自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

J.ディーン:不器用で壊れそうな魅力

2013年06月08日 | 健全生活のために”死”の常識を反転

世代を超えた純粋さ 平成25年6月8日

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先日、うとうとしながら、ソファに横になりながら、薄めを開けて観た

テレビ画面に、ジェームス・ディーン(*1)がいた。

細面の顔から 上目使いで 訴えるような憂いに満ちた眼差しが、

印象深く 飛び込んできた。

話しの途中からなので、なんというタイトルかわからなかったが、

大方の筋書きは 数分の内におぼろげにわかってきて、吸い込まれるように 

最後まで見てしまった。

”エデンの東” が代表作と聞いていて、アンニュイ な面持ちと、ナイーブな

若者の役柄にぴったりはまった、大スターであるということぐらいしか、

それまでの私には、J・ディーンへの知識はなかった。

 

映画の荒筋

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たまたま、途中から見た場面は、胸から血を出して傷ついた、ディーンが 

父親と言い争っているところだった。

そして、家を飛び出す、ディーン。バイクにのって、駆け付けた場所は、

海を見下ろす、高い崖っぷちの廣い空き地。

そこに、どこからか、盗んできた車が置かれ、ディーンがその車に乗る。

その隣にも、一台の車。

たぶん、約束した 対抗する相手なのだろう。

 

男が車に乗って、待ち構えている。その若者のガールフレンドB(仮にこう呼ぶ) 

や野次馬の仲間が群がる中、その相手と命をかけたゲームがこれから展開するのだ。

 

 

 

崖っプチまで車を もうスピードで走らせ、車が崖から落ちる直前に、車の

ドアを開け 脱出を試みるゲームだ。

どちらが、ぎりぎりで脱出できたか?ということらしい。

2台の車はスタートする。 

アクセルを踏む。 

スピードが上がる。ディーンは、一瞬のところで、車から脱出をはかる。

ところが、相手の若者は、車のドアの とってに、自分のジャケットの一部

が食い込んで 身動き取れなくなってしまう。

 

車内で、もがく、数秒のシーン、脱出かなうことなく、そのまま、何十メートル

下に、まっさかさまに 車は、崖にぶつがりながら、炎上して落下していく。

唖然とする仲間たち、散り散りに、車で帰っていくが最後まで現場に

残るディーン。

ディーンは失意の中で家に戻る。

友人が死んだ。

そのことには、大きく、自分が関与していた~苦しんだ。

 

心配して、起きて待っていた両親が、今しがた流れたテレビの臨時ニュース

崖の事故を知っている。

訳を話す、彼。’ひよっこ’ と、相手にバカにされて、そのスリリングな

試合を買って出たという。

 

相手は死んだ。 オレが関与している。警察に出頭する”と、親に言う。

母親は ”なんて、馬鹿な事。あなたがどうして罪をかぶらなければいけないの?” 

と 息子に猛然と反対する。

父親も同様だ。

”お前のことは良くわかる”

ディーンは反抗する。

わかってなんかいない、いつでも 父さんはオレのいうことを聞いてはいない”

 

彼は、家を飛び出し、警察署へ向かう。

出頭するが、以前 面倒をかけた彼の知り合いの警官は、おらず、他の警官達

は、深夜、酔っ払いの事情徴収で忙しく、”あのウ。。”と、呼びかけている

ディーンを、相手にすらしない。

 

ディーンが話を聞いてもらうことなく、警察署の前ですれ違ったのは、

死んだ相手の友人たち(仮にCとする)だった。

ディーンを見て警察に密告をしに来たと勘違いし、ディーンの後を追いまわし、

探し回る。

 

ディーンは、相手のガールフレンドだったBが忘れられない。

Bも 自分の恋人が死んだにもかかわらず、果敢で一徹なディーンに 興味を

もっていた。

いつの間にか、二人の心は通じ合う。

彼女のほか、ディーンには、もう一人の小さな友人がいた。

ティーンエージェーになったばかりの、少年だった。

 

少年は、ディーンをこよなく愛し、憧れ、彼のやさしさを感じていた。

言ったことは必ず行う、潔くて、かっこいいと少年は、あこがれをディーンに

抱く。

少年にとっては、頼りになる、兄貴分としてディーンを慕うようになっていた。

少年は父親の愛情を知らないで育った。彼を、仮に、少年A とする。

 

少年A は 仕返しをたくらんでいるCの追手からディーンを助けるために、

荒廃した屋敷にディーンと、今はディーンと相思相愛になった、Bを連れて行く。

安全で、廣い敷地の中の3人は、ホット安堵したかのように、水のない、プール

サイドで、ふざけあい、楽しそうにはしゃぐ。

 

もう安心。ゆっくり休もう” とくつろぎ、Bが歌う、子守唄を聞きながら体を

寄せ合い プールサイド でうたたねをしてしまう。

ディーンは 少年Aが 寝てしまったので、彼女 B に、屋敷探検を誘い、

二人は少年Aを残して、屋敷の中へ入っていく。

その間、ディーンを探していた3人の若者達Cが屋敷の外に 置いてあった、

ディーンの車に気が付き、敷地内に入り込んでいく。

すると、プールサイドで寝ている 少年Aに気が付く。

 

少年Aは Cに起こされ、危害を加えられそうになったのでディーンを探すが、

そばにいたはずの、ディーンはいない。

C たちは、ディーンを探しに、家の中に入っていく。 

このままでは、ディーンは C に見つかってしまう。

少年Aは思わず、隠し持っていた拳銃を、階段を駆け上がるCの一人にむけて、

発砲した。

 

この銃声で、夜回りをしていた、パトカーの警官が、不法侵入に気が付き 

その屋敷にかけつけた。

その車には、ディーンの両親、Bの母親、も同乗している。

A少年はC達から、どうにか、逃れて、屋敷の中の部屋にいたディーンとBを

見つけた。二人の元へ駆けつけ、警官やCに追われ、危険な状況であることを

知らせる。

そして、”どうして、自分を取り残したの?一人にしたの?”と少年はディーン

詰め寄る。

 

”すぐ、戻るつもりだったんだよ” とディーン。

屋敷に入った警官が、拳銃を持っている少年を見つけるが、少年は 興奮して警官

にも発砲してしまう。

警官は負傷する。

逃げる少年。 

追いかける警官たち。

 

少年は、隣家のプラネタリウムに 方法の体で逃げ込む。

そこを包囲する 複数のパトカー。

ディーンは 少年の後を追う、 そして、止めるガールフレンドに言う。 

”あの子は(A) は オレを信じているんだ。 

裏切ることはできない。助けよう。 事が大きくなる前に・・ 

                              

A少年の立てこもっている、プラネタリウムの前には、すでに、警官たちが、

パトカーに乗っている、彼の両親と共に待機している。

彼らが、見守る中、ディーンは 走ってプラネタリウムの中へ飛び込んだ。

少年を説得し、これ以上、人を傷つけないためだ。

そして、何よりも、自分は少年の味方であるということを伝えるために。

プラネタリウムの部屋の中は、真っ暗だった。

 

少年は、興奮していて、だれかれ構わず、発砲しかねない。

そんな危険な精神状態の少年に、暗闇の中で声をかけるディーン。

 

”どこにいるんだい? オレを信用してくれ。 俺はお前の味方だよ。

誰も御前を傷つけようとしていない。おれと話をしよう。 

真っ暗だ。顔も見えないね。せめて、顔を見せてくれ。”

 

慎重に足を一歩ずつ進め、隠れている少年に近づこうとする。

すると、その優しい、落ち着いた声に、拳銃を手にした、少年が顔を出す。

ディーンは 深い眼差しと心からの言葉をかけて、少年を落ち着かせ、

拳銃を見せてくれ、その代りに、オレのジャケットと着ろよ、あげるよ。”

と 紅いシジャケットを脱いで、少年にわたすために、ゆっくりと腕を伸ばした。

 

少年は 嬉しそうに赤いジャケットを受け取り、頬ずりする。

その間に、ディーンは、少年から拳銃を受け取り、素早く、弾を引き抜いて、

”約束は守るよ。ほら、返すよ” と 拳銃を少年に返す。

落ち着いてきた少年に、ディーンは外へ行こうと促す。

そして、ドアのところで待っていたガールフレンドと合流すると、ディーンと

少年の3人は、プラネタリウムの 外へ出た。

 

少年は、目の前の 並んで待機しているパトカーを観て、再び、興奮する。

駄目だよ。外へ出られない。僕は、警官を撃ってしまったんだよ!”

 

少年の手にしている拳銃が、警官の眼に入る。

防御のために警官から一発がはなたれ、それが 少年Bに命中。

少年が倒れた。

少年の母親が駆けつける。

少年はこときれている。

"銃には弾は入っていないんだ!”と叫ぶ、ディーンの声も届かず、むなしく響いた。

 

この子には、誰もいなかった。寂しい子だった。 誰もいなかったんです・・・

かけつけて泣き崩れる少年の母親。

ディーンも 心配そうに駆け寄った父親の足元に崩れる。

”今度こそ、お前の父を信じてくれ。自分は強くなる。お前が頼れる父親に

なれるように・・” と ディーンの父親は言った。

 

ディーンは 新しい恋人Bを両親に紹介する。

少しほっとしたように、顔を見合す両親。

そこで映画はおしまいになった。

 

そういう映画だった。

真っ直ぐでいたい。人を 傷つけたくない。でも、プライドが高く、

弱者というレッテルにがまんできない。

ひよっこ” とバカにされるぐらいなら、命をかけて、闘う。

大人のように、自分を守ることだけ考えて、自分の正義まで曲げたくない。

嘘はいいたくない。だから、そのためには、本気で戦う。

 

それなのに、自分が 行動を起こす度に、誰かが犠牲になる。

崖っぶちの自動車競走では、友人が死に、その自分を助けようと、自分を

信頼してくれていた少年Aまでが、目の前で命を落としてしまう。

自分の真情と、やること、為すことが、どうして、かみ合わないんだ!

 

誰も苦しめたくないのに・・・すべてが反対に動いていく!

お父さん、せめて、僕が警察に出頭する意義をわかってくれ。

僕のできる精一杯の真実、それを言いに行くのが何故悪い。

自分が決断したのだから。

お父さん、僕の味方になってほしい・・・

 

B少年の父親? 

海戦の英雄で死んだなんて嘘だろう? 

生きているんだろう?・・・そうか、死んでいるのも同然か・・・

唯、養育費を送ってくれる父親なんて、死んでいるのも同じか・・・

 

おやじ、10年たてば、若いときの無鉄砲な 振る舞いを笑って振り返ること

ができるなんて、それまで、おれは待たなければならないのか?

崖から車ごと落ちて亡くなった男の元カノが、ディーンのガールフレンドになった。

自分を認めてくれたその人が 今は自分の傍にいる。 

Bと出会ったことで、ディーンの苦しそうな眼がどんどん、活き活きと

した目に変化していくのは、印象的だった。

 

その若い女性Bは ディーンに こういう。

”今まで、私を愛してくれる、庇護してくれる男の人を探していた。

でも、今は違う。 自分が愛したい、という気持ちになれる人が見つかったから。”

 

不器用な若者の、直情が、ディーンの演技から伝わってきた。

ある意味で、純粋 ということは こういうことかもしれないと思った。

それを、見事に演じきった、ジェームズ・ディーンは いまだに、映画史上に

名前を残すに足りる 青春スター だった。(*2)

どんなに年を重ねても、私たちには、誰もが味わうであろう青春時代の不器用な

一途さを、きっと、彼のように、いつまでも心に残しているのかもしれない。

 

だから、ディーンの演技は、世代を超えた人の心を打つのだろう。

24歳の若さでこの世を去ったディーン。

1955年にこの世を去ったのだから、60年以上たっている現在でも新鮮な感動を

与えてくれたのは、それぞれの配役のセリフの的確さと生活感のにじみ出た誇張の

ない演出によるところも大であるのだろうと感じた。

 

 

*1James Dean. ジェームズ・ディーン

1931年2月8日生まれ アメリカ/インディアナ州マリオン出身

allcinema ONLINE(外部リンク)

本名はJames Byron Dean。幼き頃に母を亡くし、叔母夫婦の元に預けられる。

49年、再婚した父に引き取られてカリフォルニア州サンタモニカに渡り、

ジュニア・カレッジ演劇科に入学。

50年、父の勧めでカリフォルニア大学の法学部に進むが演技への執着から演劇科へ移行。

エキストラとして活動を始める。

が芽が出ずニューヨークへ移りブロードウェイの舞台のチャンスを得た

(この頃アクターズ・スタジオにも入学。同期にはポール・ニューマンやマーロン・ブランドがいた)。

そこで『背徳者』の出演中、監督エリア・カザンの目に止まり「エデンの東」へ大抜擢される。

微妙に揺れるティーン・エイジの青年を魅力的に演じ一挙にスター・ダムにのしあがる。

その後、爆発的な人気と共に「理由なき反抗」、「ジャイアンツ」と主演するが

「ジャイアンツ」撮影終了間際の55年9月30日、愛車ポルシェ・スパイダーで正面衝突し事故死。

24歳の若さでこの世を去った (yahoo 検索)

 

*2 後で検索で調べたら、理由なき反抗 という映画でした。

 ジェームズ・ディーン主演による彼の代表的作品。

酔った17歳の少年ジムが警官に捕まった。

その晩に起こった集団暴行事件の容疑者として 警察に連行された彼は、

そこで美しいジュディと、まだ子供のようなプラトーと知り合う。

間もなく二人は帰宅を許され、ジムも温情ある少年保護係のレイ主任の取り計らいで

帰ることができたが、この三人の出会いは、やがて彼らの持つやり場のない苛立ちを

露呈する事件へと結びついてゆく……。

 

 

 

 

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