Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

評決のとき

2019-09-23 | 映画(は行)


◼️「評決のとき/A Time To Kill」(1996年・アメリカ)

監督=ジョエル・シュマッカー
主演=マシュー・マコノヒー サンドラ・ブロック サミュエル・L・ジャクソン ケビン・スペイシー

ジョン・グリシャムの司法を舞台にした小説がヒットした90年代には、法廷映画が盛んに製作されていた。この「評決のとき」はグリシャムの小説デビュー作で、映画化にあたって原作者本人がプロデュースした。思い入れがある作品なんだろう。サスペンスの題材として、また人間像に迫る舞台として法廷は映画向きな舞台。「評決のとき」は人間ドラマとして法廷映画の本道をゆく。

アメリカ南部の架空の街。黒人少女が白人男性にレイプされる事件が起こった。少女の父親カールは、知り合いの若い白人弁護士ジェイクに「何故白人は有罪にならないのか?」と相談を持ちかけた。その翌日、カールは裁判所に出頭した犯人男性を射殺し、護衛についていた警察官も負傷させてしまう。ジェイクは、カールの弁護を担当することになる。そんな彼を見て、死刑制度に反対する法学生エレンが訴訟を手伝いたいと名乗り出る。しかし黒人と白人が争う裁判に町の緊張は高まり、白人至上主義のKKK団と黒人住民の乱闘が発生。さらに黒人を弁護するジェイクらの身にも危険が迫り、助手は家族を殺され、ジェイクは自宅に放火され、ついにエレンが襲われてしまう。そして最終弁論の期日が迫ってくる…。

人種問題がからむのが最大のポイントで、差別偏見を超えることがなかなか難しい現状が描かれる。それを法廷の中だけでなく、市民レベルで感情の爆発が描かれる。主人公の敵役となる検事がこれまた曲者芸達者のケビン・スペイシーで、とにかく憎たらしい。さらに白人被告の兄弟を演じたキーファー・サザーランド、KKK団の指導者役カートウッド・スミスらが感じさせる威圧感は、スクリーンのこっち側の僕らをも怯ませる。もうクライマックスで、ジェイクの身を案ずるより他はない。一部の人たちにはゲームと化した法廷で、正義を貫く尊さ。「法の目は人の目なんです」と平等を訴える最終弁論は感動的だった。職人監督としてシュマッカーがうまくまとめた佳作。

とまあ、この映画のマシュー・マコノヒーは好印象だったのだが、この後私生活ではチャラ男ぶり全開。サンドラ・ブロックと付き合って、さらに我らがペネロペ・クルスの彼氏だったこともある。心の狭い僕にとっては大嫌い男優のひとり(笑)




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