現代農業2024 2月号は、品種特集号、今回は、野菜づくり入門の新コーナー「みんなで農!」で、
菜園講師おすすめ「楽しみ野菜づくり」に向く品種をご紹介させていただきました。
自然菜園スクールでは、自給菜園にぴったりの品種を育てる力を伝授させていただいております。
ダイコンの自家採種を通して、ダイコンがどんなタネをつけて、どんなふうに種まきされたいのかイメージを高めたりしております。
今回は3品種ということで、在来ナス、八町キュウリ(スクールでは、八町系善光寺キュウリ)、サンマルツアーノが去年特に酷暑にもかかわらず、たくさん、美味しく育ったので、ご紹介させていただきました。
本誌でも書きましたが、意外と知られていないことにプロの農家さんが育てたい品種(野菜別の固定化された特性)と、自給菜園や家庭菜園で育てたい品種は同じとは限らないということ。
つまり、プロの農家さんは、「商売にならない(売れない)のであれば、作らない」というのが基本。
家庭菜園や自給菜園では、たまに変わった野菜を育てたいけど、育てやすくて、美味しさが一番なので、最終的には、自分の畑で育てやすく食べ飽きない品種に落ち着くことが多いものです。
自然菜園スクールでは、『自然育苗タネ採りコース』があるように、基本的に自家採種できる固定種野菜の中でも育てやすく美味しい食べ飽きない品種を実際に育てる、自家採種する、育苗することを大切にしております。
全部の品種を紹介するとトマトで50種類、ナスで12種類、ピーマン類で10種類、キュウリで3種類と多すぎるので、今回は特に暑さに強かったものをご紹介させていただきました。
自然菜園育ちの品種を知りたい方は、地元種苗店つる新種苗さんのホームページ内にある検索エンジンで「自然菜園」と調べていただくと、うちで育った自然菜園育ちの品種などが一気に見れますよ。
このページでも在来青ナスが良かったと紹介されていました。
在来青ナスの育成者は、師匠の一人中川原さんからも一言載っています。
自家採種を繰り返すことで、より育てやすくなった(酷暑にも負けなかった)ことが大切だと痛感します。
在来青ナスは、自然に育てたい方にぴったりな品種の一つだと思います。
中川原さんの畑も異常気象で、かつてない暑さと乾燥にさらされたようですが、こぼれダネ(自然生え)のような生育を心掛ける「苗団子」や「巣播き」など集団で育てることで、かえって遅くまで多収穫できたそうです。
この記事に関して、執筆がちょうど終わったころに、中川原さんからお電話いただき、タイの固定種メロンについて聴かれたので、どんな交雑種メロンだったか写真掲載が楽しみでした。
このタイ固定種は、タイ旅行で偶然見つけた品種で、路地でも割れずに育つマスクメロンでした。帰国後、8年ほど自家採種してある程度固定化されてきたので自然菜園スクールでは、「アロイメロン」という名で安曇野校で人気の品種です。
ちょうど、フランスのメロン「シャランテ」を見出し育成していた中川原さんに、シャランテと全く逆の特性のタイメロン「アロイメロン」を掛け合わしたらすごい品種ができそうな予感があったので、6年ほど前に師匠にも種分けしていたのが、去年の酷暑に素晴らしい出来だったと知り、嫁がせた嫁から素晴らしい孫が生まれたような嬉しかったです。
師匠で去年他界した有機農業の師匠、金子よりのりさんが「品種に勝る技術なし」と言い残したように、
これからは、今まで以上に品種が大切になってきます。
自然菜園スクールでは、無農薬家庭菜園・自給菜園にぴったりな品種を実際に育てるために大切なことをこれからも伝えていこうと思います。
去年執筆3冊で忙しすぎて開催できなかったネットショップで自然菜園育ちのおススメ自家採種種子直販が、今年はできればなーと思っております。一部は、先ほど書いたようにつる新種苗さんで扱っておりますので、是非自分の菜園、プランターなどで自家採種してその土地に合った品種磨きを是非してみてくださいね~。