山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

桜の息吹を食べる !?

2023-04-28 23:07:42 | 食彩・山菜・きのこ

  わが畑と荒野の隣に桜が満開だったのは今月の中旬だった。移住記念に植栽した桜は、八重桜の「松月」だった。むかし、多摩の「森林科学園」の1500本ほどの「サクラ保存林」を何回か見に行ったことがあった。その中で、気に入ったのが八重桜の「松月」だった。ほんのりした桜色が日本的だったからだ。

          

 十数年前にはオイラの背の高さほどだった「松月」はいまやぐいぐい大きく育ち、毎年満開の晴れ姿を見せてくれる。上野公園や目黒川に行かなくてもしばしのマイ花見ができ、その孫がシカの食害にあいながらも少しづつ増えそうになってきている。食害がなければ桜並木ができているはずだった。

    

 その八重桜を収穫し、桜の塩漬けを作っているのがなんと和宮様だった。今までは、知り合いの八重桜の「関山」の桜をいただいていたが、今回はわが家にある「松月」でやってみることにしたようだ。収穫した桜の花を水洗いしごみを取ることからスタートし、水分をふき取り、軽く塩と酢をまぶしてから天日干しする。

             

 干すときは花を一本一本ザルに並べる根気がいる作業を続ける。天候や強風・温度のようすを毎日見なければならない。そこに、梅干しづくりでできた「赤梅酢」をかけるとぐーんと濃い桜色となり、色合いが引き立っていく。そうして陰干しして水分をなくしていく。

          

 水分がなくなった頃合を見て、塩を混入して出来上がり。桜湯も上品だがお茶漬けやおにぎりにいれると、しっかり桜の匂いが伝わってくる。手間暇かけて作っただけに格別だ。余裕があれば、オオシマザクラの柔らかい葉が最適と言われる「桜葉漬け」も同じようにできる。桜餅の葉が有名だが、おにぎりや刺し身を巻いて食べるのも旨いらしい。

 

  

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樹上より滝降るごとく山の藤

2023-04-26 22:54:19 | 植物

 いつも通る国道沿いの杉林には藤の花がにぎやかだ。むかしは大型連休あたりが満開だったのを思い出す。人工林ばっかりの単色の中にありながら、ひときわ目立つ藤の花に心を奪われる。「樹上より滝降るごとく山の藤」(遊雀blog)の俳句がぴったりの景色だ。くねくねした国道からヤマフジが次々と現れてくる。山が放置されているのが良かったのか。

                        

 そのため、車の運転がつい甘くなりがちだが、車の往来が少ない中山間地なのが救いだ。藤原氏の栄華の象徴でもある藤の花だが、藤は長寿・繁殖力抜群の樹木なので家紋にも多く取り上げられる。

     

 同時に、沢沿いに控えめながら咲いている「ヤブウツギ」の赤紫色も無視できない。一般的なウツギ系の花はほんのりしたピンク色が多いが、このヤブウツギの濃厚な色は原種のような存在だ。太平洋岸に多く、大気汚染にも強い逞しい樹種でもある。花言葉は「優雅」。

 今の季節はしばし、ダイナミックな藤色の「滝」と控えめな濃赤色の「優雅」とを楽しむチャンスだ。大型連休の人ばっかりが集中する観光地にはまったく行く気がしない。身近な自然をじっくり見る連休を推奨したいものだ。年金生活者のやせ我慢かー。 

      

   

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「富良野」を越えたか !??

2023-04-24 22:19:59 | バタフライガーデン

 わが バタフライガーデンはいつのまにか、「富良野」になった、はずはないよね。キレイなんだけど、ラベンダー畑のような紫の花がバタフライガーデンを占拠してしまったのだ。

                  

 一斉に繁殖したのは、「マツバウンナン」(松葉海蘭)だった。北アメリカ原産で、1941年京都伏見区で発見された。京都を中心に80年代に拡大し、現在は全国を制覇する勢いだ。よく見られるのは乾燥した荒れ地や開発地で、休耕地にも侵出中。つまり、わがガーデンはマツバウンランによって荒地として不名誉な「認定」を受けたというわけだ。

             

 といってもあまりに綺麗すぎる。一見、ひ弱そうに見えるがすらりとした花姿はスマート。その上に群落の集団力が強烈なので、花言葉の「芯の強さ」というのもうなずける。

 京都では、「種子ができる前に抜き取る防除対策が必要な被害危惧種」に指定されている。つまり、花が咲いてから草刈りするのでは遅い可能性がある。また、草刈りした後、そのままにしておくとそこから大繁殖があるらしい。残骸を燃やすくらいの徹底さが必要ということだった。このところ防獣柵づくりに相も変わらず追われているが、今度は外来植物の駆除も上乗せすることになった。牧歌的なスローライフは忙しい。  

 

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やっと、光回線となった!!

2023-04-21 23:04:12 | できごと・事件

   昨日までのインターネットはADSLだった。しょっちゅう回線が切れたり、かなり遅かったり、おまけにアドレスが出回りフィッシング詐欺メールにひっかかりかけたり、散々だった。しかも、地域の光回線工事の情報がなくていろいろ問い合わせた結果、やっと回線工事に至ったというわけだ。ネット社会だというのにもっと行政も後押ししてほしいところだ。過疎を乗り越えるにはIT利用は必須の課題のはずだが、相も変わらず動きが皆無としか思えない。

    

 さっそく、NTT工事関係者がやってきて屋根に上り、電柱から光ケーブルを引き込み、電話回線とは別のケーブルを設置する。道路側では、工事車が長いケーブルを本線につないでいく。作業者は3人だった。2時間足らずで工事は終了した。(イラストは「楽天ひかり」から)

          

 工事は終了したが、そこから自分でインターネットにつなげる方法が難航。業者やプロバイダーからの解説も丁寧ではなく、これもいろいろ調べてなんとかつながったようだが確信がない。まずはスピードが速くなったのは確かだ。

 政治家の時代感覚の古さがネット環境を停滞させているように見えてしょうがない。世界の先端にいた日本が遅れ続け、結局のところ、Microsoftやグーグルなしにはパソコンもスマホも起動できない仕組みに落とし込められている。そんな余波を感じ入るやっとの光回線工事でもあった。  

 

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アカザ畑だったっけ--??

2023-04-19 22:06:06 | 農作業・野菜

   久しぶりに畑の防虫網をはがすと一面、アカザのたくましい群列が見られた。そういえば、昨年ここでアカザの杖を作ろうと5本ほどしばらく大きくなるのを放置していたっけ。そのこぼれ種が畝にびっしり。

  

 ほんとうは、ジャガイモ畑なのだ。和宮様の厳しいご命令が発令されてアカザや周辺雑草を排除することになる。畝が全部で6列あるので、一日2列やれば3日で完了できる。しかしこの格闘は体力的に腰にも腕にも負担がかかる。そのうちに、和宮様が「わらわにもやらせたもう」との申し入れもあり、あわてて2日でやり遂げることとなった。終日草取り労働に明け暮れる。

     

 肝心のジャガイモは、やっぱり雑草軍団に肥料を獲られて元気がない。以前は黒マルチをやっていたが手間もかかるということで、今回はマルチなしでやってみたわけだ。とにかく、シカが意外にもジャガイモの葉を食べてしまうので、防虫網でなんとか阻止しているが近所の多くの畑はこんなネットはかけていない。わが大地はシカにとってのカルチェラタンになってしまったのか。そんなことをブツブツ言いながら、夕刻に惰眠をしっかりとる羽目となった。

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違和感の中の諷刺とエネルギー

2023-04-17 21:52:07 | アート・文化

 日本初のカラー映画「カルメン故郷に帰る」をDVDで観る。終戦後間もない1951年(昭和26年)の作品。浅間山麓の大自然の中の小さな村が舞台だ。人物がこの大自然の中から登場するという手法が斬新だ。交通手段に馬車や無蓋貨車が出てくるあたりが隔世の感を感じるが、そこで、高峰秀子らの派手な衣装・ダンス・歌が展開されるアンバランスが象徴的だ。 そのアンバランスに木下恵介監督は、軽佻浮薄な世相と敗戦にもめげない民衆のエネルギーとをコメディータッチで描いていく。

        

 父娘・姉妹・夫婦の情愛をさりげなく入れているのも木下監督らしい。双璧の黒澤明の骨太で男らしい手法とが対照的ですらある。佐野周二・佐田啓二・望月優子・笠智衆らの脇役も懐かしい。木下門下生の小林正樹・松山善三が助監督だった。山田洋二の「男はつらいよ」のヒントがここにあったのではないかと思うほどのコメディーだった。

      

 撮影現場の浅間牧場には「カルメンの木」が観光スポットとなっている。カルメンはこの樹の下で馬に蹴られたという設定だ。それほどに、じゃじゃ馬のカルメンは自らはダンスの芸術家と思い込んでいるが、まわりはストリッパーとして見ている。この違和感が全編に貫徹されている。このちぐはぐさが監督の狙いでもあるし、時代をシニカルにえぐる意味もある。出征した元教師が失明した姿にも戦争の傷跡を入れ込んでいるのもさりげない。

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柴か薪か、いや違った??

2023-04-13 23:20:56 | 石仏・石造物

  廃校となった浜松の小学校の片隅で金次郎は本を読み、ときに物思いを続けた。金次郎が読んでいた本は何だったのか。報徳思想の原点である中国の古典『大学』だったようだ。

 さて、金次郎が背負っていたのは柴だろうか、薪だろうか、それが問題だ?? 結論から言えば、石像は薪、鋳造は柴。と言ったら幻滅してしまうが、それが現実というもの。原画は幸田露伴の著書『二宮尊徳翁』の挿絵が最初と言われている。

 それを忠実に銅像として再現している「KK平和合金」は、昭和5年から90年にわたって鋳造を続けている。その挿絵が「柴」だったということもあり、また、細かいところまで表現できる鋳造の技術力もあり、「柴」にしているというわけだ。「柴」は家族の身近な自然エネルギーでもあった。

 したがって、この廃校の像は石像だったので「薪」だった。もともとは本の位置がもっと前だったのに違いない。その後の修繕で、金次郎の目線が本に向いていない。それは意味があったのかもしれない。その物憂げな表情はまた、忠君愛国に利用された金次郎の苦悶なのかもしれない。

        

 さてさて、金次郎像の第1号は、1924年(大正13)、愛知・豊橋の漁村にある前芝小学校に設置された。地元の廻船問屋を経営し衆議院議員だった加藤六蔵が寄贈したものだ。東三河で報徳社を設立した渡辺平内治(ヘイナイジ)の影響によるものらしい。制作は彼の書生をしていて彫刻の勉強をしていた藤原利平の作品。これをよく見ると、背中に背負っているものは「ビク(魚篭)」だった。これはびっくり。柴でも薪でもなかった。地域由来ならではの作品だ。足元には切り株が添えてある。(画像は「コトバの作法」webより)

   

 さらに、「金次郎マップ」を作った横浜では現在37体が現存しているという。それら銅像の特徴は主に二つに分けられるという。石像系は、「袴をはいて裾がでていない・左足が前・足元に切り株あり」で、鋳造系は、「着物で裾が出ている・右足が前・切り株なし」だとわかりやすくまとめている。(画像は「はまれば、com」より) 

 銅像設置数ランキング第1位の金次郎像にもいろいろバリエーションがあるのが分かった。銅像を最初に作ったのは、彫刻家・岡崎雪聲(セッセイ)が1910年(明治43)に制作し、明治天皇に買いあげられ、現在明治神宮宝物館に保管されている。そのレプリカが大日本報徳社のあるJR掛川駅前に設置されている。

 二宮尊徳の功績は経済と道徳との両立を多くの地域で実現したことでもある。金権主義を本位とする現在の世界では、尊徳の価値を再評価しなければならないと思う。そんな中、歩きスマホを助長するとして金次郎像を撤去するという事態さえ起きている。尊徳が地域で改革・実践した本来の真価を見直す時が来ているのではないか。

 

 

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外来種のスミレが野生化

2023-04-12 22:47:52 | 植物

 わが土地にも外来種のスミレが侵入して存在感を増してきた。畑の隣に堂々と華麗な一族の逞しさを誇示する。排除しようとも思ったがなかなかそんな勇気はない。そこで、むしろガーデンの外縁で活躍してもらおうと移植作業を開始したというわけだ。

       

「ビオラ・ソロリア」は、欧米では一般的なスミレの代表格で雑草化している剛健な仲間だ。それが日本にも雄飛してついにわが大地にも降臨したというわけだ。ビオラというくらい花も大きいし葉も光沢もありたくましい。

   

農道の道もすっかり雑草絨毯がひかれ、ちゃっかり白のビオラ・ソロリアが占拠を企んでいた。東海のカルチェラタンはさせじと、当局は排除に向かい一本一本引きはがし、外縁に移植したという顛末となった。

       

 この白いスミレは、「スノー・プリンセス」とも呼ばれたようで、園芸店では人気があったようだ。ちなみに、紫のスミレは「パピリオナケア」、白花で中心が紫の条線があるものを「プリケアナ」と呼ばれた。最近はそれらを総称して「ビオラ・ソロリア」と呼んでいるようだ。

       

 これらのスミレの根っこは、小さなワサビのような根っこ状の根茎を持っているからかなわない。ちょうど、わが道草山に自生するナガバノスミレサイシンの根っこと似ている。そのためか、このビオラソロリアを「アメリカスミレサイシン」とも呼ぶ。

           

 古代ギリシャの女性詩人が恋人とともにこのスミレの花輪を被る描写があり、それが同性愛のシンボルとされたという。それで、1900年代以降、レズビアンの女性が求愛のため本種を贈るようになった。そのため、本種は「レズビアン・フラワー」とも呼ばれるようになったという。

   

 愛の力はゲバルトをもってしても解消できない。わが荒廃地はそうした愛の力が満ち満ちているようだ。また、全草は食用・薬用にも活用され、とくに風邪・頭痛・便秘に効くらしい

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最初に食べた山菜は…

2023-04-10 21:09:05 | 食彩・山菜・きのこ

 裏の藪近くにコゴミを植えて7~8年はたっただろうか。放任栽培はうまくいっていた。ちょうど藪の繁みが湿地らしき場所になっていて、コゴミには絶好の生育環境になっていたのに違いない。思いついたときには草刈りをするときもあるがほとんど放置状態だった。

        

 それでも、毎年のように芽を出し、春の山菜の息吹を与えてくれる。今ではどんどん株が増えて見事な太い根株ができて、つい踏んずけてしまうほどになってきた。むかしは徒党を組んで張り切って郊外に収穫しに出かけたが、今では炬燵から這い出してからそのまま裏へ行けばコゴミが待っていてくれるというわけだ。

           

 5分もあればこのくらいは収穫ができる。わざわざ道なき山へ行かなくて済むというテイタラク農業なのである。早速収穫したその日に1分ほど茹でてから醤油マヨネーズで食べるのが定番だ。しゃきしゃきとぬめりとの食感がたまらない。

             

 すぐそばには、コナラの太い切り株があって雨の効果もあり、なんとかシイタケもニョキニョキ出てくれた。こちらも和宮様の天ぷら仕上げとなって食卓をにぎやかにしてくれる。また、あちこちにタラノメが出ているが忙しくて手が出ない。若芽も伸び切ってもう遅いかもしれない。春は一気にあわただしさを振りまきに来る。そうして、いつのまにか加齢という時間軸を積み上げてしまうのだ。      

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横綱の[横綱]がいた!?

2023-04-07 21:59:17 | 生き物

 しばらく空き家になっていたミツバチの巣箱を掃除する。すると中から、カメムシのでかいやつを発見。普通のカメムシの3倍くらいはある。形からこれはカメムシの仲間の「サシガメ」だろうと見当をつける。

           

 相手はすぐ擬死したように動かない。越冬して惰眠が良かったのだろうか。調べてみると、「オオトビサシガメ」だった。日本産サシガメで一番大きいのがわかった。そういえば、以前、「ヨコヅナサシガメ」というかっこいいサシガメがわが家にやってきたことがあった。それに比べれば、オオトビサシガメはその「横綱」よりでかいが、いかにも地味な装いだ。

        

 平べったい体は人家や家屋に滑り込むようにできているらしく、集団で越冬することがあるそうだ。手でつかもうとすると刺されることもあり飛び上がるほど痛いそうだ。針状の口は折り曲げられているらしく見ただけではその全容はわからない。

 もたもたしていたら、いつの間にか逃げられてしまったが、いよいよ虫たちが動き始めたのがわかる。昨日の夜には10cmくらいのムカデがトイレにいて、あわてて捕獲したことがあった。ムカデは脅すと動かなくなる習性があり、長いトングで捕獲に成功。いつものように熱湯処分とする。越冬から春へ。桜並木はきょうの強雨で樹下をピンクの絨毯にした。    

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