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お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

フィガロ・ストーリー

2019-09-28 | 映画(は行)


◼️「フィガロ・ストーリー/Figaro Story」(1991年・日本=オランダ=フランス=アメリカ)

監督=アレハンドロ・アグレスティ    林海象    クレール・ドニ
主演=ゲリー・ボーヴェン エグゼール・デ・ヨング 修健 堂野雅子

発売される新車宣伝の為に、劇場映画が製作されたことは極めて珍しい。「フィガロ・ストーリー」は日産が1991年に世に出したフィガロの為に製作された。今ネットで溢れている長編コマーシャルフィルムの先駆けとも言えるけど、前面に車が出ている訳じゃない。あくまでストーリー、作家性重視の稀な劇場映画なのだ。

まずは僕の愛車、日産フィガロの話をさせてください。レトロなデザイン、オープンカーになるキャンバストップ、1000ccの小型車だけどターボ搭載。スペアタイヤ1つで既にいっぱいになるトランクや、やたら重いドア、4人乗りって嘘でしょ?と言わんばかりのバックシートなどとても実用的とは思えない部分もあるが、そんなの気にしない。これはカッコで乗る車だもの。当時のハウステンボスではパーク内を走るレンタカーに採用されたし、わたせせいぞうのイラストにも出てくるし、イギリスで人気爆発してエリック・クラプトンなどセレブが乗った。発売からウン十年経った最近は「相棒」で杉下右京の愛車として登場するし、「攻殻機動隊 新劇場版」にも登場している。

3話オムニバスの「フィガロ・ストーリー」は、当時の新進映画作家を集めた作品。フィガロが全話に登場するのが共通点で、それぞれの監督が男と女の姿を描き出す。後に「イルマーレ」リメイク版を撮るアレハンドロ・アグレスティ、ビンセント・ギャロの「ガーゴイル」を撮るクレール・ドニ、そして「私立探偵濱マイク」シリーズの林海象。

流しっぱなしにしたいオシャレな映像。特に林海象監督の東京編「月の人」は、全く台詞がなく、幻想的な映像で東京を違った色に見せてくれる。全編モノクロームのニューヨーク編が最もストーリーがしっかりしていた印象がある。パリ編の図書館で視線が行き来する物言わぬ恋も素敵。今観ると長編PVとでも評されるところだろう。そりゃそうだ。だって車のPVなんだもの。その車は全編のわずか数分しか登場しないのもオシャレ。

とある日本映画の撮影でエキストラカーの募集があって、僕は愛車フィガロで参戦。瑛太のバイクと何台かすれ違うシーンの撮影に臨んだ。ハンドルを握るのはカースタント担当のプロの方で、僕は助手席に乗っている。わくわく。瑛太が近づいてきた。その瞬間、声がした。「カット!」…え?
完成した映画見たらよく見る軽自動車ばっかし写ってやがる。募集のとき、オサレな代官山のイメージって言ったじゃーん!(ToT)



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