五日前に行なったプレイパークの打ち上げもどきを、きょうの大晦日にやるという。朝起きて間もなくのわが家周辺には雪が積もっていたので、こりゃコンディションが悪いのではないかとしばし様子を見る。天気予報では雪がやむはずだというので、雪が降りしきるなか会場に恐る恐る向かう。
するとなんてこった、近くの道路も現地にも雪の面影がない。遠くの山々はうっすらと積雪が確認できたが会場の原っぱには若い参加者の熱気の炎によって雪が霧散してしまったようだった。しかも、会場にはいろいろな仕掛けが転がっているのも主催者側の配慮や準備の跡が見逃せない。
その仕掛けの一端では、前回のヤギさんはもちろんアメリカのブロイラーの主流だった「プリマスロック」が広い網の中で公開され、子どもたちはしばらく餌やりを楽しんでいた。また、タイヤブランコやシーソーの定番の遊びも体験しつつ、焚き火で暖をとりながらまわりにある枯草を投入していた。
お昼を過ぎたころ、ピザや釜で炊いたご飯のカレーライスもできあがり、さらには、山猿さん親子が作った豚汁がお腹も心も温めてくれた。鍋からはみ出るほどの具たくさんの豚汁も後半にはわずかしか残っていなかったところから、お代りした人が続出したわけだ。それもそのはず。味噌は山猿さんが作った麹たっぷりの味噌だったからね。オイラは前回と同様焙煎したエチオピアモカコーヒーとギンナンを用意して参入。
そしてなんと、全裸の少年がドラム缶風呂に入るというではないか。さすがに入る前はブルブル震えてはいたが、風呂につかると「♪いい湯だな」というわけだ。こんな体験を大晦日にやるっていう発想は神社めぐりを超えた未来を感じる。
その近くには、行水をしてしまった幼児もいた。焚き火の煙や粉雪がときどき襲ってきたようだが、それもなんのその風流を優先したのだった。なんという豊かさがこの時空にはあるのだろうか。「縮小する日本」の現実をただす希望がここにはある。それも、自然体で展開する親子の穏やかな空気がいい。これらを大切にしていけば、世知辛い現実の世界をうまく泳ぎ切るに違いない。