自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

セルフコントロール:の役目

2013年04月07日 | 自然治癒力・生命力・発揮する考え方

親の心 平成25年4月7日

*****************************

昨日からの続き~

 

博士は C(childの頭文字をとって、子供ような心の意味)の心

がもつ、自然な、ふれあいの心と対照的に、

A(adulrの頭文字で成熟した大人の心)の心を、反自然で差別の心、

現代人の悩みの根源、などと呼んでいる。

最後の人間の心の分別として、親の心 があげられている。

これはParent の頭文字をとって、Pの心と呼ぶ。

“人間は他の人や自然とのかかわりの中でのみ存在しうる”

という自覚に基づいた、他者への思いやりの心と定義している。


先のAの心もある意味智慧の発露であり、Pの心も、真の智慧

の心といえるだろう。


脳の前頭葉の働きの一つに意思の力がある。

自主的な活動を強めるための意思の力と、反対に抑制する働き

の二つに分けられる。

前者はプラスの方向とするなら、後者はマイナスの方向ともいえる。

プラスの方向の意思は、やる気、意欲、創造などの働きに関与するし、

後者は我慢、忍耐、抑圧などに働く。


暗い人、明るい人という表現があるが、たぶんに、この前頭葉の意思の

働きが関与していると私は思う。

明るい人はプラスの意思の働き、暗い人は、マイナスの意思の

働きによって、表情や行動が決定されていくからだ。

一般に子供のしつけという場合、この自制心をつけるための

マイナスの意思の力の強化をさす。


躾は必要ないと、極論を述べた私であるが(参照)実際のところ、

人間は成長していくにつれて、自分の統率が自然とできる働きを

持っているのだ。 

ただし、周囲がそれに対して、特に家族、母親が信念をもって、

子供の完全なる魂の中枢を信じて待ってあげるという条件の中で

可能なのかもしれない。


そうでなければ

“あなたはほんとうにどうしようもない、非行少年よ” 

などという

言葉や信念で、ほんとうに、本人はその道を歩いていくことにも

なりかねない。


話が脱線しているが、脳だけで語れない事実がここにある。

つまり 魂 というフィールド抜きには全体的な人間像は語れないと

私は感じている。


意志力による、躾や勢至、気分転換によるストレスの発散、人間の

矛盾した非合理な感情の統御と、そのバランスをるということ

へのセルフコントロールのアプローチとはどういうことなのだろうか?


Cの子供の心、愛情を十分に母親から受け取り、一体感を味わい、

安心の中で自我を成長させ、人は大人意識にA心 に目覚めていく。


そこで自分をとりまく周囲の人たちや環境に調和を見出しながら、

自主的で創造的な人生をつくりあげていければ、独立 が理想的に

行われるだろう。

そうして独立して、家庭を築き、子供を育てる。

Pの心を体験し、具現化するなかに、人は純粋経験 と呼ぶ体験を

持つことができる。

 西田幾太郎氏

日本の世界的哲学者 西田幾太郎氏*2が 純粋経験 という定義を

次のように言っている。

“主客未分とか 主客合一を意味している。

自他が対立する以前のもの、あるいは、自他の対立を超えたもの

を目指している。


宗教家が愛の心の発動から、自分と他人の区別や差別がなくなる

状態があたる。“


赤ん坊のまだ、母親とのふれあいを通じて 母を“愛する心”、

母を“絶対に信用する心”と基軸に、母と暖かい人間関係

“同” の心が育まれているその人生第一段階の時期が、自他が

分化する以前の西田氏のいわれる主客一体の心とも、いえると

池見博士はいう。


母なるもの 、人が人生第一段階の時に、その存在から、無償の

十分な愛情を受け取ることが、その後の人生に大きな影響を与える

ことはすでに猿の実験で述べた。


フリーセックスという言葉が一般化した昨今、この言葉の背景に、

実は、この母なるものからの影響があるとはいえないだろうか?

池見博士の脳の生理学の働きによると、自他の区別ない、

ふれあいの心は、大脳の古い皮質で生まれる集団意識に属している。


このふれあいが足らないと、集団欲が満たされないことになり、

孤独感や、孤立感を人は感じる。

すると、無性に、その穴埋めの感情、ふれあいの充足感を求めるようになる

という。

続く・・

  

池見 酉次郎(いけみ ゆうじろう)博士について:、

大正4年(1915年)612 - 平成11年(1999年)625日)

日本の心身医学、心療内科の基礎を築いた草分け的な日本の医学者。

旧制福岡中学(現福岡県立福岡高等学校)、九州帝国大学医学部卒業。

戦後、アメリカの医学が日本に流入した際、心身医学の存在を知る。

昭和27年(1952年)にはアメリカミネソタ州のに留学し、帰国後、

日野原重明、三浦岱栄らと共に昭和35年(1960年)日本心身医学会を設立し、

初代理事長になる。

翌昭和36年(1961年)九州大学に国内最初に設立された精神身体医学研究施設

(現在の心療内科に当たる)教授に就任し、内科疾患を中心に、

心と体の相関関係に注目した診療方法を体系化、実用化に尽力した。

九州大学医学部名誉教授、自律訓練法国際委員会名誉委員長、

日本心身医学会名誉理事長、国際心身医学会理事長、 

日本交流分析学会名誉理事長などを歴任。

書に「心療内科」、「セルフコントロールの医学」などがある。

平成11年(1999年)625日肺炎のため、福岡市内の病院で死去。84歳。

 

*2 西田 幾多郎(にしだ きたろう、

1870年6月17日(明治3年5月19日) - 1945年(昭和20年)6月7日)

は日本を代表する哲学者。

京都大学教授名誉教授。京都学派の創始者

 

参考)

”セルフ・コントロールの医学” s・57年9月1日 日本放送出版協会

 

 

 

Copyright : NPO Spontaneous Healing Therapy Japan: All Rights Reserved.

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 発達障害とふれあい | トップ | CAPの心のバランス »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

自然治癒力・生命力・発揮する考え方」カテゴリの最新記事