山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

墓参りと麻布の坂

2013-12-31 19:15:02 | 路上観察
 大晦日に墓参りをする。
 墓の所々に「倶会一処(クエイッショ)」という言葉が刻まれているのに気がつく。
 これは浄土宗の教えで、念仏信仰すれば浄土にいる先祖や友人と一緒に浄土に行ける、という意味だ。
 考えとしては納得いくが、現実の宗教のていたらくは目に余る。

    
 お寺の周辺の麻布界隈を歩いてみる。
 近くには大使館などがあって警備がものものしい。
 カメラを向ける自由がつい萎縮する。
 「仙台坂」を登ってすぐになんと「坂だらけの交差点」にぶつかる。

   
 「一本松坂」は現在五代目の松が植わっているという。
 「大黒坂」は、近くの大黒天をまつる大法寺があるのでついた名前。

      
 「暗闇坂」は、字のとおり、むかしは鬱蒼とした暗い林があったため。
 坂の下方の「七面坂」は、近くに「七面大明神」が安置されている本善寺があったため。

 港区には89の坂があるがこの麻布地区だけで42もあり、しかもお寺が多かったから、むかしはうら寂しい所だったことは想像できる。
 しかし今は、超高級住宅街となっている。

                     
 蕎麦を食べようとしたら歩道まで並んでいて断念。
 もう1箇所の蕎麦屋にも行ったらそこも長蛇の列が歩道を埋めていた。
 そりゃーそうだよね、きょうは。 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マユミ・壇れい・シーボルトがつながる

2013-12-30 20:52:34 | 植物
 広い冬の公園の中で目立ったのは、「マユミ」(ニシキギ科)の赤い実だった。
 名前のとおり、むかしから弓として利用されていたようにしなやかな樹だ。
 実は吐き気を起こしたり筋肉を麻痺させるくらいの有毒だが、頭髪のシラミを駆除する薬にもなる。

     
 そこにメジロが飛んできた。
 あの有毒だという実をうまそうに食べているではないか。
 人間を越えているね。

                         
 学名にはシーボルトの名前が表記されている。
 シーボルトが「評判の良い」樹として登録したものだ。

             
 マユミの若い樹皮は「壇紙」という名前で和紙としても利用されていた。
 マユミは「真弓」と表記されるが、同時に「壇」とも表記される理由でもある。
 女優の「壇れい」の本名が「まゆみ」というらしい。

 そんな事柄がわかってくると、マユミがさらに燦然と輝いてくる。
 庭にマユミが欲しくなるなー。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

交通事故死が減ったものの

2013-12-29 19:25:33 | 路上観察
 近所の道路で見た道路際のお地蔵さん。
 その周りの物を見るとどうやら被害者が子どもだったようだ。
 そこにいるだけで痛ましい気持ちがあふれてくる。

                        
 クリスマスをみんなで楽しみたかっただろうに。
 残された者の痛恨がツリーからも発信してくる。
 
 所々にこうした道路際の鎮魂の風景が少なくないのもわかった。
 運転する者の平常心と注意力とが問われる。
 便利な物によって感覚がマヒしないようにしたいものだ。
 合掌。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

竹塀を守るツタ発見

2013-12-28 17:44:41 | 路上観察
 とっくに朽ち果てて当然の竹塀があった。
 しかしそれをしっかりサポートしているのが、ツタだった。
 うまいぐあいに、塀にそって横方向にツルを伸ばしている。

                  
 よくもまあこれだけ、ツタを手なずけたものだ。
 いやじつによくご主人の意向をくみ取って塀を防御してくれたツタがエライ。

 コンクリートに被われた世界に突然こうしたナチュラルなスポットに出会えるとホッとする。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ときは今、「里山資本主義」の時代へ

2013-12-27 19:32:56 | 読書
 田舎暮らしをシコシコしていて、久しぶりの快諾をいただいたような本だった。
 シンクタンクの藻谷浩介(モタニコウスケ)さんとNHK広島取材班との共同執筆『里山資本主義』(角川書店、2013.7.)だ。
 マネー資本主義が世界と日本を席巻しているリスクを対処するバックアップシステムとして田舎での暮らしを提唱している。
 

 過疎が先進地の中国山地でのムラ起こしの事例をあげながら、マネーに依存しない里山の地域経済の意義を説く。
 この「里山モデル」は日本の危機・不安を解消していく「保険」にもなる、という。

                       
 とりわけ、NHKスペシャルでマネー資本主義を取材してきたディレクターらがリーマンショックでその凋落を目撃したとともに、その対極で颯爽と生きる田舎暮らしの達人に目が開かれる。
原発・企業誘致や補助金依存ではなく、地域に当たり前にある資源が地域の自立を促進させる「逆転の発想」が達人たちにある。

     
 余っている地元野菜を福祉施設が活用するくだりは、オイラがふだん考えていたことだけに納得するところだ。
 実際、地元の店で売っている野菜が他県からのものであるのに怒りを抑えていたから余計だ。

 藻谷さんが語る。
「里山資本主義」とは、お金の循環がすべてを決するという前提で構築された「マネー資本主義」の経済システムの横に、…お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続ける仕組み、いわば安心安全のネットワークを、予め用意しておこうという実践だ。

 これからの世の中と自分の生き方を変えていくバイブルになりそうな一冊である。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

路地裏で輝く植物たち

2013-12-26 19:37:17 | 植物
 冬でも色鮮やかに主張する路地裏の植物がある。
 コンクリートの狭間の荒地にときどき見られる「イヌホウズキ」。
 その仲間はいっぱいあって同定はむずかしいので、とりあえず「イヌホウズキ」とする。

     
 「イヌホウズキ」の実は黒色で、赤色なら「ハダカホウズキ」。
 有毒だが、花はナス科らしくシンプルで美しい。

                     
 「ナツヅタ」(ブドウ科)の紅葉が際立つスポットがあった。
 整った庭では見られないが、放置された所に出没する。
 ツル性なので制御がむずかしそうだが、この紅葉はモミジに引けをとらない。

      
 よく目にする「ピラカンサ」(トキワサンザシ)の実が荒地に鈴なりになっていた。
 鳥に聞いたところによると、味がまずいそうで、あまり食べに来ないという。
 したがって、これだけ大量の実があるにもかかわらず食べ尽くされないというピラカンサの戦略があるのだ。

                     
 庭でよく目にする「サルビア・ガラニチカ」(シソ科)。
 サルビアは学名で、英名だと「セージ」。
 サルビアというと赤いイメージが強いが、これは紫色が特徴。
 ハーブの仲間でもあり、薬用・香料にいいという。

 冬の路地裏歩きもそれなりの発見がある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホットな空間を奏でるカルガモ

2013-12-25 19:59:18 | 生き物
 1時間以上かけて歩いたそこには池があった。
 池には「カルガモ」の群れが平和の空間を「カモ」しだしていた。
 通る人はおもむろにカメラを向けてしまう。

                        
 カルガモは雌雄が同じ柄だけに見分けが難しい。
 それはどうあれ、人懐こい表情が人間の心の隙間に親しみを増幅させる。

   
 なかには門番だろうか、水面をじっと見つめて動かない二羽のカルガモもいた。
 しばらくそのそばにいて見ていたが、身じろぎもせずに任務遂行している姿が美しい。

               
 カルガモ軍団のなかに、一羽だけ模様が違うカモがいた。
 ヒドリガモにも見えるがカルガモの雑種かもしれない。

    
 また、日向ぼっこをしているカルガモもいた。
 カルガモの名前の由来は、「軽の池」に通年見られる鴨と万葉集に歌われたところからつけられたらしい。
 「軽池」は奈良県橿原市にあったという。

 冬の寒さに凍えた心を融解するカルガモの存在は大きい。
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石工の自由さがいい、庚申塔

2013-12-24 19:07:11 | 石仏・石造物
 コンクリートに覆われた道路の場末にムラの絆の証がひっそり立っている。
 それが、江戸時代民間信仰の盛況を極めた「庚申塔」だ。
 マンションのそばにある板駒型の石に彫られた「青面(ショウメン)金剛像」の表情は厳しい。
 「青面金剛」はもともと病気を流行らす悪鬼が改心して病を駆逐する神となった。

     
 頭は頭巾ではなく「おむすび型」の頭髪。
 6本の手には、宝輪、弓,矢、ショケラ、三叉戟、剣などがなんとか読み取れる。
 安政7年2月に建立されている。

                         
 「ショケラ」はふつう、長い髪を捉まれた罪ある女性が彫られているが、ここではなさけない顔をした男のようにも見られる。
 「ショケラ」は体内にいる重病を引き起こすと「三尸(サンシ)虫」を表すともいう。

     
 もう一つの「庚申塔」にも会えることができた。
 「柱状型」の石に彫られた青面金剛は上に月と太陽が配置され、下に「三猿」と邪鬼がいた。

                              
 また、「おむすび型」頭髪の上には「蛇」がとぐろを巻いていた。
 6本の手には、三叉戟・宝輪・弓・輪・ショケラ2を掴んでいる。

          
 特筆すべきは、「ショケラ」が二人いることだ。
 これはなかなか珍しい。
 一人は髪の長い女性らしい。
 もう一人は合掌している姿が見られる。

 青面金剛像の様式はあまり決まっていないので、石工たちが自由に彫っているのが伝わってくる。
 硬直した仏教様式に対して、民間の縛りが緩やかなのがすばらしい。
 そんな一端が見える路地裏歩きはなかなか魅力的だ。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

息あるうちは いきいき生きる

2013-12-23 21:36:26 | ポエム
 和宮様の友達が出演するという合唱コンサート会場に向かう。
 外は雪が降りそうな寒い中だけど、家から会場まで徒歩で行くことにする。
 会場は1時間前だというのにすでに観客が並んでいる。

 開演前の会場の席、約900席はびっしり埋まっていた。
 自主的な一つの合唱サークルがこれだけの動員ができるのは、週1回の地道な例会があるからでもある。

                     
 童謡・みんなと歌う・いのちと平和の歌という三部構成。
 そのなかで、「釜石小学校校歌」がすばらしかった。

 この歌は、「ひょっこりひょうたん島」コンビの作詞井上ひさし、作曲宇野誠一郎。
 184人の児童全員が東北大震災による津波を逃れた「釜石の奇跡」で有名になった学校だ。
 体育館が避難所となったとき、この校歌が流れ、多くの被災者を励ましたという。

 それ以上にこの校歌が子どもたちを自立的な人間にしてきたのではないか、と思えてならない。
 さらには、従来の校歌の発想を払拭した校歌を採用しようとした地域の進取の精神が、時代とその危機を切り拓いているのに違いない。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白肌に艶かしい肢体が!?

2013-12-22 20:13:25 | 農作業・野菜
 朝は銀色の霜が景色を独占している。
 きょうはまだ風がないぶん日当たりだけは暖かい。
 待ちきれなくて大根を収穫する。
 するとなんと、セクシーな白肌の大根が現れた。

                      
 今年はいつもより比較的真っ直ぐな大根に仕上がっている。
 正直言うと今までは半分くらいは二股の規格外大根が多かった。
 少しながら土壌の改善が進んできているのがうれしい。
 抜くのが楽しくなり12本ほどを収穫する。

   
 近所の方からいただいたレタスの苗がなんとか食べられるほどに成長してきた。
 防寒はしているがいくつかの株が霜でやられている。
 強風で剥がれたビニールシートを土でしっかり補強する。
 鍋にレタスを入れて食べたらシャキシャキしていてじつにうまい。
 

                  
 汗が流れる。
 ためしにレタスを2株ほど収穫してみた。

 となりにカブも順調に生育していたので、最後の間引きをする。
 カブの胡麻和えが甘く柔らかい。
 こういうカブは店では入手できない。

 冬の厳しい季節で収穫できること自体がありがたい。
 寒さと強風に折れそうな心を励ましてくれるのが、野菜たちのいのち。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする