無農薬・自然菜園(自然農法・自然農)で、持続できる自給自足Life。~自然な暮らしの豊かさの分かち合い~

信州の大地で自然農と自然農法で育てる自給農園で、日々の営みや生命を通して感じることや想うことを発信するブログ。

梅雨の草刈り術(果樹園を例にとってみても)

2019-06-14 11:06:28 | 自然果樹
本日、

本日2度目の投稿。
今日は、最高温度予報が30℃に達するようです。




先週の自然菜園フルコースブログにも載せましたが、
梅雨入りし、無農薬果樹にとってはつらい時期なので、特別ストチュウの葉面散布の回数が増えてきております。

そんな果樹園も含めて、今朝は、梅雨の畦草などの草刈りを行いました。

草刈りは、菜園プランの次に得意です。といってもきれいに草を刈ることもできますが、生き物視点で、タイミングよく刈ることはこの20年以上修行してきたので、最近はっきりしてきました

話は、20数年前にさかのぼりますが、草とニラの違いも判らず、草刈りの際にニラを2列刈ってしまった失敗もしたくらい、
街育ちの私は、草刈りを全くしたことがありませんでした。

ところが、自然農に出会い、自然農法の修行時代、さんざ草刈りをし、指が曲がらなくなったり、草払い機で一日中(訳朝7~夕方18時)草を刈っていた時代もあるので、この20年間草を刈ってきた人生で、人生の半分以上を草と共に過ごしております。(笑)

去年は、1年間大地の再生の矢野さんの下、風の草刈りを習ったこともあり、今回の果樹園などは、ある意味渾身の草刈りができたと思っております。
あとは、リンゴや野菜など作物が、この草刈りでよかったのか教えてくれるので、反応を観るのが楽しみです。

上の写真からもわかるように、先週の果樹園は、草ぼうぼうでした。
正確には、元田んぼに1~2年間セスバニア、クロタラリアなど夏のマメ科緑肥作物mixを蒔き、1.5m以上もの根を這わせ、元田んぼの水が溜まる硬盤層を破壊し、去年一年間は、こぼれ種で発芽したセスバニアとイタリアンライグラス、レンゲ、クリムソンクローバーが中心になり茂り、シロクローバーがちらほらある感じでした。

現在は、クリムソンクロバーとイタリアンライグラスに負けないくらいシロクローバーも茂り、クリムソンクローバーは種をつけ、シロクローバーは半分種をつけ、イタリアンライグラスなどが開花が終わって倒れ始めたナイスなタイミングだったので、

朝露のある草が柔らかい時間帯(早朝)にやや強い、虎刈りタイプの風の草刈りを行いました。






ビフォアー


アフターです。

正直、草刈りのための草刈りは大っ嫌いで、きれいにするために草刈りをするのは不本意です。
それでも住んでいるのが田舎なので、周囲に迷惑をかけたくないのと、作物が自然に健康に無農薬で育つようになるように、タイミングを見計らって草刈りを行っております。

まず、今日草が刈るには最適なタイミングだったことだけでなく、
1)1週間前から周辺の畦の草刈りが完了(そのさらに外周は2週間前に刈ってあるので)していたので、今日刈ったところで、生態系のバランスが崩れにくく、

2)しかも最高気温が28℃を超えるので、刈り方によってはある程度草にダメージを与えつつ

3)明日は一日雨なので、残した草には回復の暇を与えることができ、

4)一昨日、果樹には、道法スタイル(垂直に紐で縛る)で誘引済みで、特製ストチュウ水を散布してあるので、果樹はばっちりの状態で、

5)今日の夕方さらに、雨の降る前に特製ストチュウ水を散布する予定なので、

このタイミングを逃すことなく、一気に草刈りをしてしまいました。

今ここで草刈りをしないと風通しが悪く、周囲からの印象も悪く、草と果樹と生物(微生物)のバランスも悪くなり、草も硬くなり刈りにくく、草のバランスも崩れ、刈るタイミングを逸していまいます。








草刈りをしたといってもかなりの高刈りしかも虎刈りなので、一見手抜きに見えると思いますが、

道路から見ると、すこぶるすっきりした感がありつつ、

果樹の下草にいた天敵・害虫のバランスを保ちつつ、生やしたい草のタネを蒔きつつ、抑えたい草を抑え、風通しを良くし、今後生えてくる草の余地(遊び)を残し、果樹の根が張りやすくするイメージで刈ってみました。

実際に果樹が喜んでくれるかは、来週以降の葉っぱの色と葉っぱの生き物のバランスが判断材料です。
無農薬果樹は、農薬防除と異なり、生態系を調えて天敵と調和の世界で草と果樹が手を取りながら育つと思います。

「風が吹くと桶屋が儲ける」と同じで、「風の草刈りで、無農薬で果樹が育つような」きっかけになれるような草刈りになればと思っております。

まだまだ果樹に関しては経験も知識も成功事例も失敗事例も足りないので、実際に果樹と師匠と先輩たちについて勉強していきたいものです。

生態系は、壊れやすいですが、日本人は里山文化を持ち、縄文時代から田んぼと里山のある暮らしをしてきました。
その文化と技術を融合し、今後も無農薬果樹や稲作、野菜の栽培に活かしていきたいと思っております。

梅雨の時期に、草と友達(共に立つ)になっておくと、夏干ばつでも夏長雨でも、草が作物を育ててくれます。

作物が喜ぶ草刈りを心掛けたいものです。

コメント (7)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 無農薬・自給稲作講座at千曲... | トップ | 自然菜園ベーシックW(ダブル... »
最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
下草 (下川 勝)
2019-06-14 20:31:56
りんごの葉っぱに綿虫(白い綿状のものが葉の裏側につき、葉は明るい薄緑になり丸まる)、りんごコブアブラムシ(細く葉が巻いてチリチリした状態)は繁殖してませんか?

そして、カイガラムシ・・・直径4-5ミリの大粒のタイプ、と 細枝に1ミリ以下の点状でその周りが赤くなり、増えると枝肌が黒ずみ皮のすぐ下が赤紫色になります。

慣行とJAS有機ならばスプレーオイルまたは殺虫剤(アプロード)ですが・・・。

黒星病薬を断つ前にこのあたり、アブラムシ系とカイガラムシ系・・・シンクイ蛾は袋掛け以外になし・・・という課題です。

通常のアブラムシはつかなくなってます。
園には沢山来襲しますが、ギシギシの伸びた若い穂先にびっしり付き、トラップ代わりになってくれますので。

今年はなぜかギシギシが大隆盛で、私のどの畑でも同様です。
積雪が少なかった影響か、気温が高く推移してきたせいなのか、あるいは草をどの圃場も昨年はほぼ刈りませんでしたから、旱魃下でも倒れて枯れた草の層の下で土には適度な湿り気があったからか・・・?
理由は分かりません。

JAS園はとうに硬盤層は破壊されているはずなので、ギシギシ、シロザ、アザミはそれほど生えなくて良いと思うのですが、5年目の今年も沢山います。

刈らずにいて枯れたギシギシやアザミの茎はその後ボロボロに劣化しやすいですが、シロザは枯れた茎は堅い空洞なので、翌春もしっかり残り邪魔です。

直根の巨大化する多年草は適当な時期に低く刈るのが良いと思います。
硬盤層が破壊されていれば、それら草は沢山は要らないですし。



返信する
ご質問ありがとうございます。 (竹内孝功)
2019-06-16 08:36:11
下川 勝さんへ

そうですね。りんごコブアブラムシにやられている2株ほどもありますが、それ以外は、ほとんど大丈夫です。アブラムシが出たら、枯死させる方法があります。

カイガラムシは皆無です。

「シンクイ蛾は袋掛け以外」そうですね。一応、別の対策を2つしつつ。今は植えてから1年以内なので、実をつけないでいるので、来年から袋がけしようと思っております。

「ギシギシの伸びた若い穂先にびっしり付き、」よくありますね~。そんな年は、異常気象の雨や他にも思い当たる予兆をさせてくれます。

シロザは耕さないとでないので、うちは出ません。アザミは、山が近く、種を飛ばすと毎年古い株と種で増えるので、多年草のノアザミとギシギシは別の草に移行(役割を全うして次の草に遷移)してもらっています。

硬盤層を自ら破壊する草(自分の居場所を破壊する草)は、あまりなく、育つ範囲内で、長年居座る(役割を全うするまで過ごす)ケースが多く、

緑肥作物の力や、草の刈り方、耕運など、方向性を変えてあげることが初期の野良仕事になります。

オセロで言えば、アザミ・ギシギシ・硬盤層といった黒い世界を緑肥作物、草刈りの仕方など野良仕事で、角を白いコマで切り替えていくようなものです。

耕作放棄地や硬盤層を破壊しただけでは、元に戻るので、硬盤層を破壊したらそれを維持し、団粒化させ、農園化するための白い野良仕事が必要だと思っております。

ある程度白い世界を維持できれば、一部黒い世界が合っても形勢は逆転されにくく、黒があるからより白いパンダのような安定した調和で作物が育つようになります。

自然界と作物のバランスをとる野良仕事は面白いです。
返信する
下草管理 (下川 勝)
2019-06-23 21:43:12
こんにちは。

圃場の草管理について、参考になります。

シンクイ蛾対策・・・次回教えてください。
りんごジューストラップとコンフューザーRを毎年設置してます。
効果のほどは目に見えない世界なのでなんとも・・・ですが、交尾の機会は減らしてくれてると推測です。

木村式で5年間草刈りせず(隣接周囲は伸びたら不定期に刈ります)・・・現在柔らかい系のものは長くてもひざ下の高さです。
それよりも高いのは、ギシギシとイヌ麦・・・2-3年目は耕耘しない一部にシロザが2m近くになりました。
今年は生えてきません。
圃場は2-3cmの枯れ草の層・・・その下は5-10cmが草の根の厚い層に土が混ざりホロホロと団粒化です。

何も刈らずという自然栽培方式に倣っていますが、歩く際に草が邪魔という意識はなくなり、梯子の足が絡まり移動しにくいストレスがあります。
藪豆などつる性のものはそうした点が厄介です。

慣行園は一昨年まで月1回全面を乗用モアでかっていましたが、昨年からスプレヤー通路以外は刈らないでいます。

現状は背が高いギシギシが沢山。
あまりにも繁茂旺盛な個所はビーバーで間引いてます。
3反半の園は田圃転作地で客土は浅いですが、昔から全般にりんごの樹勢は強いです。

熊本玉名の自然栽培みかんの池田道明さんは、へアリーベッチを生やして倒伏させ、園の周囲は藪豆などのつる性で覆い背の高い草が生えるのを抑制しているとのことです。
返信する
コメントありがとうございます。 (竹内孝功)
2019-06-24 06:35:51
下川 勝さんへ

コメントありがとうございます。とても参考になります。その時期にちょうどのコメントで勉強になります。

「圃場は2-3cmの枯れ草の層・・・その下は5-10cmが草の根の厚い層に土が混ざりホロホロと団粒化」ということは、自然草による自然耕がされていると推察できます。

ギシギシついては一般的に、「ギシギシ類は道ばたや堤防、水田畦畔、畑周りなどに普通にみられる多年生雑草で全国に分布する。エゾノギシギシは牧草地にも侵入し、その旺盛な生育によって牧草の生育が妨げられ、体内にタンニンやシュウ酸を含み家畜の嗜好性も劣るため問題雑草となっている。」

というように、ギシギシがはたくさん生えているということは、ギシギシが一番喜ぶ、役割を全うできる場所だということも同時に推察されます。

へアリーベッチに関しては、寒冷地では、夏に枯れず雑草化(暖地では、夏に花が咲く前にに暑くて枯死する)するので、今なお花を咲かせ、子孫を残しまくるので、今以上に「梯子の足が絡まり移動しにくいストレス」が増えると推測するので、私は農園で管理できなくなるので禁止しております。

私は、自然草は現状維持が得意で、緑肥作物は、現状突破、現状変化をもたらす起爆剤になると思っております。

現状の自然草と栽培したい作物の差がない場合は、自然草が最もよく、上手に付き合うことで、自然に作物が育つようになります。

ところが、現状と育てたい作物の環境が異なる場合は、緑肥作物たちによって、現状を打破、変化してもらい、作物と相性の良い緑肥作物(打破の時の緑肥作物と同じとは限らない)と混植し、作物と緑肥作物、そして自然草で落ち着かせております。

かの福岡師は、緑肥作物も含めた多種多様な野菜を粘土団子などで混播して播いて自然農園を作っておりました。

私も緑肥作物と、麦、野菜、自然草の自然コンパニオンプランツによって自然果樹園化を確立したいと模索中です。

お互いの道を照らし合わせて、明るい道にしたいですね。
返信する
コメントありがとうございます。 (竹内孝功)
2019-06-24 06:49:55
追伸

「シンクイ蛾」対策ですが、
安曇野時代、一部耕作放棄地化し、シロザ、ギシギシが増えたら、野菜(トマト)へのシンクイムシの被害が拡大した経験があります。

シンクイムシがシロザなど目掛けてくるようで、自然界では、果樹もトマトもないので、それらがない地域でもシンクイムシは、天然果樹や耕作放棄地など好みの植物など目掛けてくる感じがします。

逆に言えば、シンクイムシが好まない植物群がありそうです。もしくは、シンクイムシが増えない仕組みを持つ(食物連鎖)があるようです。

それが何かわかりませんが、私もリンゴを実をつけ始めたら、周囲のりんご農家さんためにも、袋がけはしようと思っております。

そして、シンクイムシが増えない仕組みを構築し、袋がけしなくても食べられるリンゴ園にしたいと思っております。

現在、対策2つというのは、
①農文協の拙著で紹介したストチュウトラップです。これは蛾全般捕獲できるので、ヨトウガ、ハスモニョトウガ、アワノメイガなど無作為に捕獲してしまうので、シンクイガにも有効です。

②は、同じく、コンフューザーRです。これは近年の研究で、実験室では効果があるものの、果樹園ではあまり効果が確認できないという怪しい「フェロモントラップ」です。

果樹にはあまり確認できておりませんが、果樹が増えてから、野菜のシンクイムシの被害が増えたので、コンフューザーRを設置しております。その結果、野菜の被害はほとんどでなくなったので、ある程度の効果は確認できております。

ただ、いずれも小手先の対策なので、現在は、緑肥作物と自然草によるシンクイムシが増えない仕組みを持つ食物連鎖を構築中です。

まだ決定的な効果も、理論もありませんが、直観的に導かれる方法が、緑肥作物と自然草を風の草刈りで管理しておりますので、今後楽しみです。

3~5年後には、袋がけしなくてもいい感じのりんご園になればと思っておりますが、もう少しシンクイムシの勉強をしたいと思っているので、シンクイガについてまた何かわかったら教えてください。よろしくお願いいたします。
返信する
シンクイ (下川 勝)
2019-06-26 14:40:40
なるほど、やはり下草植生などの構築でシンクイ蛾多作だろうと推測してました。

自然界は複雑ですし、圃場環境でもコンフューザーの効果はマチマチだと思います。
実験室あるいは慣行園での確認・・・と、我々の園では効果が異なると思います。

現在手掛けている遠方園(3年間JA基準にも関わらずシンクイ激発・・・理由は摘果遅れで散布薬液効果発揮できない樹形変化)、ここにBTとスピノを投入しますので、結果を待ちます。

下草はもちろん刈らずを指示し、ダニ剤は使用しません。

シンクイ対策が自然栽培ベースで示されれば、今世紀最大の朗報です。
返信する
コメントありがとうございます。 (竹内孝功)
2019-06-28 06:43:55
下川 勝さんへ

そうでしたか。やっぱりシンクイ対策は難しいのですね。
BTとスピノ系農薬で、ヨトウガなどは対象でもシンクイガは対象になっていないのですが、効果あるのでしょうか?

実が産毛のある時期は、木村式自然栽培でも食酢を薄めて実に食酢が効きすぎないように気を付けるそうなのですが、BTやスピノ系有機JAS規格でも使用可の農薬は、防除として使う場合、いつがいつ使うのが適当でしょうか?

ダニ類は、下草などで解決されているように、
シンクイ対策が自然栽培ベースでできればと思っております。

周囲の環境や何か激増する要因の逆の抑制作用が高い要因を探したいですね。
返信する

コメントを投稿

自然果樹」カテゴリの最新記事