無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

自給自足ライフスクール11月その② コンポストトイレ作り(畳再利用)とクン炭でサツマイモ焼き

2015-11-16 22:44:58 | 自然菜園スクール
本日、


あれもこれもやる予定が、午前中の買い出しだけで疲れ切ってしまい、午後は昼寝がそのまま気づいたら18時まで爆睡~。
自給自足ライフスクールの準備やその前の連載雑誌の取材もあったので、先週は鬼のように忙しかったことが原因のよう。
今年は、今までで一番忙しかったハードライフの一年のように思えます。

来春には、現在毎月連載中の「田舎暮らしの本」(宝島社)が書籍化しますので、今年の年末年始は、校正、編集の鬼でしょうから。
来年度からは、少しずつクールダウンできるスローライフを目指したいと思います(笑)




今年は、実験的にプレオープンで「自給自足ライフスクール」を元生徒さん限定で行っております。
来春からは、一般公募できるように、会場の改修工事も兼ねており、
現在会場の元蚕小屋(土蔵)もここまで壁塗りが終了し、現在、その脇に外トイレを作っております。

外トイレも汲みとりや水洗トイレではなく、ミミズコンポストというミミズの力を借りたオーガニックトイレにする予定です。

外が雨だったので、できる範囲で雨よけも兼ねて屋根を張ってある状態です。
11月のワークでは、壁を作っていき、土を塗り、年内に内装が終わるように考えております。


コンポストトイレの壁は、ストロベール建築を参考に、日本ならではの畳を使った土壁施工をやってみようと思っております。

当スクールのテーマは、『持続可能な自給自足の暮らしの最初の一歩』なので、できる限りゴミを出さずに、あるものを大切に、リユース、リサイクルしていく方針です。

そのため、欧米で牛などのためにムギワラを圧縮した「ストローベイル」と呼ばれる藁のブロックと積み上げ、そこに土を塗る方法ですが、
母屋の改修ででたスタイルなどを使っていない、昭和の本畳(ワラ100%の床)を再利用して、




壁に木枠をつけ、そこに畳を留めていく方法をやってみました。

畳屋さん曰く、「本来の畳は、ワラだけで圧縮して床を作り、そこに麻糸とい草で畳表留めていくものですが、
最近では、スタイル材という発泡スチロールのような青い断熱材などをしようした薄い畳っぽいものが主流』だそうです。

今回は、ちょうど7枚の古畳がありましたので、その畳をリユースしていくことにしました。

切れやい草はしなどももったいないので、春の踏み込み温床の材料に再利用して、最終的には、育苗土や堆肥を通じて、土にゆっくり還る予定です。






こんな感じで、壁の下地ができていきます。

畳には断熱効果があり、水分調整もしてくれるはずなので、トイレの結露や暑さ寒さ対策として役立ってくれると思います。




お昼は、今年の新米のもち米(白毛モチ)のキノコの炊き込みおこわです。
電子ジャーで作るのではないので、1人釜をお世話する方がつきっきりで途中出汁を加えながら炊いて準備します。




約1時間位蒸して完成。

焼いた油揚げに、畑の大根オロシに手づくり醤油をたらしてオカズにしました。

自給生活は、食べること≒生きることに時間をたっぷりかけるのが至福の時間になります。




参加者全員で、各担当の場所を仕上げていきます。

畳には泥がつかないため、事前に発酵させたべと土を用意しておき、畳の上にラス網を留めていき、その網目にべと土を押し込む要領で塗っていきます。
最終的には、中塗り、しっくい仕上げを行うので、3回塗っていくことになります。




作業を行っている間に、もみ殻を焼くクン炭作りをしながら、その熱を利用して焼き芋も焼いておくと3時のお茶のおやつづくりになります。

ちなみに、サツマイモは、紅はるか、ニンジン芋、パープルスイートロード、黄金千貫です。

食べること、出すこと、暮らす場を調えていくことが自給自足の暮らしの基本です。

無理なく、無駄なく、愉しく暮らす。そんな暮らしの一歩が体験できる場になればと思っております。

日干しレンガのカマドに続き、畳ベールハウスによるコンポストトイレが完成が楽しみです。
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育苗土の発芽対照実験からの学び 【自給自足ライフスクール11月①での出来ごと】

2015-11-16 09:55:25 | 自然菜園スクール
本日、


週末は自給自足ライフスクール(プレ)11月でした。
来年から本格始動しはじめる自給自足ライフスクール(プレ)も残すところあと12月のラスト1回になりました。
来年の募集は、一般は1月からホームページでに公募し始めます。




参加者の生徒さんでもあり友人が、「実際にやってみたのでちょっとみてください」と、
自家製育苗土の発芽対象実験を持ちこんでくれました。

これがとても深い学びになったので、
本人の同意の元、別の友人が撮ってくれた写真で、試験結果についてレビュー&シェアさせていただきたいと思います。

当スクールなどで堆肥造りを学んだ持ち込んだ友人は、1カ月前に、「育苗土を造りたくて、実際に自分で堆肥を仕込んだのですが、どうだと思いますか?」と堆肥の腐敗チェックをお願いされました。
すごく難しいことをお願いされました。


というのは、堆肥造りは、コツを覚えば難しくないのですが、育苗土づくりはその上を行く精度を求められるからです。
堆肥は、地球の上の畑という土に少し混ぜ込んだりするので、多少失敗していても土の包容力でなんとかなりますが、

ハウスなどで、ポットという狭い容器に入れて、温かい環境で、水を加えながら育てる育苗土は、未熟、腐敗の要素が許されないとても繊細で、熟成が進んだものでないと使うことができません。


未熟や腐敗しやすい堆肥を材料に、育苗土にすると、野菜が軟弱に育ったり、病気や虫の害を招いてしまうからです。

【この時の自家製堆肥の材料】
一輪車10杯の落ち葉とモミ殻に、1杯の米ぬか、1杯の畑の土を水分20%で、切り返し3~4回。
初期、1カ月位温度が60℃を維持した模様。その後熟成。

腐敗実験も異臭がなく、堆肥としては上々。しかし育苗土としてよいかどうかは、まだわからない状況でした。


そこで、完成した堆肥に、畑の土をブレンドしたものなど対照実験を、3種類の野菜の種でやったらどうかと実際に実験することを薦めました。



今回はその結果を持参してくれたわけです。

左から ①畑の土100%、②畑50%+堆肥50%、③堆肥100%、④市販の育苗土100%。

播いた野菜は、カブ、ハツカダイコン、ホウレンソウの3種類。

みなさんは、どう自然観察しますか?

ホウレンソウは、酸性に弱くアルカリ性に適性がある。肥えている土で良く育つ。
ダイコンは酸性に強く、アルカリ性弱い。痩せていても育つ。
カブはPH5.5~6.5がストライクの弱酸性で最も良く育つ。


カブが丸くよく育つと大概の野菜が育てることができることを教えてくれます。

つまり、この3種類を蒔いておくと、土の養分やPHなど土の化学性がある程度予想できるようになります。


実際に育ててみると、左から 
①畑の土100%→ 一応生育しているが、一番小さく、カブが一番生育が悪い。
②畑50%+堆肥50%→一番大きく生育している。葉は薄く、大きい。横に広がっている
③堆肥100%→2番目に葉が大きく、葉は厚く、葉は上を向いている
④市販の育苗土100%→畑の土よりは生育しているが、双葉の色が抜け始めている。本葉の色は濃い。



地上部ばかり見ていると、②畑50%+堆肥50%が一番生育しているように観えます。


左から ①畑の土100%、②畑50%+堆肥50%、③堆肥100%、④市販の育苗土100%。





①畑の土100%→根と葉が1:1




②畑50%+堆肥50%→根よりも葉の生育が良い。




③堆肥100%→葉よりも根の生育の方が良い。根が太くもみ殻に食い込んでいっている。




④市販倍土→葉よりも根の生育が良いが、細かい根が特徴。

意外かもしれませんが、土の中(根)と土の上(葉)が同じではありません。


地上部から地下の根を想像できた方は、かなり自然観察が鋭いと思います。
野菜は正直なので、その環境をそのまま反映して生育します。

地上部だけを見て、いい土かどうかは半信半疑です。
いい土は、根と葉を共に育て、野菜自身を健康に育ててくれます。



ハツカダイコンを抜いてみました。


ハツカダイコンの根が最も発達したのは③堆肥100%でした。

この堆肥100%は、もみ殻と落葉と少々の米ぬかでできているので、まだ土になる以前の状態です。
ハツカダイコンなどアブラナ科の野菜は、根から有機酸などを放出して、積極的にその中から養分を吸収しようとした結果かもしれません。

堆肥100%で驚かれた方もいると思いますが、腐葉土に近く、畜フン堆肥100%ではまた違う結果になり、すべての堆肥が材料や仕上がりかげんが同じではないので、この結果のみを鵜呑みにしてはいけません。



すべての種類の野菜を抜いてみました。順番は左から①②③④そのままです。
以下はアップです。









この後、すべての野菜をちょっとずつ食べ比べてみました。

そうしたらい、食べ比べた参加者で面白い結果が得られました。
すべての野菜が味が違ったからです。

葉状態、根の状態、味覚すべてが正直に現れていて、本当にいい教材でみんなで体験できてよかったです。

もし私が、この持ち込みで来年のハウス内での夏野菜の育苗土にするのであれば、
この結果から③に、1割の畑の土、1割のクン炭、1割のバーミュキュライトを加えたものを肥料袋などに直射日光が土に当たらないように入れて、温かいハウスなどに入れて熟成を進めておくと思います。

もしもう一度育苗土を仕込むのであれば、今回の実験から推測して
落葉ともみ殻8杯に、2杯の米ぬか、畑の表土2杯、クン炭1杯、壁土1杯をいれて2ヶ月間発酵させて、半年~1年熟成させた後、再度発芽対照実験を行いチェックします。

つまり、育苗土は実際に造ってみて、対照実験してみて、野菜の個性に合わせてブレンドしたり、野菜の生育期間に合わせて養分調整したり、工夫して自作していきます。
とても難しいだけに実際に自分の育苗土で苗が良く育つと嬉しさ一塩です。



今回の対照実験はとても雄弁で、土と根と野菜の関係を教えてくれました。

菜園の中でも同じように、土に根を張り、葉を広げる野菜たち。
その野菜の声が聴けるヒントがたくさん学べました。
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