◼️「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」(2019年・日本)
監督=増井壮一
声の出演=石川界人 瀬戸麻沙美 水瀬いのり 東山奈央
2018年放送のアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」は、何気なく見始めたらどハマりしてしまって、長女と二人でキャアキャア言いながら全13話完走した。かっちょいいオープニングの曲に合わせて、何故かヘドバンしてしまう変な父娘である(恥)。
"思春期症候群"と呼ばれる怪現象をめぐる、主人公咲太と6人のヒロインの物語。何がいちばん好きなのかって、女のコたちのキャラクター(ツンデレの先輩、桜島麻衣推しですww)以上に、気の利いた台詞満載の会話劇だということ。毎回メモしときたい!と思える。そして、あの10代後半に誰もがもつ、なんともいえない満たされないモヤモヤした気持ちが、見事に織り込まれていて、ちょっとおセンチなラブコメというのがいい。原作のラノベ、きちんと読んでみたい。
今回の劇場版は、咲太と恋人の桜島麻衣が巻き込まれる、牧之原翔子という女性をめぐる騒動の顛末を描いたもの。咲太の初恋の相手は、かつて海岸で会って落ち込んでいた彼を勇気づけてくれた年上の女性。彼女は牧之原翔子と名乗った。テレビシリーズでは、同じ名前の中学生が登場する。再び現れた年上の翔子さんは、重い病身にある中学生の翔子が生み出したもう一人の存在だった。咲太は、科学部の友人双葉(メガネ美人)の協力で翔子さんの思春期症候に立ち向かう。二人の翔子をめぐるエピソードの完結編が今回の劇場版だ。クライマックスには、日本アニメやラノベお約束のタイムリープがからんで劇場版らしいスケールの物語になっている。
このアニメ、設定やストーリーが複雑。特に彼らが巻き込まれる"思春期症候群"を単なる怪現象と考えてラブコメを楽しむのももちろん楽しい。しかし思春期症候群の原因と推測される孤独感、悩み、人から認められたい願望、他者と隔絶していたい願望などなど、あの世代特有の混沌とした気持ちをディープに考えてみると、物語は一気に深みを増してくる。切ないエピソードとライトなラブコメが見事なバランスなのに気づくのだ。長いタイトルのラノベ原作やーん!と毛嫌いせずに、いい年齢した大人(かつある種の萌えを許容できる人)ならば、あの頃の自分に向き合うような気持ちでこの作品を見ることができるだろう。もちろん、「ここさけ」「あの花」など岡田麿里作品ほどの痛みや衝撃はない軽いラブコメなんで。いきなり劇場版は無理です。
でも失敗だったのは、京アニの「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」を観た翌日に映画館で観たこと。あの圧倒的な渾身の作を観た後では、さすがに「青ブタ」はかすんで見えた。好きな作品なんだけど。
それにしても、いい年齢のおいさんになっても高校生が主人公のアニメを見ることがやめられない。サンデー派だった僕には「うる星やつら」や「タッチ」がエバーグリーンだからだろうか。でも誰かが言った。「takさんは、高校時代に何か忘れものをしてるんですよ。だからそういうアニメに心が動いてしまう。」そ、そうなのかな。そ、そうかも!
"思春期症候群"と呼ばれる怪現象をめぐる、主人公咲太と6人のヒロインの物語。何がいちばん好きなのかって、女のコたちのキャラクター(ツンデレの先輩、桜島麻衣推しですww)以上に、気の利いた台詞満載の会話劇だということ。毎回メモしときたい!と思える。そして、あの10代後半に誰もがもつ、なんともいえない満たされないモヤモヤした気持ちが、見事に織り込まれていて、ちょっとおセンチなラブコメというのがいい。原作のラノベ、きちんと読んでみたい。
今回の劇場版は、咲太と恋人の桜島麻衣が巻き込まれる、牧之原翔子という女性をめぐる騒動の顛末を描いたもの。咲太の初恋の相手は、かつて海岸で会って落ち込んでいた彼を勇気づけてくれた年上の女性。彼女は牧之原翔子と名乗った。テレビシリーズでは、同じ名前の中学生が登場する。再び現れた年上の翔子さんは、重い病身にある中学生の翔子が生み出したもう一人の存在だった。咲太は、科学部の友人双葉(メガネ美人)の協力で翔子さんの思春期症候に立ち向かう。二人の翔子をめぐるエピソードの完結編が今回の劇場版だ。クライマックスには、日本アニメやラノベお約束のタイムリープがからんで劇場版らしいスケールの物語になっている。
このアニメ、設定やストーリーが複雑。特に彼らが巻き込まれる"思春期症候群"を単なる怪現象と考えてラブコメを楽しむのももちろん楽しい。しかし思春期症候群の原因と推測される孤独感、悩み、人から認められたい願望、他者と隔絶していたい願望などなど、あの世代特有の混沌とした気持ちをディープに考えてみると、物語は一気に深みを増してくる。切ないエピソードとライトなラブコメが見事なバランスなのに気づくのだ。長いタイトルのラノベ原作やーん!と毛嫌いせずに、いい年齢した大人(かつある種の萌えを許容できる人)ならば、あの頃の自分に向き合うような気持ちでこの作品を見ることができるだろう。もちろん、「ここさけ」「あの花」など岡田麿里作品ほどの痛みや衝撃はない軽いラブコメなんで。いきなり劇場版は無理です。
でも失敗だったのは、京アニの「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」を観た翌日に映画館で観たこと。あの圧倒的な渾身の作を観た後では、さすがに「青ブタ」はかすんで見えた。好きな作品なんだけど。
それにしても、いい年齢のおいさんになっても高校生が主人公のアニメを見ることがやめられない。サンデー派だった僕には「うる星やつら」や「タッチ」がエバーグリーンだからだろうか。でも誰かが言った。「takさんは、高校時代に何か忘れものをしてるんですよ。だからそういうアニメに心が動いてしまう。」そ、そうなのかな。そ、そうかも!