監督作「めぐり逢えたら」、脚本を手がけた「恋人たちの予感」などで知られるノーラ・エフロンのエッセイ集。邦訳が阿川佐和子というのがまた魅力で、ただでさえユーモア満載の文章が佐和子節でさらに軽妙になる。
バッグの中の整理が嫌い、容姿を保つための努力はどこまで頑張るか、住まいへのこだわり、大好きな料理、過去の恋愛や夫たちへの苦言、エトセトラ。女性読者は共感してウンウンうなづくところだろうし、男性読者は男への視線の厳しさにヒヤヒヤしながらもニヤニヤできる楽しさ。ケネディ大統領時代のホワイトハウスで研修生として働いていたのに、彼は私に手を出さなかった…には爆笑。
できるなら代表作はおさえた上で読んで欲しい。特に料理好きな二人のヒロインの物語「ジュリー&ジュリア」を観ておくと、料理のエピソードが楽しくなること必至。