Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

355

2022-09-14 | 映画(さ行)

◼️「355/The 355」(2022年・イギリス)

監督=サイモン・キンバーグ
主演=ジェシカ・チャスティン ダイアン・クルーガー ルピタ・ニョンゴ ペネロペ・クルス ファン・ビンビン

映画を製作するにあたり、人種やジェンダーへの配慮がいろいろ要求される昨今。それらは映画のテーマや描写にも及ぶようになった。悪いことではないのだけれど、製作する上での制約ともなり得る。これまでのターゲット層でだけ通用する英雄物語や往年の文学作品なんてなかなか難しい時代。そんな中登場した「355」は国際色豊かで、様々な国の女性スパイがズラリと並ぶ痛快なサスペンスアクション。この時代に出るべくして出てきた企画だ。彼女たちは悪に立ち向かうだけじゃない。組織にどっぷりのどうしようもない男どもにも蹴りを入れ、銃弾をブッ放す。

ストーリー上でも5人のキャラクターを生かした描写のバランスがよい。こういう映画って誰かが添え物になりがちだけど、それぞれに見せ場が用意されている。彼女たちがそれぞれ貫いてきたこだわりから、少しずつ変わっていくのも面白い。現場復帰を望んでいなかったルピタ・ニョンゴは銃を手にすることになるし、唯一プロのスパイでない心理学者のペネロペ・クルスも、自分に出来ることで貢献しようとする。他人を信用することができなかったダイアン・クルーガーは、彼女たちと行動を伴にする中で表情も柔らかくなっていく。

そしてジェシカ・チャスティン。「接近戦はしない」というポリシーは、本当は人間関係においてもそうだったのだろう。仕事上の相棒と関係をもたないつもりが気を許したことが後で厄介なことに。

ストーリーはツッコミどころは多々あるだろうが、まずは華のあるアクションを楽しむが勝ち。ファン・ビンビンが中国武術でバッタバッタ敵を打ちのめすのが楽しくて。ダイアン・クルーガーがやたらカッコいい。別れ際、後ろ姿のさよならの合図。女性がやるとカッコいい。ええ歳した僕らがやると刑事コロンボになっちゃうww



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする