山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

閉じこもってはいけません

2024-05-08 22:51:16 | 自然観察

 連休中はほとんど自宅や畑から外には出なかった。それほどに農作業に追われていたというと都合はいいが、心と体の気分転換にしようと自宅から300mほどにある郵便ポストへ投函を兼ねて出かける。久しぶりのウォーキングとなる。すると、まぶしい春をいくつか確認できた。

  

 国道沿いに「コウゾリナ」の群落がいくつかあった。花だけを見るとまるでタンポポである。長い柄を触ってみると柔らかい棘のようなものがある。ここから、漢名の「髪剃菜」という名前の由来が出てくる。これとそっくりな外来植物の「ブタナ」というものもあるが、確認しにもう一度同じ場所に舞い戻ったが、やはり「コウゾリナ」に間違いはないようだった。

 

 それに、すぐ近くには「ギンラン」(ラン科)が咲いていた。もっと早くここに来たら、「キンラン」にも会えたはずだが、その痕跡は確認できなかった。それにしても、なんとも贅沢な発見だ。三十数年前、とある里山を何回か歩いてみて「キンラン」は見たものの、「ギンラン」だけはどうしても発見できなかったことがある。それがかくも簡単に自宅からほどなく会えるなんてなんとも豊穣な過疎地にいるものだとありがたく思う。

 

  里山に普通にあったこのキンラン・ギンランが激減していくのは、地価高騰に沸いた1990年代だった。それは便利さと経済成長に浮かれて人間の基本的なものを失っていく過程でもあった。最近の殺人事件や幼稚な事犯の連続といい、政治屋ジジイたちの跋扈する政界を許してきた「タタリ」が、じわじわと日本人の心を崩壊させていく。

 

 そんなこんなの思惑を描きながら歩いていたら、見事な「ダッチアイリス」が何本か路傍に屹立していた。ダッチというから、オランダが改良を重ねてシンプルながら地味なアイリス、つまり和名の「オランダアヤメ」が咲いていた。ハナショウブやカキツバタは湿地に依存するが、こちらは乾燥した環境を選んだ。同じアヤメでも随分と違うものだ。

 こうした発見も、歩いてみないと春を肌で浴びることはできない。ときに、スマホを捨て、ルーチンワークを捨て、自然豊かな田舎を歩いてみると人間と自然とのあり方を再発見できるというものでもあった。都会を終わらせよ。

  

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春の津波がひたひたと襲ってきた!?

2023-03-15 22:08:45 | 自然観察

        春一番の先陣を切ったのは、畑の片隅に新天地を求めた「フキノトウ」群落だった。一時、畑から絶滅したため今年は収穫しないでそのまま見守ることとしている。

         

 フキノトウとともに同じころに花を咲かせたのは、ミニ水仙の「テイタテイト」だ。フランス語で「頭を寄せ合う」というそうだが、なるほどのひそひそ話が聞こえて来そうな風貌だ。   

 例年より早く、「大杯」スイセンも咲き出した。中央のフリルが特徴。花弁がやや薄色イエローだが、白い花弁はまだ咲いていない。水仙の群落は道路や庭のあちこちで見られる。

        

 今年もたくましく早春の息吹を華麗に演じてくれた「ヤブツバキ」。この樹の下に花弁が落ちて赤い絨毯のように敷き詰めてくれる。椿三十郎の映画ではこれらのツバキの花がキーポイントとなっている。

 また、これを焼いた灰は漆器の研磨剤ともなっている。このヤブツバキは原種でもあり、日本固有種でもあるので、園芸種が多数作られている。

       

 畑の隣に「カワズザクラ」が五分咲きで咲き出している。わが家から車で15分ほど行った所ではすでに葉桜となっているのに、わが家はこれからが満開となる。都心で言えば、ソメイヨシノが咲き出したころ、満開となる「遅れてきた青年」(大江健三郎)だ。

          

  原木が伊豆の河津町で確認されたのは1974年。今では200万人も訪問される観光地となった。オイラも30年ほど前に河津町に行ったことがあったが、駐車する場所がなくて困った記憶がある。濃いピンクの色合いは、カンヒザクラ系の桜との交配であるのがわかる。 

  

  現在の「終の棲家」に移転した記念として植樹したのが、もう一息で満開となる「八重寒緋桜」だ。花弁を開き切らないのがやや不満だが、晩冬の風景に濃いピンクの花の景色が気に入っている。植樹したもう一本は、4月中旬に咲く八重の「松月」。こちらは控えめなピンクの桜。

    

 いつの間にか大きくなってしまった「ヒメコブシ」。それまで気が付かなかったほど他の樹木の陰にいた。前々から、「シデコブシ」が欲しいと思っていたが、それがわが畑の隣にあったというわけだ。といっても、花の紫色が薄いのでパンチに欠ける。

        

  どうもこれはその色合いから、園芸種の「ヒメコブシ」に違いないと最近はそこに落ち着く。大木になると、遠くから見ると結構目立つのがわかった。日陰者がやっと主役の覇者になったようなものだ。

        

  玄関近くにときおり咲いている「ボケ」が華やかになってきた。それまで、やはり「イチイ」の樹に阻まれて影が薄かったが、最近はぐいぐい枝を伸ばして見事な花を見せてくれる。その自由奔放な樹勢を剪定して、今では挿し木で増やすことにしている。

    

  バタフライガーデンでは、冬越えした「シバザクラ」が春の温かさを謳歌している。2000年ごろから、各地で栽培されて今では「芝桜祭り」とか、巨大な公園とかでイベントも開催され、場所によっては数万人規模の観光地になっている所もある。そんな大それた構想はないが、景観と昆虫とが融合された楽園になればとシコシコ植え始めた芝桜だ。

  こうして、春は怒涛のようにやってきている。雑草もじわじわと陣取り戦略を練っている気配だ。脇の甘いオイラとしては喜寿を迎えてしまい、体力も知力も減退し現状維持さえままならぬ昨今だ。そんななか、希望の光を手繰るには何から始めるべきか、迷う春がやってきた。      

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投げ入れ活け花より一輪の花!?

2020-04-10 20:43:26 | 自然観察

 昨日収穫したたっぷりの大根の花を捨てるのがもったいなくて、ポリの一斗缶に投げ入れる。しかし、白い花だけではパッとしないので、同じく巨大化した小松菜の黄色い花を一緒に入れてみる。すると、そこそこ重量感のある活け花となった。人工的な感じというより周りとの違和感がない。見る人がいないので自己陶酔の世界に浸ることになった。

           

 一方、散歩に出かけたときの崖の壁に「クサイチゴ」の花が咲いていた。この実は意外に甘いが、多めに収穫して一気に食べるとさらにうまい。花をじっくり見ているとシンプルながらなかなか品格がある。

              

 拡大して花をみると、花粉が見えたり、オシベ・メシベもしっかり見える。これ自体もなかなか芸術的だ。クサイチゴのたくましさはここの「しべ」の多さにもあることに納得する。

     

 葉も茎も毛が多い。棘もいくつかある。これで外敵から身を守るわけだ。花びらの皺も風情がある。投げ入れ活け花の迫力もいいけれど、一輪の花もオイラの尖った心を癒してくれる。      

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一足早く春のサイン

2019-02-26 20:18:37 | 自然観察
 春野の中心地あたりでは早くも「河津桜」が満開だ。ソメイヨシノが満開になる前の露払いということか。殺風景な直線道路ににぎにぎしく春の賛歌の前奏曲を奏でる。この道路を通るたびに春への手がかりを探る。

         
 わが家の裏の畑には八重の「カンヒザクラ」が一部咲きくらいだろうか。カンヒザクラと河津桜とがほぼ同じ時期に咲く。それもそのはず、河津桜は大島桜と寒緋桜との雑種だからだ。きょうはそのカンヒザクラを見ながらしばらく懸案だった裏畑の草刈りを行う。


              
 畑の隅では「フキノトウ」を発見。5年ほど前では100個以上も収穫していたが今は数えるほどしかない。微妙に場所を少しづつ移動しているのがわかる。
 また、ウグイスの初鳴きを聴いたのは一昨日の24日だった。野良仕事はそろそろ汗をかくほどに暖かくなってきた。
 
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畑からの春の芽吹き

2016-04-18 20:36:35 | 自然観察
 裏の畑から見えるコナラの芽吹きが春を賛歌している。
 隣の杉林は相変わらず無表情を貫いている。
 いつもの山並みが最も色変わりする「今」でもある。

                                  
    
 畑のあちこちで勝手に背を伸ばしていた「タラノキ」も、今年はうまそうな「芽」を伸ばしている。
 おかげで昨日の「山の楽市」には十数パックのタラノメを出品できた。
 今までは商品にならないほど弱弱しいものだった。

                          
 秋は紅葉を見たいと思って小さなカエデを何本か植えてきたがずいぶん大きくなってきた。
 若芽のすがすがしさがじつに見事。

                         
 
 その隣に、「ヒメシャラ」の若葉が伸びていた。
 ふだんは目立たないが、真っ白な花が咲くと上品さが際立つ。
                             
 ぐんぐん空に向かって伸びているのが「ホウノキ」。
 冬には固い芽だったのがついにぽろりと外皮を脱ぎ歓喜の葉を登場させている。

 雑草が元気になってきたわけだ。
 畑も山も歓喜の歌で満ちている。
 冬があるから春がある。
 だから春は希望そのものなのだ。
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カンヒザクラまだ五分咲き

2016-03-17 20:40:26 | 自然観察
 ニュースではソメイヨシノの開花予報合戦をしている。
 明後日からの三連休には花見ができそうだという。
 わが家の畑には、「カンヒザクラ」が五分咲きというところ。
 畑できょう初めて、「アカタテハ」「モンシロチョウ」を発見しました。

                          
 「カンヒザクラ」は、ソメイヨシノの前哨戦として最初に登場するキャストだ。
 花が開ききらないのが特徴だ。
 沖縄の桜と言えば、この桜が一般的。

                  
 わが畑はまだススキに包囲されている。
 それでも、空いている畑は一通り肥料を入れて荒耕することができた。
 あとは畝立ちして黒マルチをすれば苗を植えたり、種を撒いたりができる。
 これも耕運機のおかげだ。

            
 昨年の秋に植えたスナップエンドウは全滅だった。
 寒さ・寒風のせいか、ビニール内の温度が高過ぎたか、だろう。
 やりっぱなしがいちばんいけません。

                       
 スイセンがぼちぼち咲き始めた。
 近くの土手沿いや町ではスイセンが華やかなのに、わが家にはまだ届かない。
 早咲きの小型スイセンの「テイタテイト」という園芸種がまず咲き始めた。
 20cmほどのかわゆくて、凛としているのが素晴らしい。 
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寄り添って大木となる

2016-02-02 17:06:34 | 自然観察
 風は冷たいが陽射しに押されて県立公園によってみた。
 照葉樹林のシラカシ林が残っていること(極相林)、つまり森の最終の姿が見えるという里山だ。 
 遠い将来、この森はシラカシ林が朽ちて荒地となり、そこに木が生えだし、森が再びスタートしていくという。

 そこには、仲睦まじいめおと林が少なくない。
 お互いを排除することなくともに成長してきた歳月が刻まれている。

                            
 ときには喧嘩したりしながらも、結果オーライの円満な熟成が漲っている。
 樹皮はミズキに似ていて、触ってもスベスベしている。

    
 都会の中にある県立公園なので利用者の都合が導入され過ぎているキライはある。
 しかしその中でも大木は、枯葉を周りに集めて栄養補給をしっかり堅持しようとしている。
 さすがに風雪に耐えてここまで来た。
 
 立派なカメラや双眼鏡をかついだおじさんたちが颯爽と野鳥を追う。
 園内を早足で歩く超おじさんや遠足でやってきた幼児らが交差する。
 街中にいる高齢者より、ここにいる高齢者は元気であるように見える。

 そこには、生命力ある樹木や草花が待ってくれるし、野鳥や昆虫の暮らしがあるし、何よりも空気が体内を浄化してくれる。
 そしてそこには、気心知れた仲間がいる。
 
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サクラの塩漬けがまた始まった

2014-04-14 21:42:24 | 自然観察
 八重ザクラの花をいただく。
 サクラの塩漬けが食卓を刺激するからだ。
 ただし、手間がかかる。

                       
   
 サクラの軸の根元にある葉やゴミを除去する。
 ちょっとした内職となる。

                    
 それが終わると水洗いする。
 きれいになったら水気を切る。
 量が多いので根気が勝負だ。

  
 サクラと塩でひと晩漬け込む。
 重石をかけると、水分が出てくる。

 塩漬けの花を良く絞ってから、白梅酢をふりかける。
 それに重石を載せてしばらく漬けておく。
 あとの作業としては、もう一度白梅酢をかけて桜色を鮮明にしてから、ザルの上で天日干しをする。

 しかし、ゼンマイ病に罹った和宮様はその作業をする暇がない。
 塩漬けのおにぎりの香りといい味といい、忘れられない。
 
    
 

 

                     
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桜の開花報道ばっかりはうんざり

2014-04-03 21:37:32 | 自然観察
 3月下旬からニュースの主役は桜の開花予想や現況をどこの局も報じている。
 春到来の象徴としては理解できるが、桜ばっかりしか念頭にないとしたら思考停止だ。
 近くの国道を歩く。
 足元を見たらなんと黄色い花が散乱していた。

                    
 上を見たら黄色い花がびっしり。
 季節的には「ダンコウバイ」か「アブラチャン」の花のようだ。
 近所の地元の人にそれを言ったら「そこに
それが植わっているとは初めて知ったよ」という。

    
 同じ木が何本か並んであったので、意味を持って植えつけたものに違いない。
 林縁でさえ杉ばっかりのなかでこの樹木の存在は意外に貴重に思える。
 春一番の花はこれだよ。

                 
 その隣に、「キブシ」も咲いていた。
 咲いていたというより垂れ下がっている、と言うほうがぴったり。
 これはきっと自然に成長したのだろうが、これこそ春を呼ぶ代表格だ。

 マスコミがこういうところに目を向ければ本物なんだけど。
 報道側と視聴者との共同謀議が桜報道ということだろうか。
 春爛漫を迎えるにあたって、多様な視点の報道が欲しいところだ。   
     
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春に誘われ道草ウォークへ

2014-03-28 21:30:43 | 自然観察
 はつらつとした陽気はまさに春だ。
 農作業のすきまに春を探しにブラリ路傍へ。
 休耕地にスイセンの群落があった。

                 
 花を見るとかなり無頼な花びらのおもむき。
 そのため、庭ではなく荒地に植えられたのかと勝手に推理する。

  
 そのすぐそばの川の堤防脇には、フリルのある典型的なスイセンがAKBのように行儀良く並んでいる。
 早春の花というとスイセンを想起するが、最近、スイセンの品種が多様であることで見直している。

                   
 川の堤防際にツクシ発見。
 群生していると食欲が出るのだが、と勝手に欲望がつぶやく。

     
 林縁にはカンゾウと思われる草の群落があちこちに見られた。
 これを味噌汁に入れて食べるとうまいんだがと、また欲望が騒ぐ。

              
 その隣に「ウバユリ」の若草が輝いている。
 つややかな葉は、ウバユリという名を払拭してしまうくらいお肌がきれいです。

 近くてもふだんなかなか行けないような道端へ探検すると、思わぬ出会いがあるのが素晴らしい。
 生きていてよかったという時空を確認できる。 
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