友人とともに作った小さなビオトープにハスの苗をいくつか植えてみた。その際、池をよく見たら、青いイトトンボが連結して飛んでいるのを発見。以前、いただいたメダカを放流したがすべてカエルの餌食となった。その後、アメンボ以外には目立った生き物の訪問は確認できなかったが、カエルの次はイトトンボが三番目の登場ということになる。ごそごそ網で掬えば多少の生き物は確認できるだろうが、まずは目測での静観を重視したい。
イトトンボの同定はなかなか難しい。普通の図鑑からではまず確証はできない。それほどに、その仲間の種類は豊富であるのがわかっていたので、今まで深追いしなかった。しかし、せっかく訪問してくれたのだからと、調べてみると、青みが強い「ムスジトンボ」ではないかと思われる。似た糸トンボに、「セスジイトトンボ」「クロイトトンボ」「アオイトトンボ」などがあげられるが、解像度の良いカメラでないと同定できないのがわかった。作業しながらの携帯デジカメはすぐにゴミが詰まって2~3年が限界であり、年金生活者には高価なカメラは持てないのが実態だ。
さて、トンボのオスがメスの首根っこを抑えている連結が不思議だが、ほかのオスに寝取られるのを防ぐためだという。トンボの連結は交尾ではない。トンボの交尾はハート形状態になるが、今回はそこまで確認できていない。オスは、メスの腹部に別のオスの精子が残っていると掻きだして捨ててしまう。つまり、オスは自分の子孫を残すために、交尾後もそのメスが産卵するまでオスは連結を解かないわけだ。人間並みになんともトンボの愛は激しく熾烈なのだ。
池の周りでよく鳴いている「トノサマ」がすぐ近くの畑に視察に来た。意外にトノサマは小さいが、さすが凛としていて品位がある。
ついでに、交尾器のないカエルは、オスがメスの背中に乗るような体勢をとり、オスは振り落とされないよう、太い前足でしっかりメスに抱きつき、メスの放出した卵子に自分の精子をかけて体外受精を行う。それでカエルの卵塊ができる。トンボと違い、カエルらしい鷹揚なそのゆったりさが微笑ましい。