イノシシの逆襲がついに始まった。先日、イノシシが侵入している茶樹のトンネルに枝を投入して防御を図ったところ、次の日には、こんどはその腹いせか、裏の畑の道路側の石垣を崩し始めたのだった。どういうわけかわからないがイノシシは石垣の際を掘る習性がある。そこには、ミミズが多いのか、山芋が多いのかそれとも人間に対する腹いせのストレス解消か、もの凄いパワーであった。
石垣があったはずの所が崩され、植わっていた茶樹も根こそぎ掘り出されていた。それが見事わが私道沿いに10mくらい続いていたのだった。あまりの壮観に怒り狂うというより呆れてしまうばかりだ。とても、修復しようという意欲は今のところ失ってしまった。
さいわい、近くのトンネル栽培の大根の若い芽は荒らされていなかったのがホッとしたところだ。このイノシシの狼藉を見ると、冬を前にして腹が空いていたのかもしれないが、やっぱり前日の人間の防御策に対する腹いせとしか考えられない。こんな仕打ちはここ数年、なかったのだから。
ここ数年、イノシシからの大きな被害がなく、むしろシカの食害の方に煽られ、防護柵建設が課題だった。小さな山林を含めた2500坪近くあるわが土地に電気柵をやるのはとても予算も労力も足りない。だから、年金生活者はシコシコと自前で補修を重ねるしかない。
たまたま、地元の組長が来たので現状を見てもらい自治会長に報告してもらうことになった。とはいえ、役所を期待することはできない。組長の話では、近隣の耕作放棄地にも同じような事態があり、石垣が壊されたということだった。人間が鶴嘴をもって掘り出してもこれだけのことはできない。イノシシは短時間であっという間に道具を使わずやり切ったわけである。ハンターの出番を待つしかないのだろうか。そうすれば、その肉をやけ食いしてしまうぞ。