台風は夜には本格的に直撃してきそうだ。その前に懸案だったトマトハウスの撤収をあわてて行うことにする。というのはたまたま来訪中だった娘の助っ人がいたからだった。いなければとても今からでは間に合わない。第1の目標は突風の餌食になる屋根のビニールを外すことだった。パッカーがしっかり嵌っていたので手に難のあるオイラにはけっこう力がいる。
第2の目標は、ハウスのポールや竹の支柱・枯れたトマトの根っこを抜くことだった。ここまでやれば被害は免れるはず。さらに、第3の目標は、回収したポールを形状毎にしばって倉庫にしまうことだった。これらを全部やるには今まで3~4日かかっていた。しかしながら、午前中から始めた作業はてきぱき進行していった。
それがなんと午前中には完了したのだった。助っ人の存在は大きい。つくづく人間の存在は他人に役に立つということを想う。自死したり、戦争したりするのはそうした道から外れることだ。大企業や政治家の目先だけの利益優先の結末は、今の日本の事件や精神の行方をみれば明らかだ。歴史学者・渡辺京二が主張するように江戸にあった優しく豊かな文化・作法というものが近代化とともに失ってしまったものが大きい。ひとの生き方を潤いあるものにひとり一人が何が出来るかを考えるときが「いま」なのだ。
作業が終わって汗と小雨でびっしょり濡れた体をシャワーで洗おうとしたら雨がドバーッと降ってきた。「危うくセーフだったね」と娘と共にホッとする。