自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

印度人の菜食主義

2012年10月23日 | 神秘と神の大地”インドの香り”

菜食事情 平成24年10月23日(火)

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( 典型的な菜食料理:南インド )

 

菜食主義に興味ある人たちは、食べ物と肉体、

そして 料理と想念の関係を無意識に 

知っている人たちだと思う。

先回、想念と食べ物について、ヴェーダの扉 で

お話しさせていただいた。

インドのカースト制度の一番 上層部をブラミン階級という。

彼らは本来、聖職者(僧侶や先生)の階級で、現代でも菜食主義が多い。

その他の階級に属する人たちの中にも、もちろん菜食主義者が多くいる。

 

インドは歴史的 に他国を武器をもって 侵略したことがなく、

その穏やかな 国民性を誇りにしている人は多い。

インドは古くより 他国から侵略されてきた。 

侵略の歴史の中で、タージマハールでおなじみの建築様式など

影響が見られるように、かつては、モスリムからの制圧時代が長かった。 

近いところでは、マハトマ・ガンジーがイギリスから独立を勝ち取った。 

それまで、イギリスの植民地だった。

現在のインド人のティータイムの休憩を公にしたのも、

イギリスの支配の後遺症といわれている。

最近はどうかわからないが、20年ほど前、筆者は、ニューデリーの役所で、

公然と ”これから、ティータイムなので、お待ちを” と言われて 

役所の窓口の前で 30分ほど、立って、待っていたことがある。

こんな、”信じられない” 話しは多く、役所などで、当惑している外国人と、

よく、顔を見合わせたものだ。

”壱に忍耐。弐に忍耐。三四おいても、まず忍耐” と、あるイギリス人は

あきらめたように、インド処世術の心得といわんばかりに、こぼした。

 

話しがそれて恐縮だが、確かに、インド自ら 他国に軍隊を送って 

戦争をおこしたことはないのだろう。 

そのようなインド人の ある意味で 平和的な気質は、食事の内容が

菜食主義を主体としているからだ と説明する人もいる。 

つまり、ヴェジタリアン(菜食主義者)が多いため、国民性は穏やかだというのだ。

草食動物は 攻撃性が少ないのと同様、菜食主義の多いインド人の

国民気質は、平和的 だという理由の一つらしい。

 

筆者がインドに住んでいた頃、隣人は軍人一家だった。 

ジェネラル・カプールとお呼びして、家族ぐるみのお付き合いをいただいた。 

夏季に 政府からの水の供給が滞り、拙宅の水道水が出なくなった。

バケツで近隣の井戸から、家族総動員でバケツで水を運んでいるとき、

ジェネラルが、門からでてきて お隣の地下水を使うよう、声をかけてくださった。

地下15メートル程掘った井戸水のタンクから ホースをつないでいただき、

拙宅のタンクにいれさせていただいた。

 

ご主人は 当時、海軍大将で、、厳しい訓練に耐えうる肉体を、

維持しなければならない立場にありながら、ヴェジタリアンに

徹しておられた。

その家の番犬、真っ黒な ドーベルマン君は、筋肉隆々だった。

その番犬は 実は肉を一切与えられていなかったことを知って驚いた。

その理由を奥様にお聞きした。 


菜食主義者の台所で 肉を調理するだけで 汚らわしいというのが、

理由だった。

そういえば、友人(インド人)の娘さんが ファーストフッドの

フライドチキン を 家に持って帰ったら、たまたま遊びに来ていた

究極のヴェジタリアンのおばあ様から、

”そんなもの、臭いだけでも、けがらわしい” と言われて、庭で食べ

させられたと苦笑していたことを思い出した。

 

インドの究極の ヴェジタリアンというのは、卵、玉ねぎ、キノコ類、

なども口にしない。 

キノコは、寄生植物なので、そのようなものは、好ましくなく、

食する人の精神波動にも影響を与えると信じられている。

 

ジャイナ教の信者には、(ほとんどがジェインという姓を持つ)、

マスクを普段からして、空中の微生物を鼻から吸引しないよう

心掛けている人もいるという。 

ましてや、動物を殺して食するとは 言語同断であると考える。

筆者の家にジェインさん(ジャイナ教祖の子孫)を昼食に招いた。 

もちろん、菜食で徹したつもりであったが、

日本人は 味噌汁に、雑魚(じゃこ)の出汁を使うからという理由で、

差し出したお食事には 残念だが、箸をつけていただけなかった。 

この、ジェインさんが アメリカに留学中のご子息を訪ねて行った

ときは、豆から米まで持参して、自炊にそなえたというから、

半端ではない。 

 

さらに、仕事の打ち合わせで、ご招待した菜食主義者のかたは、

当時デリー唯一いわれた、日本食レストランで、野菜のてんぷら

注文。 しかし、衣に 溶き卵が使われている と聞いただけで、

箸をおいた。

 

モスリムは、宗教上、豚肉は禁じられている。 

また、食べて良いとされる 鶏肉・牛肉や羊肉 もハラールミートと

称する肉でなければならない。 

ハラール肉というのは、モスリム(回教徒)の トサツ専門者が、

”ラーイラハイララ” と、コーランの祈りを唱えて殺された動物の肉だ。 

知り合いのモスリムの友人と、レストランで食事をした。 

ハラール肉でなくても、自分はOKだと、比較的ゆるやかな感覚を

持っているので、街中の一般的レストランにはいった。

ところが、メニューをみたら、中華料理もあつかっていたことが判明。 

豚肉を 同じ台所で、扱っているのであれば、無理だということで、

場所を変えた。

キッチンで同じまな板をつかっているかもしれないというのが

耐えられないということだった。

 

さて、話しを元に戻すと、ジェネラル・カプールの愛犬の、

タンパク源の補給源はというと、豆類で補っているということだった。

それでも、菜食主義のド―ベルマン君は 風格あるりっぱなご主人に

ふさわしく威風堂々(いふうどうどう)としていた。

肉は食べていなくても、番犬としての役目を十分果たしていた。

 

なぜ 多くのインド人はここまで菜食にこだわるのだろう?

それは、日常生活の中で 信仰と行事が定着していることにもよる

のだろう。

祭事の前は 肉食や酒 は断たなければならない。

祭事は年中行事としてさまざまで、妻が夫の健康を祈る祭事、

兄弟の契りを確認する祭事、様々な神様の誕生日や

偉業をたたえる祭事など。 

インドは祭事がやたらと多かった。

それに加えて、ヒンズー教、回教、シーク教と

それぞれ、お祭りがあるので、

会社によっては、あらかじめ、それぞれの信者に

公平に各宗教の祭日を休日としてわりあてている所もあった。

週7日あるが、毎日が、神様にゆかりのある曜日として、

その神様を信仰している人は、それぞれ、菜食したり、絶食したりする。

酒飲みさんは結構いるが、そういう特別な祭日は、酒屋さんも、

アルコールを販売しない。

 

 

 

 

 

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