラバンジョン アラマー・シリボン
ギャングの情婦だったジンは、日本のヤクザマサシと恋に落ちる。ギャング団との確執から彼は日本に帰国するが、ジンは身ごもり、女の子を出産する。ゼンと名付けられたその娘には発達障害があったが、視認した人の動きをコピーするのことのできる能力(「NARTO」に出てくる"写輪眼")を持っていた。ゼンの面倒をみているムンは、ジンが大金を貸した相手を記録した帳簿を見つける。ムンとゼンはジンの治療費にしようと、借金返済を頼みに出かけた。しかし相手は悪党ばかり。すんなり返すはずがない。そんな時、ゼンの中で何かが覚醒。彼女は単身相手の元へ向かう…。
「この蹴りに世界がひれ伏す」ってコピー、ええやん!しかも看板に偽りなしの超絶アクション。大人数のアイドルグループにいても不思議でないようなルックスのジャージャーが、スタントなしでこれをこなす。ナイフを投げつけたゴロツキに蹴りを見舞う場面、すげえ、なんたる爽快感。アクションシーンもその舞台に合わせて、アイディア満載。屠殺場?の刃物だらけの危険なファイト。倉庫内でのファイトは積荷やロッカーなどを駆使して、ジャッキー・チェン映画のような楽しさ。平面的なファイトでなく上下が加わってさらにハラハラさせる。上下のアクションは、クライマックスのアクロバティックな格闘シーンにも登場。もう圧巻である。製氷工場で戦う最初のファイトシーンは、ブルース・リーの「ドラゴン危機一髪」へのオマージュだ。
製作当初はテレビでブルース・リーを観てその動きを習得することになっていたのだが、大人の事情でトニー・ジャーのアクション映画に差し替えられたと聞く。覚醒した彼女は怪鳥音(アチョー!ってやつね)を発しながら華麗な蹴り技を次々に決める。どう見てもブルース・リーでしょ!テレビの前でこっちまで「痛っ!危なっ!」って口にしそうなくらいにギリギリのアクション。エンドロールで撮影風景とNGカットが流れるが、血を流し、傷口を冷やし、首に固定具を着ける出演者たちの痛々しい様子に、いかに本気の撮影をやっていたのかが伝わる。
しかしアクションだけかと思ったらさにあらず、映画だからできる表現もうまい。例えば、白血病の治療をしている母が美しかった髪を失ったことをゼンが知る場面。子供の頃母の長い髪をいじくっていた様子が一瞬挟まることで、ゼンの深い悲しみを無言で示す。また、阿部寛演ずる日本のヤクザが、ジンに惹かれた理由を示す冒頭も見事。傷ついたものへの慈しみの気持ちを(何故か日本語の)ナレーションで聞かせた後で、ジンの額についた傷を見つめる場面へとつなぐ。しかもそれは銃を突きつけられている状況。そんな切羽詰まった瞬間でも惹かれてしまった二人。ここも台詞は皆無だ。
北九州ロケが行われた作品で、小倉駅周辺や若松区などが随所に分かりやすく登場。阿部寛が手紙で娘が生まれたことを知る場面、バックに映える若戸大橋が美しい。
「この蹴りに世界がひれ伏す」ってコピー、ええやん!しかも看板に偽りなしの超絶アクション。大人数のアイドルグループにいても不思議でないようなルックスのジャージャーが、スタントなしでこれをこなす。ナイフを投げつけたゴロツキに蹴りを見舞う場面、すげえ、なんたる爽快感。アクションシーンもその舞台に合わせて、アイディア満載。屠殺場?の刃物だらけの危険なファイト。倉庫内でのファイトは積荷やロッカーなどを駆使して、ジャッキー・チェン映画のような楽しさ。平面的なファイトでなく上下が加わってさらにハラハラさせる。上下のアクションは、クライマックスのアクロバティックな格闘シーンにも登場。もう圧巻である。製氷工場で戦う最初のファイトシーンは、ブルース・リーの「ドラゴン危機一髪」へのオマージュだ。
製作当初はテレビでブルース・リーを観てその動きを習得することになっていたのだが、大人の事情でトニー・ジャーのアクション映画に差し替えられたと聞く。覚醒した彼女は怪鳥音(アチョー!ってやつね)を発しながら華麗な蹴り技を次々に決める。どう見てもブルース・リーでしょ!テレビの前でこっちまで「痛っ!危なっ!」って口にしそうなくらいにギリギリのアクション。エンドロールで撮影風景とNGカットが流れるが、血を流し、傷口を冷やし、首に固定具を着ける出演者たちの痛々しい様子に、いかに本気の撮影をやっていたのかが伝わる。
しかしアクションだけかと思ったらさにあらず、映画だからできる表現もうまい。例えば、白血病の治療をしている母が美しかった髪を失ったことをゼンが知る場面。子供の頃母の長い髪をいじくっていた様子が一瞬挟まることで、ゼンの深い悲しみを無言で示す。また、阿部寛演ずる日本のヤクザが、ジンに惹かれた理由を示す冒頭も見事。傷ついたものへの慈しみの気持ちを(何故か日本語の)ナレーションで聞かせた後で、ジンの額についた傷を見つめる場面へとつなぐ。しかもそれは銃を突きつけられている状況。そんな切羽詰まった瞬間でも惹かれてしまった二人。ここも台詞は皆無だ。
北九州ロケが行われた作品で、小倉駅周辺や若松区などが随所に分かりやすく登場。阿部寛が手紙で娘が生まれたことを知る場面、バックに映える若戸大橋が美しい。