連日梅雨が山里を包囲する。しかし、農作業は次々難題をふっかけてくる。だから、軒下で作業をやるしかない。きょうはセルで育ったトウガラシの苗をポットに移植したり、挿し木した桜の「松月」を再び鉢上げする。そんな雨天の作業をしていると、緑の単一の風景の中にアジサイが飛び込んでくる。今年のアジサイの色は今までの濃いブルーより淡くなった気がする。肥料が少なかったり、老木になるとだんだん白っぽくなるという。
たしかに、同じ樹からこんな白っぽい花が多くなったのが今年の特徴だ。従来はジャパンブルーのような鮮やかさが目立っていた。肥料をやっていないという手抜き・放任のサインかもしれない。日本特産の「アジサイ」も、最近はアナベルとかハイドランジアとかどんどん改良・進化もされてきている。
挿し木で育てたアジサイは国道の法面に植えたり、庭に植えてきた。定植した時は花は咲いていなかったが今では見事な花を着けてくれるようになってきた。和名の「紫陽花」は、唐の白楽天の漢詩からの採用だという。蕚片が4枚であることから平安時代は「四葩(ヨヒラ)」の字(「葩」=平たい白い花びら)を使っていたようだが、縁起が悪いとか、花色の変化が無節操とかいうことで、人気がなかったようだ。その後、室町時代以降、能・華道・茶道などで少しづつ注目されるようになったという。
小さかった「ヤマアジサイ」もけっこう大きくなって奔放に伸びている。花期はすでに終わっているが、「アマチャ」との違いがよくわからない。一般に、アジサイの葉は毒だが、アマチャの葉には甘味がある。また、アマチャの装飾花は丸型で重なり合うというが、「アマギアマチャ」は隙間がある。画像は「ヤマアジサイ」のようだが、同定にますます困惑してしまう。