山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

「リベラル保守」宣言

2019-04-30 11:07:21 | 読書
 『中村屋のボース』に引き続き、オイラが注目している著者の中島岳志『リベラル保守宣言』(新潮文庫、2016.1)を読み終える。「リベラル」とは、自由という意味ばかりではなく「寛容」を是とする意味も包含するという。それは、「人間の理性や知性には限界がある」ことで、「世界は永遠に不確実で、不透明」であるという認識に基礎を置く。それが保守主義の本義だという。


       
 したがって、大国とテロに翻弄されている世界の現在、「熱狂に熱狂しないこと」が重要であり、「いま社会に必要なことは、<熱狂>ではなく<平衡>や<葛藤>」であり、それこそが保守の中庸的主体の資質だと指摘する。


                
 「デモクラシーを原理化していくと、横並びにしようとする<平等への隷属>に陥る傾向があり」、それは「人々を<平準化>する権力を生み出し、<均一化>したマス(大衆)による<多数者の専制>を起こす」という説を紹介し、デモクラシーのもつ危うさの一面を指摘する。戦前のファシズムや日本の軍国主義化がその証左だ。オイラも進歩的な西洋思想・民主主義の限界を感じているところだったので納得のいくところだ。

                    
                     
 その意味で、「平成」が終わるきょう、連日のマスメディアの報道の過熱ぶりが気になって仕方がない。現実の日本の「保守」は、神道推進、原発再稼働、野党への切り崩しなど膨大な権力との共同行使によって、「同質化した大衆」の産み出しに成功していることは言うまでもない。
 本書も著者が橋本徹・維新の会批判を書いていたため、予定していたNTT出版社の「忖度」によって刊行できなかった経過もあった。

                      
 「結び」の部分はやや急ぎ過ぎたきらいはあるが、保守主義の本来的な思想のまともさは伝わったし、納得もいく。そこであえて言えば、「リベラル<革新>宣言」というものもあるべきではないかと思う。
 フランス革命の暴力的な市民革命は今日の「民主主義」の礎となったが、もっと根源的な「革新」の潮流というものも描くべきではないかと思えた。「改良主義」と揶揄されてきた革新的な政治家・学者をもっと発掘すべきだとこのごろ痛感する。中島氏のほとばしる情念が日本を洗濯してくれることを期待している。    
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イタドリをいただく

2019-04-29 21:50:41 | 食彩・山菜・きのこ
 昨年に引き続き近所から「イタドリ」のあえものをいただく。イタドリは昨日収穫したという。そういえば、わが家のまわりではちょうど手ごろなイタドリが出ていたのを思い出した。収穫は硬くなっているものもあるので柔らかいものを見つけるのが鍵だ。以前調理してみたが失敗。イタドリはシュウ酸があるのでアクをしっかり取らなければならない。

 これは「うまい!」。食感もいいし、擦りゴマも効いている。ごま油・めんつゆ味がピッタリ。あっという間に食べきってしまいそう。「うま~いっ!」。黒毛和牛はわが家の経済が許さないが、イタドリなら耕作放棄地にいっぱい自生している。こりゃあ、わが家の縄文採集経済にピッタリ。作ってみなくちゃ。おばちゃんの腕前と心配りに感謝。

パソコンメールの送受信が機能不全。いろいろ試したけどことごとく失敗。AIの時代なのにいまだトラブル絶えないままのパソコンにうんざり。ご迷惑をおかけしております。
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ジャンジャン飛んできます

2019-04-28 20:26:38 | 生き物
 畑にはモンシロチョウより「スジグロシロチョウ」のほうが来訪している気がする。画像はメスのようだが、エンドウの葉に止まっていた。スジグロシロチョウは市街地より地方・林縁部のやや薄暗い場所に多いようだ。


 
                   
 以前紹介した「オオハナアブ」と見られるアブを再び発見。複眼に模様があるのをはっきり確認する。さらに、左右の複眼が離れているのでこれはメス、接しているのはオスだという。
 世の中は10連休だが、農家は今が忙しい。わが家も午前午後一日中草刈機を振り回す。燃料があっという間になくなってきた。手がしびれるのでときどき昆虫や植物の写真を撮ることが休憩。


                
 枯葉のような蝶がいた。コノマチョウかなと思ったが、翅のへりがギザギザなので「ルリタテハ」のオスのようだ。表面の翅を広げてくれれば瑠璃色の2本の線が見えるはずだが残念、見せてくれなかった。


             
 地面にいた「センチコガネ」(センチコガネ科)は最初、色具合からドウガネブイブイに見えた。ところが胸部が大きいので、センチコガネと同定。メタリックな光沢にはいくつかの色がある。ちなみに「センチ」は、「雪隠」が訛ったもの。動物の糞や肉を分解してくれるお掃除屋さん。自然の循環型社会を貢献している担い手だ。
 春の訪れとともにさっそく活動開始している働き者の昆虫たちはたくましい。
  
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春は黄色から

2019-04-27 21:25:41 | 風景
 春の若葉色を感じながら国道を走るのが小気味いい。窓を開ければ林縁からのフィトンチッドとさわやかさが車内に流れてくる。春の黄緑色と常緑樹の深緑との取り合わせを目撃するのは今しかない。そんなとき、ヤマブキの花のまっ黄色のシンプルさがいっそう際立つのだ。

                   
 ふだんの黄色は控えめだが、闇夜や深緑の山里にはヤマブキの存在は群を抜く。もちろん、今の季節には杉や檜に絡むヤマフジも見事な光景だが、ヤマブキの鮮やかさにはかなわない。


                   
 わが家の庭には八重のヤマブキがある。一重のヤマブキは種はできるが八重はできないという違いはある。名前の由来は、垂れた枝が風になびく姿から「山振(ヤマブリ)」と言われてきたがそれがなまって「山吹」となったという説が有力。


                   
 「山吹色」は、オレンジと黄色の中間色だという。小判の色だ。だから、花ことばに「金運」が加えられた。八重山吹の上品にして重厚なたたずまいが人気で庭木に採用されることも多いようだ。タンポポ・キブシ・ダンコウバイ・フクジュソウなど早春は黄色から始まるのをずいぶん前に発見。それから、紫・白色へと移行していく傾向がある。
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鉄分をドリンクで補給

2019-04-26 09:39:32 | 特産品・モノ
 幼少のころからオイラは貧血気味の傾向があった。立ち眩みや鼻血もしばしばあった。このところ、通院している病院から、鉄分やビタミン12が不足していると言われる。あわてて、小松菜を植えてみたり、シジミや干しブドウを食べ出したりしている。
 そんなとき、森永乳業とエステティックの大手・TBC(Tokyo Beauty Center)とが共同開発したサプリメントドリンクが、昨年4月から販売された。その中の一つがプルーン・桃味(果汁10%)で、鉄分・葉酸・ビタミン12を含有されたドリンクだ。
 
 いっぽう、アメリカフロリダ州の「トロピカーナ」とキリンビバレッジが合弁会社を作って販売している、鉄分に特化したドリンクを飲んでみる。こちらは、マンゴー・オレンジ・リンゴ・プルーン(果汁24%)をブレンドしただけに旨みがある。味はこちらに軍配が上がるがビタミン12が摂取できればなおよいのだが。飲料業界の熾烈な競争が起きているが、健康志向に向かうのは歓迎する。
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国道沿いはウワミズザクラとアオダモが満開

2019-04-25 21:00:15 | 植物
 国道沿いのピンクの自生の桜は見られなくなったが、白い花がささやかに咲いている。花はブラシのような総状花序がハッキリ見て取れる。その形はなかなか見慣れた桜の花びらと全く違うがそれを愛でる人がいないのが残念。

          
 ウワミズザクラ(上溝桜)は、板に溝を掘って占いに利用されたことからこの名前がついたと、犬の散歩をしていた近所の人が教えてくれた。博学な茶農家のホープだ。どうもオイラは「ウワ<ズミ>ザクラ」と発音してしまう癖が治らない。
 天皇が即位して最初の儀式の新嘗祭のときにこの木(ハハコ)を使うというがどのように利用するのかはわからない。まさか占いをやるんではないかー。神道関係者はこのときとばかり天皇を利用しているように思えてならない。戦前回帰の国家神道復活戦略か、神道存在の誇示CMか。天皇が象徴であるなら、どこの宗教からも独立するか、アニミズムにするか、どちらかにするべきではないか。



         
 それはさておき、国道沿いにはもう一つの白い花が目立つ。最初はイヌザクラかなと思い込んでいたが花の形がどうも違う。樹木が高い所にあるので十分同定できないが、「アオダモ」(モクセイ科)の仲間のようだ。

         
 枝先に花ができるのが特徴だ。また、切り枝を水に浸けると水が青みがかるのでこの名前がつく。材が硬く粘りがあるので、スポーツのバットやラケットに利用されるので有名。林縁の木陰でさりげなくも目立たない存在だが、じっくり眺めると素敵な樹木だ。これも自生種であるのが素晴らしい。個人の庭先には「関山」だろうか、八重咲の絢爛豪華な紅色の桜が咲き誇っている。
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生きづらさを携えて歩んでいく

2019-04-24 21:02:37 | 読書
 ときおり、伊集院静の本が読みたくなる。以前読んだ『いねむり先生』にみなぎる人への優しさ、共感力に圧倒されたことを思いだす。「生きることのすぐ隣に平然と哀切、慟哭が居座っている」と、人生を看破している作者の洞察力。それは、実弟や前妻・夏目雅子の死の「無念をにぎりしめて生き」てきた作者の咆哮がある。 どういうわけか、エッセイ風の『いろいろあった人へ』(講談社、2018.3)を入手し、読み終える。きっと、わが茶畑を管理していた有能な青年の事故死があったからなのかもしれない。

  
 「人の出逢いは、逢えば必ず別離を迎える。それが私たちの<生>である。生きていることがどんなに素晴らしいことかを、さよならが教えてくれることがある。」
 伊集院静が女性に人気があるのも、短い端的な言葉で相手の琴線を叩くからだろう。わかりやすい言葉のその魔術は生きるギリギリを慟哭してきた者のみが使える技術なのだ。

             
 知人の女性は、伊集院静の著作の殆んどを読んだという。中山間地のなかで伊集院静のファンがいたのに刮目する。他人に対する想像力を「回線」する地元の人に会うことは残念ながら少ないのが現実だ。
 「人は何かを失って、何かを手にする」、そういう「さよならのチカラ」をバネにするには、状況を受けとめる感性と覚悟を日々の暮らしの繰り返しの中に貫いていくことから獲得するように思う。
 


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「松月」が満開になった

2019-04-23 20:43:37 | 植物
 昨日の25度だった気温のせいか、畑の隣にある「松月」桜がいっきに満開となった。じわじわと開いていく楽しみを失ったが、満開の見事さは言うまでもない。
 裏庭の日陰にあった「コゴミ」もほとんど芽が開いてしまって、大量に収穫するチャンスを失ってしまった。


    
 近くの国道では「関山」の八重桜が春爛漫・満開となっていた。また、白い穂状の花の「ウワミズザクラ」や「イヌザクラ」の満開も見られた。

     
             
 似ている「普賢象」という品種と同じように花の中央の雌しべが1~2本葉化しているがみてとれる。中央が白く周縁が淡紅色の控えめなグラデーションが日本的でいい。
             
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人をも刺すカメムシの仲間

2019-04-22 21:28:56 | 生き物
 ミツバチの分蜂が始まる時候になったので、ミツバチの巣箱を掃除していたら中から黒いカメムシの仲間が出てきた。体だけでも2.5cmもあるいつもより大きいカメムシだったので、調べてみると、「オオトビサシガメ」(サシガメ科)らしい。
 特徴は次の通り。素手でつかもうとするとかまれる。腹部がやや広いのでメスのようだ。肉食で昆虫を捕食する。「トビ」とは褐色もどきの鳶色からくるらしい。向うから刺してくることはないから、蜂と同じく手向かいしないことだね。
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松月桜を挿し木にする

2019-04-21 20:38:58 | 屋外作業
 畑の隣にある「松月桜」が5分咲となった。例年よりやや遅い満開になりそうだ。「松月」はこのあたりには見当たらない品種の桜だ。移住を記念して7~8年前に植樹したものだった。淡いピンクの控えめな色合いが気に入っていた。

            
 周りのソメイヨシノが終わるころ満開になるタイミングがいい。八重咲なので見栄えもいい。ただし、強風の影響で樹形が偏ってしまったのが気になる。

            
 その根元から4~5本ほど伸びてきた「ヒコバエ」を切除する。それを捨てないで挿し木をして「松月」を増やすことにする。なんだかんだで作業は一日がかりになってしまった。なんとか根っ子が出てくるよう水やりをこれから心したい。
 
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