山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

炎天下のプレイパーク

2022-05-30 23:42:04 | 市民活動・まち育て

 熱中症が心配になったが、「春野人めぐり」という市民活動の一環を担った野外活動が開催された。その一つである、小橋さんのキャンピングと西田さんのプレイパークとのコラボが原っぱで行われた。オイラはそれらの活動を勝手に応援することになった。いつものように、小橋さんの飼っているヤギはこの場所を象徴する癒し効果がある。

 

 また、西田さんが飼っているニワトリを持参したのも存在感がある。アメリカ原産の「プリマスロック」という品種のようだ。大根の葉などをあげている親子がみられた。また、参加者が連れてきた白い超大型犬にも近くにいた人が次々と群がった。ピレネー山脈の番犬で有名なフランス原産の「グレートピレニーズ」か。ウクライナ侵略の殺伐としたニュースが氾濫する中で、この原っぱで展開される世界は、なんと豊かさに満ちていることだろう。

  

 オイラはフライパンでコーヒーの生豆を焙煎するというコーナーをやってみた。すると、参加者の何人かが焙煎やその豆を三人がかりでミルを挽く風景が見事だった。焙煎はムラができてしまい片手間ではうまくいかない。それでも、自分が挽いたコーヒーの味は格別だったようだ。プレイパークを開拓してきた先人たちからすれば、とんでもないコーナーかもしれないが、子どもだけでなく大人自身も楽しむプレイパークにすべきというのがオイラの考えだ。 

 

 前日に収穫したアンデス原産の新ジャガイモを焚き火にダッチオーブンを投入して焼いてみた。アルミホイルで覆ったので焦げる芋は回避された。お昼どきだったせいかそのほくほくが好評だった。かなりの量があったもののほぼ完食となった。

 また、けん玉もはまってしまったおとなもいた。今までできなくて避けていたが、生まれて初めて皿に乗せられることができ、しかも、「剣先すべり」という高度な早業も成功、病みつきになりそうとしばらく続けていた。

   

 前回も行われていた七輪にビー玉を投入して、「クラックビー玉」を挑戦していた。アクセサリーやインテリアにもなる。熱したビー玉を冷たい水に入れると意外なひび割れができるのが面白い。

         

 さらに、参加者が持参したゲーム、ボーリングのようなボッチャのようなゲーム「モルック」も人気があった。フィンランドで開発されたスポーツだ。12本のピンをモルックという棒を投げて得点を争うチーム対抗の競技。倒れた本数が得点というのが基本だが、1本だけ倒したときはピンに書かれた数字が得点だという。50点を先取したほうが勝ちだが、それを越えると半分の25点になってしまうので、頭を使うルールとなっている。

    

 なお、今回から簡易トイレが設置された。スタッフ肝いりの手作りトイレ。はじめは宿泊用の「ティピ」テントかと思っていたが、近寄ってみたらトイレだった。

 原っぱは草刈りした跡もあり事前準備が大変だったのがわかる。おかげで、乾燥した草を焚き火に利用できたのも特筆したい。とにかく、炎天下だったので早々に退散したのが老兵にはよかった。もし、夕方までいたら熱中症になったのが予想できた。二日連続のイベントだったが、若い主催者の動きが素晴らしい。倒れなければと願わずにはいられない。

 

 

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「eatree cake」ってなんだー??

2022-05-27 22:41:03 | 特産品・モノ

 和宮様のご令嬢から、「EATREE CAKE」が贈られてきた。人生の中で最も絶頂にいるらしいときめきが宅急便から伝わってくる。しかし、この「EATREE」ってなんだー!!  「EAT」と「TREE」を合体した造語か。木を食らう、つまり、「木から生まれたケーキ」というわけか。

 創作したシェフらは、「手にとる瞬間から、ふわりと香る杉のフレーバー。森が育んできた年月を感じさせる。深みのあるバニラ風味と爽やかなレモンのハーモニー。間伐材を食材にしてしまったまったく新しいパウンドケーキをお楽しみください」としおりに記している。

             

 まずはひと口。フーム。杉の香りというよりブランデーのような洋酒の香りと味が口内を支配した。噛んでいくと杉パウダーの粒子が絡まってくる。高級なパウンドケーキをいただいている食感だ。荒廃している「間伐材を食べる」ことで日本の森林を守る一助になりたい、という心意気が素晴らしい。マスコミのこれでもかレシピの奇抜さ狙いに比べて、このプロジェクトの志の高さに共感する。

 パウンドとはポンドからきているという。つまり、小麦粉・卵・サトウ・バターの4つの材料を1ポンドずつ用いたイギリスのケーキ。そこに、本品は杉パウダー・レモン・アーモンドを投入している。洋皿に樹木のシンボルマークがいい。

            

 さらには、「バンブーガレット」も同梱されていた。これは竹を食べるのだなと予想される。円筒の大きさの割には、量が少ないのが不満だが、フランスの焼き菓子「ガレット」をザクッと食べてみる。創作者は「サクサクとした、竹の食感。竹とバターが生み出す、香ばしさ。アクセントには、笹塩と柚子を合わせました。これまで世界になかった竹を味わい尽くすガレット。ぜひお召し上がりください。」とアッピール。口に入れた時は固かったが、和風の麦焦がし・こうせんの懐かしい食感を想い起こした。つい、お代りをしてしまった。

       

 放置竹林による竹害をなんとかしようと生まれたプロジェクトだ。パウダー状にした放置竹林の竹と笹を24%使用しているという。放置竹林を「食べる」という新たな用途を開発することで、地球を守る取り組みの一助になりたい、という志がやはり輝く。

 これらの地球料理を生み出している意図は、「持続可能な社会を叶えるために、LIFEを見つめなおす、ひと皿を」というコンセプトだった。第3弾は、廃棄されているカカオの殻・枝・葉を使って新しいチョコレートを開発し、チョコレート生産労働の貧困問題解決の一端を担うという。

 こういう起業精神をもっともっとマスコミはとりあげるべきで、オイラも全く知らなかった。それを発掘したご令嬢はさすが和宮様の御子である。ありがたく、ご相伴に預かった次第だった。

 

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ムシトリナデシコの白花を発見!!

2022-05-25 22:53:05 | 植物

毎年のように、野生化したムシトリナデシコがやってくる。濃桃色の花が周囲を明るくさせる効果はある。しかも、蝶がことさら好きなようでいつも蝶を撮影するビューポイントとなる。それが今年白花を身近で見ることができた。

           

 濃いピンクの花ばかりだとつい大まかにしかみないこともあるが、そこに白色が混じるとやはり環境をアッピールする化学変化が起きる。やはり、多様化が大切だ。

      

 そこに、ハハコグサの黄色の花が参入するとまた景色が変化する。というのも、石ころだらけの土壌にムシトリナデシコが咲いてくれたからだ。雑草も芽出しが困難な場所だったからだ。要注意の外来植物なので、庭から排除してしまったがこういう場所ではGOサインを出してしまう。

  

 バタフライガーデンには、園芸種のナデシコが咲いている。道の駅で150円で買ってきたものだが、最初は花が咲いていなかったのでどんな花が咲くのかわからなかった。そのわからないところが愉快なのだ。昨年は花が咲かなかったが、今年は見事株を増やしたうえに華麗に開花できたのがうれしい。

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フタリシズカが咲いたとき

2022-05-23 22:51:20 | 出会い・近隣

 和宮様が国道の脇で「フタリシズカ」(センリョウ科)を発見した。しかも、その足でわが裏山の4本のフタリシズカも発見した。茎から出ている花序は2~3本がふつうだが、1~6本のもあるという。名前の由来は、いま大河ドラマで静御前が描かれているが、その静御前が霊と舞う様子からつけられた謡曲「二人静」からだという。個人的には、「ヒトリシズカ」が好きなのだが。

        

 そんなとき、和宮様のご令嬢がフィアンセと一緒に過疎に忍んで暮らしている和宮様に会いに来た。初対面だった。来訪者は野外料理でもてなすのがしきたりなので、まずは焚き火コーヒーを飲んでもらい、やきとりを焼いてたべてもらった。それからは、彼に七輪クッキングを次々お願いした。

     

 それがなかなかの腕前で、イカもエビも焦がさずに焼いてくれた。エビを車状に配置して焼くセンスに一同感心。ご令嬢も嬉しさを隠せなかった。しかも、炭火では難しい食パンを焼いてもらった。それがほどよいトーストとなり、ガーリックバター仕上げでいただいた。これが美味しくできあがり、フィアンセの株が急上昇。その緻密で的確な腕前に和宮様はことのほかお喜びになった。

           

 彼も、自然に囲まれた当地の環境に都会の喧騒とストレスを癒すことができたようで、「また来たい」「アウトドアが病みつきになりそう」との感想を残していった。

 ちなみに、フタリシズカの花言葉は、「いつまでも一緒に」だった。

 

                    

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ヒトデがシカを撃退するだって!?

2022-05-20 23:09:55 | 特産品・モノ

 十数年前に植えたプラムはシカの食害に遭って成長が止まっていてあきらめていた。それがここ数年になってやっと葉をつけだし大きくなってきた。葉も樹皮もやられっぱなしだった。よく耐えてきたもんだ。そんなとき、知り合いから「撃退パンチ」という害獣忌避剤がドーーンと届いた。

               

 ヒトデは自己防衛のためサポニンというテルペン物質を出し、外敵を寄せ付けないという。それを害獣忌避剤として活用したのが本製品だ。シカだけでなく広く害虫・害鳥・害獣に効果があるという。しかも環境にやさしいだけでなく土壌改良剤にも使えるというから魅力的だ。

      

 プラムの樹皮は半分食べられていたが、なんとか生きながらえている。残念ながら花も実も確認できていない。不織布の袋に100gのこの忌避剤を入れてワイヤーで吊るしてみる。効果があるかどうかはこれからだ。ついでに、今まで被害のあった樹木にも吊るしてみる。枝垂れ梅も若芽・若葉を食害され被害者だった。犯人はもちろんシカだった。

    

 桜も梅もシカの好物だった。桜は肥料袋をかけておいたのでなんとか無事だった。放置状態の数本の梅もやはり樹皮を食べられていたし、もちろん葉も食べられていた。対策をしないと枝ごと折られてしまうくらいだ。

   

 棘があるのに「ユズ」も毎年丸坊主だったので、柵を巡らしたら無事大きくなってきた。しかし、葉が柵を越えると食べられてしまう。タラノキも鋭い棘があるのに樹皮を食べるので10本は枯れてしまっている。また、最近食べられていたのが「桑」だった。下方の枝は葉も実もなくなっていた。これも毎年のことだが、木が太くなると食べなくなる。若い枝は折ってしまうくらい貪欲に食害する。

 そのほか、ブルーベリー・柿の木・アジサイの葉・ツツジの樹皮はもちろんのこと、芽が出て間もないやわらかい野菜は一日で食べつくしてしまう。イノシシの大胆さは驚愕だが、シカの怜悧な食害はこちらが気が付かない間にやられてしまう。

 そんなときだからこそ、「撃退パンチ」がやってきたということでもある。価格が高いのは残念だがまずはその効果を見てみたい。こちらの惨状を見るに見かねた畏友に感謝したい。

   

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ロシアの強権と陰謀のルーツは!?

2022-05-18 19:54:31 | 読書

  「秘密警察」が権力を握ってしまったロシア。マスコミはプーチンの独裁を非難しているが、どうもプーチンを支えてしまう体質が国全体にある気がしてならない。つまり、ポストプーチンになってもロシアは変わらないのではないか、ということだ。ウクライナで残虐の限りをふるって止まないロシアの体質はいつからのことなのだろうか、ということで、とりあえず相田重夫『帝政ロシアの光と影』(三省堂、1983.7)を読んでみた。

  

 ゴルバチョフ書記長がペレストロイカを始めたのが1986年、ソ連崩壊が1991年、プーチンが大統領になったのが2000年、本書の出版は1983年だからソ連からロシアに移行する直前でもある。著者は、ロシア帝国の民主化を求めたプーシキンやデカブリスト、そしてツルゲーネフなどのロシア文学・音楽などに想いを寄せている。そこに、「光」を見ているというわけだ。たしかに、世界的な文学者・音楽・バレエ・建築・映画などの文化人は少なくない。そこに、大ロシアの片鱗があるのは間違いない。

           

 しかしながら、影の側面も深刻だ。雷帝イワン4世の中央集権的な容赦のない畏怖の統治は、1547年すでに始まっているし、18世紀半ばのエカチェリーナ女王の貴族優先・農奴への圧制をはじめ、農奴制と官僚制を基盤としたアレクサンドル皇帝の専制政治=ツァーリズムは19世紀には確立する。農奴は貴族の所有物であり、売買も裁決もされる無権利状態でもあった。

   

 西洋史に疎いオイラの知識を補完してくれたのは、高校のサブ教科書だった。これを参考にしながらロシアの過去をたどっていく。しかし、西洋史は西ヨーロッパの歴史だった。「遅れてきた青年」ロシアは、伝統的な専制政治を引きずりながら近代へと突入していく。西ヨーロッパのような人権思想や民主革命が育たないまま現代に至っているのを感じる。そこには、強権的な権力者と事なかれ主義の官僚・民衆が構成されてしまう。

           

 悲劇的なのは、ソ連から現在のロシアの体制維持のための「秘密警察」の存在だった。著者の相田氏はその辺には深入りしていない。そこが70~80年代までのロシア通知識人の弱点のような気がする。さらに、現在も東欧革命やソ連崩壊の画時代的な意味をいまだ充分認識できていない日本の革新陣営すらある。

    

 著者は「ロシアはつねに誤解されている」という立場で、ロシア愛を底流にした歴史を展開しているが、今にしてみればそれは楽観的だったのではないかと思えてしまう。ロシア研究者の中村逸郎教授の『ロシアを決して信じるな』という提起が、今のウクライナ侵攻の本質を表してもいる。つまり、約束を破る、うそを重ねる、それは長い圧制が続いてきたロシアの歴史のなかでの「生きる知恵」だったのかもしれない。

 

 したがって、安倍君がプーチンに「大判」振る舞いをしても、日本の北方領土問題が全く進展しない理由がこのウクライナ侵攻で白日の下にさらされた。加えて、旧ソ連が「カチンの森」で捕虜にしたポーランド将校や民間リーダー約2万人以上を虐殺したことも忘れてはならない。それをソ連はナチスドイツの仕業だとしていたがゴルバチョフらの調査でスターリンによる射殺の機密命令文書が暴露された。それはまるで、プーチンのウクライナ侵攻にかかわるウソや残虐と酷似している。帝政ロシアの影はいまだに生きているのである。 

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チョー、過密な出会いだった

2022-05-16 23:14:54 | 生き物

 梅雨のような一日。空を見つめながらそれに対応した作業を決めていく。予報は曇りだったが、実際はぽつりぽつりの雨が断続的に降っていた。気になるほどの雨ではないが長く外にいると寒くなってくる。  そんななかで、きょうはばかにいろいろな蝶に遭遇することが多かった。チャバネセセリは止まってくれないと同定できない。「スジグロチャバネセセリ」は止まると筋が見える。外べりの黒帯が細いと♂ということだ。

     

 コーヒーのフィルターに止まってコーヒーの味覚を楽しんでいるのだろうか。「コジャノメ」が止まった。蛇の目の紋が大小並んでいる。メスのようだ。やや紫色をしている白色帯がやや弧を描いている。似ているヒメジャノメの白色帯は、やや黄色で真っ直ぐだ。

     

 シロチョウには違いないけど、小振りだった。モンシロチョウにしては紋がよく見えない。マツバウンランの蜜を吸っているようだ。野菜のまわりにはモンシロチョウが来ているが、ゆらりと飛翔する「ウスバシロチョウ」のほうが目立つ。

    

 「アオスジアゲハ」もなかなか止まってくれない。焚き火の灰の匂いに誘われたのだろうか、口吻を伸ばして舐めている。翅はステンドグラスのように鮮やかだ。よく見ると赤い紋も見えるので、夏型のオスらしい。

   

 柿の木の枝で休んでいたのは、「オナガアゲハ」らしい。メタリックな色もあったので「カラスアゲハ」かもしれない。ただし、赤い三日月の紋はオナガアゲハに軍配が上がる。どちらでもいいが、クロアゲハも飛び交っていたようで、人間を攪乱させる。庭では「イチモンジチョウ」もいたが、画像にすることができなかった。それにしても、なんと蝶が多くなった一日だったことよ。

 

    

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ハハコグサがゴギョウになったのは

2022-05-12 22:44:41 | 植物

 農作業の合間に道草をやるのが習慣となっている。へたすると、道草のほうが長いことさえある。そんな近所の道草をやっている途中に、4mくらいの石垣の途中になにやら「ど根性雑草」が花を咲かせていた。

              

 近づいてみると、それは「ハハコグサ」(キク科)だった。この群落の横の並びには小さな排水口がいくつかあった。そこから芽が出たというわけだが、ここだけなぜハハコグサ一家が進出したかが不可解だ。さすが、雑草軍団の生命力の面目躍如というところだ。

 ハハコグサは、「春の七草」(セリ、ナズナ、ハコベ、スズナ=カブ、スズシロ=ダイコン、ホトケノザ=コオニタピラコ、ゴギョウ=ハハコグサ)として有力な食べ物だった。冬に不足がちな栄養素を取り入れるため古来から食べられていたが、中国の節句が導入、コラボされ、以来、「七草粥」として定着する。

        

 いっぽう、ハハコグサはかつて「草餅」の主流だった。お餅のつなぎとしてその細かな毛が活かされて「母子餅」として3月の節句には欠かせない食べ物となった。しかし、母と子とをすりつぶす餅は縁起が悪いとされ、江戸から明治にかけて香りと色の鮮やかな「ヨモギ」の草餅に代わっていったらしい。

        

 道草の帰りにわが家の境界を歩いたとき、ハハコグサの群落が一斉に花咲いていたのを偶然にも発見する。群落となるとなかなか壮観でもあった。

 ハハコグサが「ゴギョウ」(御形)と言われるがその理由がよくわからなかった。本来は紙で作った「人型」に自分の罪を移してから川に流して穢れをはらうのだが、当時の「紙」は高価なものだった。その代わりとして、薬効と食材で身近なハハコグサが選ばれたというわけだ。ハハコグサを身体に撫でかけて罪を移し川に流して穢れをはらったという。庶民にとってハハコグサは身近な素材だったが、改めてハハコグサをリスペクトしたい気持ちになった。

        

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ホオベニエニシダの花言葉は

2022-05-11 23:31:04 | バタフライガーデン

 20年前だっただろうか、千葉へ行ったとき住宅街の一角で見かけて、その前で心を奪われたように立ちすくした想い出があったのが、「ホオベニエニシダ」だった。この華やかさの見事さをぜひバタフライガーデンで実現したいと昨年定植したものだった。なかなか入手ができなかったがやっと植えつけることができ、しかも今年には見事な花を見せてくれた。遠くから見ても鮮やかに目立つ。

          

 花の形からして、マメ科であるのはわかる。ヨーロッパ原産で江戸時代にオランダ経由でやってきた「エニシダ」の園芸品種だ。オランダ語で「ヘニシタ」「ゲニシタ」と呼んだことから、「エニシダ」と命名するようになったというのが名前の由来らしい。

 樹形が箒型だが、この枝を束ねて実際箒にしていたらしい。伝説では魔女がこれにまたがって飛行したという。この箒にちなんで、花言葉は「清楚」「清潔」。

   

 また、フランスでの伝説は。王である兄を殺した弟が、城を出て悔恨(カイコン)の旅をする。そのとき、エニシダに懺悔を繰り返していたという。そこから、花言葉は「謙遜」「卑下」ということにもなった。花にまつわる物語があるのは楽しい。いつもながらだが、専門家は植物の緻密な特徴を並べるもののどうもそういう幅がないのが残念だ。

 

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花はどこへ行った

2022-05-09 23:11:25 | 意見・所感

 5日前、MISIAと加藤登紀子が熱唱した。ピートシガーとジローヒッカーソン共作の「花はどこへいった」(1955年)だった。ウクライナ侵攻へのプロテストソングとなった。いろんな訳詞があるが、壺斎散人(コサイサンジン)さんの和訳が秀逸だ。その部分をかいつまんでみると。

  

 「 花はどこへいった 娘たちがむしった花 /   娘たちはどこへいった 夫たちを探しにいった /  夫たちはどこへいった 兵役に駆りにだされた / 兵たちはどこへいった 墓にはいりにいった / 墓はどこへいった 花を探しにいった /  花はどこへいった もうずいぶん経つけど    / 花はどこへいった ずっと遠い昔に  / 花はどこへいった 娘たちがむしった花 /  いつになったらわかるんだろう  (赤字がリフレイン)

             

 娘が摘んだ花は結局は墓の周りに咲いている、というわけだ。人間はどうして愚かな戦争を繰り返すのだろうか、という悲哀に満ちた名曲である。原曲は、ロシアの文豪・ミハイルショーロホフの『静かなるドン』(1934年)に出てくるウクライナ民謡からだという。この曲がベトナム反戦の代表曲ともなって、忌野清志郎はじめいろんな歌手がカバーをしている。MISIAが歌ったのは、もちろんロシアによるウクライナ侵攻への痛憤が込められている。

          

 わずかな時間を縫って近所を歩いてみた。すると、裏山のてっぺんにある荒野に黄色い見事な花のジシバリとニガナの群落を発見した。あまり人が侵入しない場所の雑草は、かくも美しく春を謳歌するものかと感動する。その周りには、紫の外来種「マツバウンラン」が咲いていた。雑草の花園・楽園が人知れずあったということだ。花はどこへいった、花はここの里山にあった。

  

 きょうは、ロシアとナチスドイツとの戦争で勝利した記念日という。プーチンの演説が注目されたが、勝利宣言はできなかったが現状追認の侵攻を止めないという内容だった。ロシアがナチスとなったことをロシアは覚醒できない。殺戮された人間の痛みを想像できないどころか、正義の戦争を始めたという幻覚が国家を襲っている。これからロシアは、この代償をいかに払うのだろうか。

 同じことを、日本もアメリカもヨロッパ大国もやってきたことでもある。各国はそのつけをいまという時代に生かしているのだろうか。少なくとも、日本はその風化がはなはだしい。

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