ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

老人不感症をぶっ飛ばせ!

2018-08-13 08:24:05 | 世の中へ

 ともかく、好奇心衰えた。以前は職場への行き帰りや遠出の際、車の中は常に音楽が鳴り響いてた。東京に出た時にゃ必ず渋谷のタワーレコードで半日つぶした。今じゃ音楽と触れ合う機会って言えば、ZUMBAレッスンだけ。映画館で映画見たのだって、何年前だ?その作品だって覚えちゃいない。ここ数か月、手にした本で最後まで読み通せたものって、7月公演『予兆 女たちの昭和序奏』の資料本くらいだ。1日、本のページを開くことがなくたって、さっぱり気にならない。こまつ座の舞台だってチケットもらっていながら、前に何度も見てるし、って家でぐうたらしていた。ああ、どこまで続くんだ、この文化的退廃は!どこに消えたんだぎらつく飢餓感は!

 それが加齢ってもんだ、ジジイってもんだ。贅沢言うなよ、まだ、百姓止めてないし、マラソンは走ってるし、ZUMBAにだって熱中だ。いいじゃねえかこんだけありゃぁ。たしかになぁ、挑戦してるしなぁ、やることがあるってだけで幸せ、って見方もある。でもなぁ、どれもこれも体回りのことばかりじゃないか。元気で長生き路線の周辺ばかりじゃないか。これじゃ体元気で馬鹿でいいってもんだぜ。生き方が一方的に肉体派に浸食されている。

 こりゃやっぱり老化の兆候だぜ。呆けなきゃいいのよ、足腰丈夫なんだし、ってのは周囲のやつらのお為ごかしだ。健康志向とかって、世の中の戯言に騙されちゃなんねえぜ。どこまでもキレッキレの頭脳とドッキドキの心を保ってこその人生ってもんだ。諦めるにゃまだ早い、枯れたなんて言わせるな。悟りなんてほっておけ。

 とは言っても、目の前に見える現実は、知的老化現象の着実な進行だ。この老いの寄せ波ををどう乗り切るか。それは、ときめき体験の積み重ねしかないじゃないか。ぐうたらになって昼寝ばっかしてる好奇心に鞭をあてるしかねえだろう。

 まずは、本を読む。たとえ外れの連続でも次のページを開く。そのためにゃ、ちっとでも興味惹かれた本は買い置きする。机の上に積んでおく。映画館に出向くのが億劫なら、プレミアムシネマを見る、いや、面白そうなものは、録画しておく。アマゾンのプレミアム会員になって、ただで、あるいは安く映画を見る。プレミアムシアターの演劇も要チェック。ここまでは、やっぱり努力だ。ともかく、身の回りに知的、芸術的砦を築いておくことだ。先端的とか流行とか気にする必要はない。目的はときめき体験なんだから。

 すぐ身近に暇つぶしの道具が転がってれば、有り余る時間の中で、そんじゃ一つ、この本で、とか、やることないから映画でも見るか、ってことになる。詰まらなけりゃ放り出して次に進めばいいんだ。そのうちに、これは!!ってものにぶち当たる、ときめきの時間が手に入る、絶対に。

 そんなことを感じさせてくれたのは、プレミアムシアターを保存した劇団桟敷童子の『翼の卵』と、アマゾンプレミアムで無料配信になったばかりの『ラ・ラ・ランド』。どちらも衝撃だった。ああ、まだまだ舞台作りで頑張らなくっちゃな、って強く感じさせてもらった。そんな風に激しく心が揺さぶられたことが何よりの快感だった。このときめき体験、これが精神の老化を食い止めてくれる。老人性不感症のもっとも効果的な処方なのだと思うぜ。

 

コメント
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