ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

新聞を撮り続ける僕なりの理由。

2018-08-08 10:18:32 | 世の中へ

 朝、新聞に目を通す時間がどんどん短くなってるなぁ。以前は、朝飯食いながら紙面を眺め、洗い物を片づけた後にはかなり入念に記事を追ったものだった。

 今じゃどうだい、これ知ってる、これ読んだ、これ古い、これ遅い!出来事にしろ事件にしろ、ネットで目にしてるものばかり、すでに前日夜のネットチェックで確認済だ。それじゃ、解説記事なら優位に立つか?っていうと、それもネットやテレビのワイドショーに先を越されてる。ひるおびとかのマニアックな掘り下げなんかどうだ?東京医大のことも、ボクシング協会会長の件も、何日にもわたってしつこく追い回している。他にネタないんかい?って呆れるほどだ。もっとも、テレビの場合、取り上げる題材の偏りは凄いけどね。杉田水脈の差別発言なんて、軽くスルーだしね。新聞取らないって人が増えてるの、よくわかるよ。PCやスマホあれば、新聞なんて邪魔くさい金食い虫だもの。定期的に古新聞束ねて資源ごみに出すのだって手間かかるんだぜ。

 そんじゃなんで新聞取り続けてんの?って言われたら、それは、オピニオン&フォーラム(朝日で言えば)欄を読むためだ。スポーツページの直後、あっ、僕の場合、後ろから読むからね、の1ページがそれだ。時々の話題を識者だったり、関係者だったりがそれぞれの立場から意見を述べあう。月一で論壇時評も載る。数人で多角的に迫る時もあれば、一人がじっくりと掘り下げる場合もある。昨日は「ゲームで変わる社会」がテーマだった。ゲームから他者への共感が広がる、って意見や、ゲームの進化を解説する者もあり、もちろん、ゲーム中毒の危険に警鐘を鳴らす発言もあった。すべてがすべて納得できるものじゃないのは当然だが、いろんな視点から見つめる手助けにはなる。なるほどな、そういう見方もあるんただ!ってところだ。これ、大切。

 で、今日は「韓国の朝鮮半島プラン」というタイトルで文在寅大統領の外交政策アドバイザーを務める金基正延世大学教授のインタビュー記事だった。朝日新聞デジタルに登録してる人なら、

http://www.asahi.com/opinion/?iref=comtop_gnaviこちらで読める。

 現在、紆余曲折を経ながらも進行中の米中の歴史的歩み寄りについて詳しく述べられている。トップダウン型交渉開始が有効であった理由とか、行き詰まっているかに見える二国間の現状の先行きについても的確な見通しを伝えてくれている。将来的な朝鮮半島の姿についても示唆に富む発言が見て取れる。中でも、一番、心動いたのは文大統領の深い洞察とぶれない行動力についての言及だった。

 トランプ大統領を動かせた理由として、アメリカ側の中間選挙とか再選とかあったものの、まず何よりは「まさに死にものぐるいで戦争回避を訴えた韓国(文大統領)の努力が実った。」というのだ。どうだ、死にものぐるいだぞ!わが国のトップとの差は、歴然じゃないか。あの一触即発のミサイル危機の時、ありもしない攻撃に備えるって名目で、Jアラートなんかで騒ぎまくって不安を煽り、自身の選挙を有利に進めた安部政権との違い!その後だって、役立つかどうかもはっきりしない迎撃ミサイル体制作りに大金を支出しまくって、軍拡ごっこにうつつを抜かし、ますます北朝鮮から敵対行為として非難を浴び続けている安部政権。平和を模索しようとするのじゃなく、仮想敵国を強固に作り上げて、自国をまとめて行こうとの脅迫政治が今も続いている。

 金氏は言う。「私は現状を『パラダイム変化の戸をたたいている』と表現しています。」そう、軍事力の威圧と誹謗中傷によって成立する国家間の緊張を大きく突き抜ける一歩が、朝鮮半島の対話によって進められようとしている。翻って、安倍首相のやろうとしていることは何か?旧態然の武力と核抑止力による一触即発状態の維持、継続だ。言ってみれば、歴史を拓く戸を開けようとするのではなく、過去にむかって尻込みしていこうとしている。軍事力蓄えて言いたいことを言う、それが、美しい日本なのだから、がっくりする。共感力も想像力も歴史への洞察もまるでない。

 森友や加計、総理身内の代議士、官僚の数々の失態をあげつらうまでもない。外交理念、戦略に限ってみても、低俗の一語に尽きる。こんな定見なき政治家を、他に代るべき人材なし、と支持し続ける人たち、ぜひ、このインタビュー記事を読んで欲しい。世の中を変えようとぎりぎりのところで頑張っている隣国の政治家たちに素直な目を注いでほしい。

 なぁんて、言ったって、麻生の言う通り、自民党は、新聞読まない人たち支えられてるわけだから、そりゃないものねだりってことか。

 でもなぁ、それでこの国はどうなって行くのかい?

 

コメント
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