山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

深紅のダイアモンドが玄関前に

2023-05-31 22:40:08 | 農作業・野菜

 今年は玄関横の道で例年以上にイチゴが実ってくれた。このところ、毎日のように口に入ってくる。なにしろ、親元の植木鉢から出るイチゴは少なくて、そこから道沿いにはみ出た所で実をつけるという無頼のイチゴなのだった。小粒ながらそこそこ甘味がある。

         

 野生のイチゴを甘く栽培したのは、なんと世界を制覇していた17~18世紀のオランダだった。チリ産のチリ種と北米産のバージニア種をかけあわせたものだ。それが観賞用として江戸の長崎に伝わったが、本格的にはフランスから導入されその基礎の上に、戦後、アメリカからの「ダナー」種が全国に広まる。1880年代には東の「女峰」、西の「豊の香」の二大品種が全生産量の9割を独占するに至る。

             

 2000年代は開発競争の戦国時代となり、栃木の「とちおとめ」が首位につく。日本の生食の消費量は世界一だという。しかしながら、買うには高値の華だ。だから、赤貧の我が家が買うとすれば半値になった時を狙うしかない。

 路地のイチゴ栽培はボーッとしているとアリに食べられてしまう。実が地面についていると食べられてしまう確率が高い。そのため実の下あたりに網を配置してみると多少の効果はあるようだ。

     

 だから、わが家では深紅のイチゴになる前に収穫するしかない。したがって、甘味は今一つで、大きさも小粒になってしまう。しかし、それでも今年が豊作なのは、はみ出た無頼のイチゴの苗の道沿いに少々の肥料を撒いていたのが良かったようだ。鉢の中にも肥料を撒いたが戦果はあまり芳しくなかったのが意外。イチゴがはみ出た所はふだん歩いている玄関前の固い道。耕さないで放置したままのぐーたらイチゴはオイラの性格にぴったり。なにしろ、畑でのイチゴ栽培は失敗続きだったからね。        

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ローカルの解体に抗するしんどさ

2023-05-29 22:40:08 | 市民活動・まち育て

 今月もプレイパークに顔出しした。このところ参加者が激減している。春の陽気にあちこち目を奪われているせいだろうか。それでも、参加者からいただいたキウイを子どもたちが切ってくれて配ってくれた。そんなさりげない行為に参加した親たちの姿勢がにじみ出ている。主催側の努力や方向性が若い参加者に伝わっていないのかもしれない。当初の盛り上がりの熱気を持続していく難しさを痛感する。

       

 とはいえ、常連の元音楽教師の方のBGMが奥山の世界に活気を与えてくれる。もちろん、裸足の子どもたちも早速そのリズムに乗ってくれる。はるばる焼津から来てくれるご夫婦の応援も貴重だ。しかしながら、なかなか地元からの参加はなかなか目に見えないし、はじめのころに参加していた顔ぶれも少なくなった。地域活動の直面する課題でもある。

 哲学者の内山節さんは、グローバリズムが<ローカルであること>を次々解体していったことで、人は幸福を感じにくくなった、と指摘する。だから、手ごたえある幸福をつかむためにローカルであることの見直しを提言している。オイラはグローバリズムだけが原因とは思わないが、ローカルの解体は都市の孤独と人間の解体を促進してしまったことは間違いではない。

         

 オイラもエチオピアのモカのコーヒー豆をフライパンで焙煎しながら、そんな課題の困難さを想うばかりだ。オイラは勝手連の無責任な応援をしているが、主催者の西田夫妻の心身の負担は重くなるばかりだ。そんなしんどさを浅煎りのコーヒーをみんなと飲みながら話し合う。身に覚えのあることでもあるので、持続していける心身の暮らし方の基本を語る。

 夢や理想を持つこと自体がむずかしい現実の過程の中で、それにめげない「根拠」を当たり前の暮らしの中で確認していくしかない。つまり、定例会を減らして自分の生活としての基盤を作ること、そして定例会の中身を絞っていくこと、集団的に運営していくこと、そんな会話をさらりとかわしてみたが…。

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欧州でも人気のコンパクトカーだった

2023-05-26 23:22:08 | 自動車・エンブレム

 街なかでたまに見つける「F」字のエンブレムがあった。そのデザインがどういう構成で考えられたかいまだにわからないが、トヨタの「fun cargo」であるのだけはわかった。ファンは英語の「楽しい」、カーゴは「積み荷」というシンプルな意味合い。トヨタのエンブレムには意味が比較的わかりやすい広報戦略がある。他社は車種の技術的な解説があるもののロゴの説明には冷たい。

        

「ファンカーゴ」は小型ワゴン車で、車内空間の利便性・機能性を考慮して広げ、1999年8月に発売。第20回日本カーオブザイヤーで優秀賞を授与されている。欧州でも人気もあり、ユーザー満足度の第1位を獲得している。また、「fun cargo」を無理に分解していくと画像のようなロゴができるのではないかと推察した、がどうだろうか。デザイナーの苦労は車の技術的開発からは軽く見られるが、オイラのような文科系門外漢はそこにこそ価値を見出すのだけど。

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X字は何を意味しているのか !?

2023-05-24 23:14:14 | 生き物

 防獣柵に白い「X」字を発見した。このところ、害獣に破られてばかりの防獣ネットだったが、侵入禁止のサインという援軍なのだろうか。見事な「X」にしばらく見とれる。しかしこれは間違いなく蜘蛛の網には違いない。

           

 X状の蜘蛛の網となると、コガネグモが有名だ。それは網だけでなく、手足2本ずつ束ねて体でX状のパフォーマンスも体で表現する。その理由は謎だ、Xだ。体の模様も黒字に黄色の横線が美しい。しかし、今回発見したクモは黒字に黄色の横線ではなかった。えっ、どういうこと??

                                   

 そういえば、昨年の8月に撮ったコガネグモの雌のお尻をスクープしていた。お尻にある糸の発射管「糸いぼ」から糸を出している所を激写。レディには失礼だったがコガネグモのお尻側だ。つまり腹側の画像は図鑑に出ていないうえにネットでも極端に少ない。そのためコガネグモであることがわからなかった。

          

 白いX状の網は、「隠れ帯(オビ)」とも言われ、自分の身を隠して獲物を待つ。この白い隠れ帯は紫外線を反射するので、昆虫の目にはそれが花のように見えるという。そこで昆虫が喜んで近寄ってしまうと餌食になってしまうというわけだ。白いX状の網はかなり入念に構築していた。まさか、害獣を獲ってくれるのか、もしくは侵入禁止サインを作ってくれたのかと、勝手な妄想で心強く思ったのだった。 

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[山城]を作るシカないか!?

2023-05-22 22:57:00 | 農作業・野菜

 十数年前には考えられなかった。畑の周りに防獣柵をめぐらすなど全く考えもしなかった。それがいまや、これなしでは持続的な農的暮らしを続けられない段階に至ったことになる。防獣柵の補修を考えると農作業も倍近くの手間がかかってしまっている気がする。

 2月に作ったキウイ前のビニールの防獣柵は、獣ではなく突風という外圧であっけなく破壊されてしまった。そこで、従来通りのネットの防獣柵をあわてて完成させる。

             

 樹皮も若芽も食害にあって成長が止まっていた桜は、この防獣柵のおかげでやっと安心したのか若葉を伸ばしてきた。この隣に、梅を2本植樹したばかりだ。ただし、この梅は畑で芽を出した実生の苗なので、品種は全くわからない。おそらく、生ごみ肥料の中から再生したものに違いない。

   

 いっぽう、バタフライガーデンで猛威をふるったネット噛み切り被害も、黒の寒冷紗で補修してまもない。当局は、犯人はシカ・アナグマ・野ウサギ・タヌキを候補にあげているが、捜索する気がないようで、いまだに誰が犯人かが特定できていない。

       

 そうこうしているうちに、その隣のネットが嚙み切られて大きな穴が開けられていた。大きさからするとシカが犯人かと思われたが、シカがネットを噛み切るのはまだ確認していない。噛み切る鋭さはアナグマがあげられるが。

       

 向かいの家でも同じようにネットが噛み切られたので、最近は金網で補修したようだ。わが家も金網を検討しなければならない。

       

 というのも、もう一つのバタフライガーデンの入り口のネットも噛み切られたのが判明したばかりだった。こちらの犯人は、シカではなくアナグマ・野ウサギの可能性が高い。しかし、なかなか補修する時間がない。夏野菜の植え込みの時期でもあるからだ。市販の防獣柵のネットやポールがいかにひ弱かも暴露されるばかりだ。

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株式会社という憂鬱

2023-05-19 02:07:06 | 読書

 小さな場末の都会で喫茶店を始めたという著者。その深さと自由に感銘する。平川克美『株式会社の世界史』(東洋経済新報社、2020.11)をなんとか読み終える。サブタイトルの《「病理」と「戦争」の500年》というところに株式会社の危うい本質が見え隠れする。

    株式会社のルーツは、一般的に1600年ころから設立された「東インド会社」からだと言われている。東インド会社は、軍隊保有・条約締結権・植民地支配の特権を独自に持つ国家公認のカンパニーだった。

          

 当時は、ヨーロッパ諸国の「大航海時代」であり、新大陸やインド航路の発見で領土・金銀・香辛料・奴隷への欲求が飛躍的に拡大されたという背景がある。それを遂行するには多大なリスクが伴う。そこで資金の持続的な調達のために株式を発行して外部から資金を集めることとなる。それまではローカルな商業活動だったが、ここから地球をグローバルに収奪する資本主義が開花していく。それは同時に、国家同士の戦争へと発展し帝国主義への先兵にもなった。

          

 著者は株式会社500年を概観して、東インド会社台頭の時代を「さなぎの時代」、市民革命の影響で堕落と醜聞の温床とされた株式会社が勅許制にもなった「幼虫の時代」、産業革命によって資金調達が切実になった「成虫の時代」、そして現在の金融資本が跋扈する「妖怪の時代」と、大まかに特徴づけた。

          

 株式会社の歴史から、著者が一貫してこだわり続けている論旨は、「人間は経済的な発展によって必ずしも、幸福にはなれていないということ」だった。「成長なくして日本の未来はなし」という凶弾に倒れた元総理の言葉の欺瞞をつく。が、「会社の病は生得のものであり、これがなければ、そもそも会社というものが成り立たない」と明言し、株式会社の存在そのものは否定していない。実際、著者もいくつかの会社を経営してきている。

           

 そして、「人間が生きていくということは、必ずしも欲望を満足させるためだけではない。年齢とともに、欲望は小さくなり、活動の幅も小さくなって、…静かな晩年を迎えるのが生きるものの節理である」と喝破している。欲望をいかに逓減していくかということ。

            (画像はwww.pinterest.jpから)

 水戸黄門が龍安寺に寄進したという「つくばい」を修学旅行でたまたま発見し、この「吾唯足るを知る」という言葉に感銘したことを想い出した。日本の心にはこうした心情もまだ絶滅危惧種としてスレスレに残っている。本場中国で深められたこうした老子などの基本思想が日本に大きく影響したが、今の中国にこそ必須のアイテムなのだが。いや、世界が今こそ学ぶべき謙虚さがつくばいに込められている。G7広島サミットでその先陣を日本は発揮するときなのだが。

 

 

                                                                 

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どこから来たんだ?

2023-05-17 22:27:16 | バタフライガーデン

  昨年からだが、見慣れない樹木が成長していた。葉が異常に大きいので、「桐」ではないかと見当を付けていたが、今年もやや大きい葉がついていた。植えた覚えはないのに、これはどうしたわけだろうか。 当局に聞いたところ、やはり「桐」であることが分かった。桐の果実は極めて小さい。丸い莢に種が数千個も入っているという。

          

 若い葉や柄にはビロード状の産毛があった。これも初めて知った感触だ。だから山里が貴重なのだ。むかしは、娘が産まれると桐の木を植えて、お嫁に行くときこれを伐って箪笥にして持たせたという。その種には翼があり、一度には放出しないで長期間にわたって散布する。その一部がわが山にやってきたのに違いない。

               

 そのそばに、なんと「柿」の木が2本出ていた。こちらは種が重いので風で飛んできたとは考えられない。よく見るのは、狸の糞に柿の種が結構混じっていることがある。きっとこれに違いないが、ひょっとすると、生ごみの中に混じっていて、それを肥料として撒いてしまったことも考えられる。いずれにせよ、甘柿か渋柿か、品種は何か、定かではない。

 それがわからないのが面白い。実ができてからのお楽しみだ。こうした桐や柿だけではなく、梅や柑橘類それに楓・栗も芽が出ていた。さて、10年後あたりは森になっているかもしれない。オイラは存在しないかもしれないけど、それは本望でもあるが。

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この瞬間を待っていましたぞ!!

2023-05-15 23:19:21 | 自動車・エンブレム

 久しぶりに街に出た。そこでなんと、とある駐車場で今まで「会いたーい」と渇望していた光岡自動車のエンブレムに初めて会えた。クラシックカーのような小型の車だったので外車かと思ったが、画像では見たことがあるユニークなロゴだった。富山市に本社がある光岡自動車だ。ベース車は「日産マーチ」で英国風のレトロな仕上げとなっている。1993年発売以来累計で13000台を販売してきた。

       

 ドギマギしていたのでピントがいまいちだったが、ロゴの下にはMITSUOKAの名前が入ってる。エンブレムは象形文字の「車」を採用したものだ。最初は何を表現しているのか理解できなかった。なんともわかりにくいロゴだった。

   

 それが象形文字の「車」を探すと、その変遷から「なるほど」となる(www.zdic.netから)。「商」王朝は、日本では「殷」というほうが流布されているが、BC1700年ごろ黄河流域に栄えた王朝だ。そのころの文字を光岡さんは採用したわけだ。つまり、車の原点にこだわるというわけか。上段は牛車、下段は人力車のように見える。、「西周」は殷を滅ぼした後の紀元前11世紀ごろの周王朝。

                 

  この小さな新車でも300万~400万円もする高級車なので、とても手が出ない。職人気質のこだわりある光岡自動車の技術といい、誇りといい、ローカル性といい、あっぱれな企業が存在すること自体が奇跡でもある。             

 

  

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「山クラゲ」を食らう!?

2023-05-12 00:58:10 | 農作業・野菜

  秋に種を蒔いた「山クラゲ」が大きくなったので収穫する。別名が茎レタスとかステムレタスと言われる中国原産の野菜だ。カルシウム・鉄分たっぷりというので初めて挑戦してみた。市場には出回らない珍しい野菜でもある。茎の太さは根元で3cmくらいだった。かなり固いので食べられるのか心配になる。

             

 葉も食べられるが、本命は茎だ。厳密に言うと、茎レタスを乾燥させたものを山クラゲという。多くは中国産。王様しか食べられなかったので、「皇帝菜」「貢菜」と言われてきた高級食材だ。まずは試しにキンピラ風に調理をしてみる。

           

 生の茎の皮を剝き、スライスしてからフライパンで炒めキンピラ風に調理をする。1本からかなりの量が取れる。確かにザーサイのようなコリコリとした食感がいい。しかし、厚い皮をしっかり剝いていなかったので料理としては失敗だった。硬い繊維は吐き出しながらだったが、柔らかいところはなるほどザーサイを柔らかくしたような食感だった。

     

 和宮様はさっそく、茎の皮を剥いて細く切り出して天日干しにしていた。風に飛ばされないよう材木の重しで固定している。以前、道の駅で干したものを購入し水でもどして調理して食べた経験があるとおっしゃっていた。

       

 その作業過程や天日干しを考えると手間がかかるのは間違いない。日本で生産している所が数少ないのもうなずける。食感がカンピョウに似ているので代用できるのではないかと思われた。とにかく、厚い皮はしっかり削ぎきるのがポイントだ。中国からわざわざ取り寄せなくても十分堪能できる野菜だった。そして皇帝の気分になるのだ?

           

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仲間が多過ぎるけど…

2023-05-10 23:18:04 | 生き物

 夜間また、ゴミムシがやってきた。今まではオオゴミムシの訪問が多かったが、今回は「オオホソクビゴミムシ」のようだ。大きさは約20mmくらい。「コホソクビゴミムシ」というのもあるようだが、こちらは9mmくらい。頭と胸が飴色でなかなか美しい。足はもも下が黒いのも特徴だ。

           

 名前の通り、首が細いの特徴のようだ。多くのゴミムシは首が見られないまま胸と直結しているのが多い気がする。言うまでもなく、ゴミムシは森の掃除屋で循環環境の旗手でもある。だから、家にいるということは、わが家が汚いということにはならない、と強調したいところだがね。

  以前には、紋が二つあるしゃれた「アトボシアオゴミムシ」も来たことがあった。ゴミムシというと黒い印象が強いが仲間にはカラフルでメタリックな模様の仲間もいる。

         

 ところで、オオホソクビゴミムシを捕まえてケースに入れていたところ、ひっくり返って元気がなくなっていた。足も一本とれてしまった。あわてて外に解放してみたが無事でいるだろうか。

 欧州では開発が進みすぎて、地表を徘徊する甲虫が少なくなっているのが問題になっているという。逆に、飛翔する小型の甲虫が多くなったという。それは日本だって、都会からゴミムシは駆逐されているのと同じだとも言える。その意味で、ゴミムシがわが家にやってくるのは、この地域の環境が豊かだという証左ではないかと胸を張ってはみるが。

   

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