自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

ヴェーダ: 序の巻

2012年10月02日 | 自然治癒力とヴェーダ哲学の関係

 

 ヴェーダ序 について          平成24年10月2日                                           

 

いよいよ10月になりました。 

鶴川の森も、どことなく秋の装いでしっとりしています。

今日からヴェーダ編となります。 

心の特徴を理解するために、ヴェーダを紐解きます。

 

ヴェーダというのは、何か? からお話しさせていただきます。

ヴェーダとは古代インドで書かれたヴェーダ・シャーストラ

のことです。

聖なるヴェーダ文献と呼ばれ、世界最古に記された聖典といわれ、

叡智の宝庫とも呼ばれます。

今日のさまざまな学問、たとえば、医学や音楽、宗教哲学にいたる

まで幅広く取り扱われています。

 

リクヴェーダ、 

サーマヴェーダ、 

アタラヴェーダ、 

ヤジュルヴェーダ があり、それぞれが主題を持っています。


リクヴェーダは 精神的な安寧を得るための真理について書かれ、

サーマヴェーダは 音楽などを扱い、喜びの書として、

アタラヴェーダは 繁栄と富が主題に、そして、

ヤジュルヴェーダは 解脱(げだつ=モクシェ) が、テーマです。


4冊のヴェーダの書があるように、この4は意義ある数字です。

たとえば、それぞれのヴェーダの書のテーマである4つの要素は人生

にもあてはまります。

 

子供時代は 遊戯を通して成長を促す時代、

青年時代は 新しいパートナーをみつけ、富を得ながら家族を養う時代、

熟年時代は それらの家庭的社会的繁栄を謳歌する時期、

最後の老年期は 隠居や隠遁して、社会の福祉と、自己の悟りの

完成を目指す時代と言われています。

 

インドにある社会的階級も4つに分かれています。

そのうち、 ブラミン階級(僧侶・教師)は リクヴェーダ、

クシャトリア(軍人)階級は ヤジュルヴェーダ、

ヴァイシャ(ビジネス)階級は アタラヴァヴェーダ、

シュードラ(農民)は サーマヴェーダ に対応すると

考えられています。


一つの真理がこうして4つの側面から表現されているというのが

ヴェーダシャーストラです。

 

真理を述べているにもかかわらずヴェーダ文献には特定の宗教の

名前のもとに編纂されていません。

ギリシャ時代の哲学者たちが、当時最高の知識人として認められて

いたように、インド古代ではヴェーダ文献が”最高の智慧の書”

であり、それを習得した人たちが、それぞれの道の達人として認められ

ていました。

 

古代インドでは、信仰は日常生活に溶け込み、自然の神秘性と威力

を認め、人々の生活と信仰、自然(宇宙)は切っても切れない

密接な関係を持っていました。

神学、神にささげる音楽の究極理論、自然の天体運行の観察、

占星術の発展、などとともに、多くの預言者たちが活躍して

る時代でもありました。


21世紀現代にいたるまで、そこに訪れる人たちの運命が書いてある

葉っぱを残した聖者として、日本でも有名になった、南インド

アガスティア聖者もその一人です。


このように、ヴェーダ聖典の中で、医学や音楽、儀式的取決めなど

理論的に記述されて学問の根幹を築きました。

 

ヴェーダの中に顕されている真理と哲学こそ、後世、バラモン教や

ヒンズー教、キリスト教や回教、シーク教やジャイナ教、拝火教

などの世界的宗教が説いている本質的真理の礎(いしずえ)であったかも

しれません。


 なぜなら、ヴェーダの説く真理の一つに “エカムサット”と呼ばれる

考え方があるからです。

エカムサットとは、“真理は一つ” という意味です。

ヴェーダが大きな根であれば、それぞれの宗教はそこから派生した

根幹や枝葉のようなものであるという考え方です。


“エカムサット”とは、真理には、いろいろな表現方法があり、

神が様々な様相で現れていても、その姿と教えは一つであると

いうことです。

言い換えると、水がwater(英語)になり、ナーム(ヒンズー語)とも

いわれ、パー二―(タイ語)と 異なる言い方がされていても、

水の本質には何らの変化が無いのと同じです。

 

このように、神という概念はひとつでも、その表現方法は宗教によって、

さまざまです。文学、絵画、彫刻、音楽、芝居、という芸術で、神を

表現しようとしたら、無数の方法があり、それを言葉で言い表そうとしたら、

さらに、多くの表現方法があるのと同じです。

 

そのエカムサットの根底である、ヴェーダの真理を少しずつご紹介して

いきたいと思います。

これまで同様、様々なカテゴリーを織り交ぜて、ブログが、

退屈なお話しだけにならないよう、心がけていきますね。

よろしくお付き合いくださいませ。

 

 

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