久しぶりに「天浜線」(天竜浜名湖鉄道)に乗る。一両のみの車両だが田園風景とマッチして絵になる。車内のイスはレトロな懐かしさがある。四人掛けボックスの肘掛けが木製なのも天竜杉を連想させる。乗客が少ないので四人掛けを一人で独占できた。
旧「国鉄二俣線」が1987年3月に第三セクターに移行してから、経営の格闘が始まっている。その一例が車体のデザインのラッピングだ。その先陣をきったのが触媒大手の企業・キャタライナーだった。企業の社会貢献として全線単線ワンマン運転のローカル線を応援している。
車体デザインの深緑色は、空の青と森林の緑を混ぜたカラーということだった。「キャタライナー」は、自動車の燃料電池や排出ガスの浄化では先駆的な役割を果たしているとともに、子ども向けの「wakuwaku理科教室」も開催している。天浜線の多くは無人駅が圧倒しているが、それでも訪れる人の評判はいい。
今回乗ってみた先頭車両のデザインにはキャタライナー社の企業理念の「環境浄化(clean)」「創造(create)」「挑戦(challenge)」の「C」がデザイン化されているが、見た目はわかりにくい。なお、天浜線はディゼルエンジンで動くので「電車」とは呼ばず「列車」と呼ぶ、ということを初めて知った。
キャタライナーに引き続き、スズキ・ホンダ・ヤマハなどの企業もラッピングでの応援を始めた。ヤマハの斬新なデザインにびっくりさせられたが、画像は撮影できなかった。これ以外にも、大河ドラマの「井伊直虎」や「どうする家康」をはじめ、アニメのキャラクターやゆるキャラなどのデザインが車体をにぎやかにしている。そのため、天浜線がそばを通るたびにどんなデザインになっているかを観るのが楽しみになっている。(画像は「気ままな趣味の散歩道」ブログwebから)
ついでに、何年ぶりだろうか掛川から新幹線に乗車する。降車した東京駅は人間の津波に飲まれて溺れそうになった。大都市の底力を見せつけられたが、経済の町は心の余裕というものを削除してしまう恐ろしさをも感じさせられた。