◼️「007は二度死ぬ/You Only Live Twice」(1967年・イギリス)
監督=ルイス・ギルバート
主演=ショーン・コネリー 丹波哲郎 浜美枝 ドナルド・プリーゼンス
初めての007映画はテレビで観た「サンダーボール作戦」。2番目に観たのが幸か不幸か(笑)「007は二度死ぬ」だった。
誤った日本観によるとんでもハップンな描写の連続、前作でスケールでかくなったと思ったら、今度は事件が宇宙で起きてしまう大スケール。しかし幸か不幸か、地上波の放送ではツッコミどころの大半はカットされていた。日本に上陸して相撲観戦、日本では女性は男性に仕えるものとする問題描写の数々。タイガー田中(丹波哲郎)と女性数名をはべらせて入浴するシーンなんて、ハーレムかよ。
地上波放送で観た僕はこれらのシーンを知らず、後半登場する無理やりな場面だけに違和感を感じながらも、"ちょっと不思議なシリアス路線"の映画だと思っていた。それだけに後にレンタルビデオがこの世に出現してフルサイズを初めて観た時に衝撃を受けるのだった。そして「クレヨンしんちゃん」劇場版で、丹波哲郎演ずる温泉の神様が「俺はジェームズ・ボンドと風呂に入ったんだ」と語る場面に大爆笑することになるww。
ナンシー・シナトラの大好きな主題歌聴きながらある事に気づいた。
ん?「脚本 ロアルド・ダール」だと?
児童文学「チョコレート工場の秘密」(映画「チャーリーとチョコレート工場」の原作ね)を書いたあのロアルド・ダールだ。おお!そうか!「007は二度死ぬ」はアダルト向けファンタジー映画なのだ。
そう思ったら、なんかいろんなことが許せる気持ちになってきた。潜水艦の中にわざわざオフィスを作って出向いてくるMも、日本女性は欧米人の胸毛に憧れるという発言も、刺客の忍者も、日本人になりすましたと思えないボンドも、クライマックスのロケット基地であんだけ銃弾が飛び交っているのにボンドだけが余裕綽々で歩き回っていることも。小型ヘリコプターのリトルネリーなんて、「チャリチョコ」の透明エレベーターみたいなのものなんだ。空飛ぶ自動車「チキチキバンバン」の脚本も手がけたロアルド・ダールだもの。宇宙船を飲み込む宇宙船が出てきても不思議じゃないよ。
とか言いながらも、トヨタ2000GTや日本人ボンドガールも楽しい。当時小学生の僕が観るボンド映画には、実はちょうどよかったのかもしれない。ルイス・ギルバート監督はシリーズ中3作品を手がけるが、どれも大仕掛けな娯楽作。向いてるんでしょうね。
スペクターの首領ブロフェルドがついに姿を現すのも見どころ。ドナルド・プリーゼンスが演じたことで、僕と妹の中で"スキンヘッドの人=ブロフェルド"という図式が出来上がる。スキンヘッドの伯父がやって来る日に、「今日はブロフェルドがうちに来る!」とはしゃいでいた失礼な子供でございました😓
さて。「笑点」の前座布団配り、松崎真さんが出てくる場面はどこでしょうw