圧巻の記録で堂々の金メダル。おめでとう小平奈緒選手!
大きな期待はあったが、プレッシャーもあっただろう。36秒94のオリンピック新記録(OR)の表示が出た瞬間、テレビの前で"やったぁ〜!"と私も声をあげていた。たった一人の36秒台。得意な500mとはいえ、五輪記録を塗り替える素晴らしいスケートだった。ダイナミックなフォームで加速、トップスピードで最後まで力強さを失わずフィニッシュしていた。
単身オランダ留学でこの五輪を目標に進化を続け、31歳の小柄な体が、究極への闘いを実らせた。
レース後のインタビューでは『自分の持ち味を出し切れた。全てが報われた』などと話していたが、集中力や努力の大切さといったアスリートとしての礎を学ばせてくれた。
嬉しかったのは、ORを記録後も次に滑る選手たちを気遣い、どよめきがおさまらないスタンドに向かって、人さし指を唇に添え「静かに」の仕草をしていたこと。
日本選手団主将としても心技体揃った立派な選手が日本女子スケート界に『初』の大きな花を咲かせた。