足腰大丈夫な内に出来る限り、不要雑物処分・身辺片付け整理をしよう等と思い込んでからすでに久しいが、正直なかなか進んでいない。それでもここ2~3年には、押し入れや天袋、物置、書棚等に詰まっていた古い書籍類をかなり大胆に処分してきた。ただ、中には「これ、面白そう・・」等と目が止まり、残してしまった書籍もまだまだ結構有る。その中に 漫画家赤塚不二夫著、元東京学芸大学附属高等学校教諭石井秀夫指導の古典入門まんがゼミナール「枕草子」(学研)が有る。多分、長男か次男かが、受験勉強中に使っていた「枕草子」の解説本・参考書の一つのようだが、錆びついた老脳でもなんとか読めそうな、まんがで描いたくだけた内容、その内いつか目を通してみよう等と仕舞い込んでいたものだ。ながびく新型コロナ禍、不要不急の外出自粛中、ふっと思い出して、やおら引っ張りだしてみた。当然のこと、本格的な「枕草子」解説本、参考書とは異なり、限られたサワリの部分に絞ったものであるが、学生時代に多かれ少なかれ齧っていたはずの日本の代表的な古典、清少納言の「枕草子」も、ほとんど覚えていないし、「古典」に疎く、苦手な人間には、十分楽しめそうで、御の字の書である。(以上 過去記事コピペ文)
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「ワテの愛する季節どす」・まんがゼミナール「枕草子」その2
第223段 「五月ばかりなどに山里に」
夏山の山道を、牛車で通った時の、爽やかな気分を、感覚的に綴った随想の段。
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五月の頃、山里を遊歩するのは、
とっても楽しおますえ・・・、
五月言うたかて、昔の暦でのことでおます。
梅雨の頃どす。
草も葉も水も、辺り一面すべて青々しておます。
そないな草の中、真っ直ぐ進むと、
深くはおまへんが、澄んだ水がしぶきをあげて
おもろおすえ。
左右にある垣根の枝等が、車の屋形に入るのを
急ぎ捕らえて、折ろうと思うても
ふっとはずれて過ぎて行くも、くやしいわあ!、
よもぎが車にひかれて、輪について回ってくると、
ああ、いい匂い。
原文だよーん
五月(さつき)ばかりなどに山里にありく、いとをかし。
草葉も水もいと青く見えわたりたるに、
上はつれなくて草生い茂りたるを、長々とただざまに行けば、
下はえならざりける水の、深くあらねど、
人などの歩むに走り上がりたる、いとをかし。
左右(ひだりみぎ)にある垣にある、ものの枝などの、
車の屋形などにさし入るを、急ぎてとらへて折らんとする程に、
ふと過ぎてはづれたるこそ、いと口惜しけれ。
よもぎの、車に押しひしがれたりけるが、
輪のまはりたるに、近ううちかかりたるもをかし。