Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ブレット・トレイン

2022-09-18 | 映画(は行)

◼️「ブレット・トレイン/Bullet Train」(2022年・アメリカ)

監督=デビッド・リーチ
主演=ブラッド・ピット ジョーイ・キング アーロン・テイラー・ジョンソン ブライアン・テイリー・ヘイリー 真田広之

自分の小説がハリウッド映画化されるのが夢だった、と原作者伊坂幸太郎はインタビューで答えている。長編「マリアビートル」がブラッド・ピット主演で映画化された本作。夢の実現だ。伊坂文学特有のテンポの良さ、伏線回収の面白さ、ディティールへのこだわり。彼の作品はまさに"活字のエンターテイメント"だ。これまで映像化された作品ではそれらがうまく再現されているものもあれば、都合のいい話になってしまっているものもある。じゃあ、この「ブレットトレイン」はどうなのか?。答えは「楽しい!」このひと言に尽きる。

極彩色で登場するトンデモニッポンの世界。 インパクトのあるビジュアルの登場人物たち。みんなヤバい人ばっかりで、それぞれの美学を持ち持論を語り続ける。例えば、レモンが語る「きかんしゃトーマス」論。これが面白くって。「お前は若手だからパーシーだ」とか言いながら緑色の機関車のシールを貼り付ける。悪役キャラのディーゼルについて語っているのが、後で伏線になる。ヤバい、楽しい。子供が小さい頃にトーマス一緒に見ておいてよかったww。イギリスのお子様番組ネタ、アメリカでもウケるのかな。

多くの方が感想で述べてるように、タランティーノ映画のテイストがある。「キル・ビル vol.1」(ここ大事!あくまでもvol.1ね!)めいた残酷描写も容赦なく出てくる。飛び交う血しぶき、銃弾、仕込み刀。唐突に流れる日本語楽曲。カルメン・マキをバックに列車にしがみつくアクション(バスター・キートンみたい!)、まさかの麻倉未稀、坂本九!😳。持論押し付けで延々続くお喋り、レモンとミカンの黒服コンビは「パルプ・フィクション」を思わせるところ。まあ、演出でのタランティーノ風味は意図したところかもしれないけど、キャラクターは原作あってのものだから、似てると言っても後付けの理屈でしかない。

ここまで悪ノリ覚悟で振り切った作風にしたことで、伊坂文学のエンタメ色という一面は活かしきっていると思う。でも、さんざん楽しませてくれながら、どこかハートに訴えかけてくる情緒があるのも伊坂文学のの面白さ。本作はエンタメに全振りしてるから、つべこべ言わず楽しんだが勝ちってことね。

スマートトイレ🚽、外国人から見たら異質ですごいもんなんだな。タイトルバックもエンドクレジットも凝っていて好印象。



コメント
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