昨日オットが土曜仕事から帰る途中に姑から電話があったそうだ。電車の中だったので降りてから電話しようとしたら留守電に「転んで顔を怪我したからこれから病院へ行く」とのこと。当然心配したオットは実家に寄ったそうだ。
ところがどこに居るかわからない。付近の病院や開業医は土曜のその時間にはやっていない。
オットは隠して置いてある鍵で上り込み(いくらかくしているといっても不用心な話だけど)そこから私に電話してきた。
「携帯は?」先日の誕生日のプレゼントにウィルコムの携帯を贈ったのである。もちろん月々の費用も局家持ちである。
「ここに置いてあるんだよ・・・」とオットの呆れ声
「なんのための携帯なのよっ!?」とワタシがオットに詰め寄っても仕方ないが・・・
そして30分くらいそこで待っていたら姑は帰ってきたそうだ。
思ったより軽傷だったのでほっとしたらしいが目の下のほっぺた部分がすりむけていたらしい。
出血は殆どなく他に打ったところもなさそうだったのは幸い。
今まで何をしていたのか聞いたら交番に行って救急で見てもらえる病院をおまわりさんに聞いていたらしい。交番に行ったってところが実に姑らしいが、おまわりさんも困ったであろう。結局都内の大学病院に問い合わせてこんな怪我をしたおばあさんがいるが診てもらえるか聞いてくれたそうだ。そして全部断られたらしい。
まあ土曜の夕方の大学病院の救急外来なんてね、自分で歩いて外出できる年よりの擦りむき傷なんてみてくれるヒマはないであろう。
救急車を呼ばなかったのは良い判断だったと思う。
途中の薬局で処置するグッズを買ったオットはとりあえず処置して、念のために手持ちの抗生剤も飲んでおくように言って帰って来たのであった。
そして今日、オットと一緒に姑の家に行くことにした。
なにしろ部屋の中が散らかっている。あれじゃ物につまづいて転ぶのがあたりまえ。それに俺が言うと喧嘩になるからお前が携帯の使い方教えていつも持ち歩くように説得してくれ だそうだ。
はぁ・・・
姑の家に上がるのは久しぶりである。別に避けているわけではない。オットと一緒に一月に二度くらいは日曜日外出するついでにパンや果物などを買って持って行っているのだが、あちらがウチに上げてくれないのである(散らかってるから)
しかし今日は非常事態である。
居間の邪魔な古臭い蛍光灯を天井にぴったりついたLEDのライトにした方がいいというのでそれも買ってきた(もちろんこちら持ち)
出迎えた姑の顔は「赤チン」が塗ってあった。オットの一族は頬骨が高いのでそこが赤く塗られていると顔半分だけあんぱんまんという感じである。
「なんだよ おかあさん そんなもの塗ったのかよ?」オット「昨日の絆創膏どうしたんだよ?」オットは昨日顔を洗わせてキズパワーパッドを貼りつけてきたらしい。
「それにしてもおかあさん 赤チンなんて今時売ってないですよね。いつのですか?」とワタシが聞くと
「いつのだか忘れたけど、怪我したら赤チンがいいのよ」なんだとさ。きっと昭和の時代の遺物を引っ張り出して塗ったに違いない。それで消毒になるのであろうか?
ホントに人の言うことを聞かない年寄である。
しかし、今度ばかりは携帯を持って出なかったことに懲りたらしい。
その携帯も「私にはいらない」と言っていたのを無理やり先月買って、オットが電話のかけかたと受け方だけ教えたらしいが、「いらない」と言っているだけあって真剣に聞かなかったらしく、未だに操作もわからないし充電の仕方もわからないらしい。
オットが電気をとりつけたり、ファックスの紙詰まりを直している間、こちらは携帯の使い方講習の特訓1時間である。
充電の端子も表裏があるし どこを開けて差し込むかわからないのでマジックで印をつけて何度も抜き差しさせた。
電話の受け方と私たち家族と姪と友達(一人だけ登録)にかけるやりかた。
マナーモードの設定と解除
今度は懲りたらしくちゃんとメモして真剣に聞く姑であった。
あとで
「お前 教えるのうまいな」とオット
「俺が教えた時はボタンも押せなかったよ」
私はまず左手に電話を載せて右手の人差し指で押すと言うことから徹底させた。片手で扱うなんて絶対無理だと思ったからそこからさせなきゃできないのである。
それから例によってゴミ出し。なにせ「おせんべいの外袋」とか「乾燥剤」まで取っておく人である。今回は大量のジャムのビンをまず撤収。(食器棚にジャムのビンがあふれていて食器が入る場所がないのである)
「このビン、何に使うんですか?」
「黒豆を入れておこうと思って。あなたの家にもあげようと思って」
姑の黒豆は味がしないのでもらっても誰も食べないのである。それも何年ももらってない。
「家は誰も食べないので(おいしいのは食べるが)いいですよ。いくつか残して後は捨てましょうよ」と有無をいわせず捨てる。
オットはいちいち聞くから「それは使うだの 捨てないで」などと言われるのである。姑がオットと話している間に要らなそうなものはさっさとビニールにぶちこみそっとドアの外に運ぶ。
ライトが付いたのでそのリモコンとタイマーのやり方も教えた。そしたら
「この今までのライトは下の物置に置いとけばいいわね」と姑。秘かに切れたワタシ
「いえ、これは捨てますっ」
「あら 局さん。まだ使えるものもったいないじゃないの」
「この家ではもう絶対使わないでしょ。ウチもいりませんっ!」
「でも 誰かいる人がいるかもしれないじゃない」
「その誰かいる人を見つける手間も時間もありません。それにこんなかさばるもの倉庫に入れるのだったら今入ってるものを捨てなきゃ入りませんよ。それでいいんですか?」
「じゃ、仕方ないわねえ」と恨めしそうな姑。また何か捨てられたら大変だと思ったのであろう。(ほとんどがいらないものが詰まった倉庫だけどさ)
もう鬼嫁とでもなんとでも思ってくれ。
「局の言うとおりにしとけば間違いないよ」とオットがまた余計な一言を。このせりふで昔姑が切れたことがあったのだが(姑家+貸アパートの建て替え時、近所の大工さんのとんでもない設計で建てようとしたので私が止めたことがあったのである。親友AやNちゃんは一級建築士、その設計図をみて彼女らが呆れ果てて絶対やめろと言って代えさせたことがあった。それが幸いして住居部分もアパート部分も快適に出来て店子も絶えずに入っているのである)
しかし、その時はオットが「局が言ってるから設計変えようよ」と言って姑がカチンと来て大暴れしたのであった。(暴れると言っても夜中に電話してきて暴言を吐くくらいのことだけど、ワタシは普通の大人、そしてヨメに対してそういう事をするのが自分の姑ってことにかなりショックを受けたのである)まだ暴れる体力気力のある頃である。まだ自分が調べてとか言えばもうちょっと素直に聞いただろうに。オトコってもんは配慮がないちゅうかずるさが足りないね。
しかし今日は
「そうね、局さんの言うこと聞いてやるのが一番よね」と妙にしおらしい。あの頃に比べて姑も年をとったものである。
この間3時間ほど。最後にまた絆創膏を貼るのは絶対イヤという姑を説得してパッドを貼った。あんぱんまんの時よりずっと見かけもマシになった。
オットと駅へ向かう途中、猛然と喉が渇いているのに気づく。
今日も「お茶一杯」出なかったのである。
オットを責めるつもりはないが
「言いたくないけどさ、これだけやってお茶の一杯も出さないって言うのは信じられないんだよね。私がひねくれたヨメだったら意地悪されてるってとるよ。」
「まあ怒るなよ。お前の家と違ってさ、お客なんか来ない家だから仕方ないんだよ」と一応母親をかばうムスコである。
「怒ってないよ、ただびっくりしてるだけですよ」
7人兄妹の末っ子で、小さい頃から片付けでもなんでも全部気の利く姉たちにやってもらって育ち、同じく末っ子の義父と結婚して故郷を離れて義父の両親も自分の両親の面倒もまるでみたことのない人である。
この先もっと身体が弱っても当然私たちに面倒みてもらうと思ってるんだろうけど・・・
自分は親の世話をしてないのにそれを自分は当然のこととして享受できると思っているある意味能天気さは「お茶も出さない」文化に相通じるものがある。(ハイ鬼嫁ですよ たまには言わせて欲しい)
私の母はボケた舅姑をみとったあとに自分の母親も引き取って最後まで面倒をみた。
その姿を見てるから 私は母に何かあったら「義務感」でなく駆けつけようと思うのである。
そして年よりの面倒を見た経験があるからこそ「私は寝たきりになったらそれなりの施設に入りますからね、あなたや○○(弟)に下の世話までやってもらいたくないからね」というのである。
それに比べて・・・ なんて言いたかないけど、つくづく困った人だと思う。
オットは「おふくろはお前の言うことは素直に聞くようになったよな~ これからもよろしくな」だと。
「まあ やることはやりますよ。ただあなたがお母さんより早く死ぬのだけはやめてよね!」と言わずもがなの釘を刺してしまった鬼嫁であった。
ところがどこに居るかわからない。付近の病院や開業医は土曜のその時間にはやっていない。
オットは隠して置いてある鍵で上り込み(いくらかくしているといっても不用心な話だけど)そこから私に電話してきた。
「携帯は?」先日の誕生日のプレゼントにウィルコムの携帯を贈ったのである。もちろん月々の費用も局家持ちである。
「ここに置いてあるんだよ・・・」とオットの呆れ声
「なんのための携帯なのよっ!?」とワタシがオットに詰め寄っても仕方ないが・・・
そして30分くらいそこで待っていたら姑は帰ってきたそうだ。
思ったより軽傷だったのでほっとしたらしいが目の下のほっぺた部分がすりむけていたらしい。
出血は殆どなく他に打ったところもなさそうだったのは幸い。
今まで何をしていたのか聞いたら交番に行って救急で見てもらえる病院をおまわりさんに聞いていたらしい。交番に行ったってところが実に姑らしいが、おまわりさんも困ったであろう。結局都内の大学病院に問い合わせてこんな怪我をしたおばあさんがいるが診てもらえるか聞いてくれたそうだ。そして全部断られたらしい。
まあ土曜の夕方の大学病院の救急外来なんてね、自分で歩いて外出できる年よりの擦りむき傷なんてみてくれるヒマはないであろう。
救急車を呼ばなかったのは良い判断だったと思う。
途中の薬局で処置するグッズを買ったオットはとりあえず処置して、念のために手持ちの抗生剤も飲んでおくように言って帰って来たのであった。
そして今日、オットと一緒に姑の家に行くことにした。
なにしろ部屋の中が散らかっている。あれじゃ物につまづいて転ぶのがあたりまえ。それに俺が言うと喧嘩になるからお前が携帯の使い方教えていつも持ち歩くように説得してくれ だそうだ。
はぁ・・・
姑の家に上がるのは久しぶりである。別に避けているわけではない。オットと一緒に一月に二度くらいは日曜日外出するついでにパンや果物などを買って持って行っているのだが、あちらがウチに上げてくれないのである(散らかってるから)
しかし今日は非常事態である。
居間の邪魔な古臭い蛍光灯を天井にぴったりついたLEDのライトにした方がいいというのでそれも買ってきた(もちろんこちら持ち)
出迎えた姑の顔は「赤チン」が塗ってあった。オットの一族は頬骨が高いのでそこが赤く塗られていると顔半分だけあんぱんまんという感じである。
「なんだよ おかあさん そんなもの塗ったのかよ?」オット「昨日の絆創膏どうしたんだよ?」オットは昨日顔を洗わせてキズパワーパッドを貼りつけてきたらしい。
「それにしてもおかあさん 赤チンなんて今時売ってないですよね。いつのですか?」とワタシが聞くと
「いつのだか忘れたけど、怪我したら赤チンがいいのよ」なんだとさ。きっと昭和の時代の遺物を引っ張り出して塗ったに違いない。それで消毒になるのであろうか?
ホントに人の言うことを聞かない年寄である。
しかし、今度ばかりは携帯を持って出なかったことに懲りたらしい。
その携帯も「私にはいらない」と言っていたのを無理やり先月買って、オットが電話のかけかたと受け方だけ教えたらしいが、「いらない」と言っているだけあって真剣に聞かなかったらしく、未だに操作もわからないし充電の仕方もわからないらしい。
オットが電気をとりつけたり、ファックスの紙詰まりを直している間、こちらは携帯の使い方講習の特訓1時間である。
充電の端子も表裏があるし どこを開けて差し込むかわからないのでマジックで印をつけて何度も抜き差しさせた。
電話の受け方と私たち家族と姪と友達(一人だけ登録)にかけるやりかた。
マナーモードの設定と解除
今度は懲りたらしくちゃんとメモして真剣に聞く姑であった。
あとで
「お前 教えるのうまいな」とオット
「俺が教えた時はボタンも押せなかったよ」
私はまず左手に電話を載せて右手の人差し指で押すと言うことから徹底させた。片手で扱うなんて絶対無理だと思ったからそこからさせなきゃできないのである。
それから例によってゴミ出し。なにせ「おせんべいの外袋」とか「乾燥剤」まで取っておく人である。今回は大量のジャムのビンをまず撤収。(食器棚にジャムのビンがあふれていて食器が入る場所がないのである)
「このビン、何に使うんですか?」
「黒豆を入れておこうと思って。あなたの家にもあげようと思って」
姑の黒豆は味がしないのでもらっても誰も食べないのである。それも何年ももらってない。
「家は誰も食べないので(おいしいのは食べるが)いいですよ。いくつか残して後は捨てましょうよ」と有無をいわせず捨てる。
オットはいちいち聞くから「それは使うだの 捨てないで」などと言われるのである。姑がオットと話している間に要らなそうなものはさっさとビニールにぶちこみそっとドアの外に運ぶ。
ライトが付いたのでそのリモコンとタイマーのやり方も教えた。そしたら
「この今までのライトは下の物置に置いとけばいいわね」と姑。秘かに切れたワタシ
「いえ、これは捨てますっ」
「あら 局さん。まだ使えるものもったいないじゃないの」
「この家ではもう絶対使わないでしょ。ウチもいりませんっ!」
「でも 誰かいる人がいるかもしれないじゃない」
「その誰かいる人を見つける手間も時間もありません。それにこんなかさばるもの倉庫に入れるのだったら今入ってるものを捨てなきゃ入りませんよ。それでいいんですか?」
「じゃ、仕方ないわねえ」と恨めしそうな姑。また何か捨てられたら大変だと思ったのであろう。(ほとんどがいらないものが詰まった倉庫だけどさ)
もう鬼嫁とでもなんとでも思ってくれ。
「局の言うとおりにしとけば間違いないよ」とオットがまた余計な一言を。このせりふで昔姑が切れたことがあったのだが(姑家+貸アパートの建て替え時、近所の大工さんのとんでもない設計で建てようとしたので私が止めたことがあったのである。親友AやNちゃんは一級建築士、その設計図をみて彼女らが呆れ果てて絶対やめろと言って代えさせたことがあった。それが幸いして住居部分もアパート部分も快適に出来て店子も絶えずに入っているのである)
しかし、その時はオットが「局が言ってるから設計変えようよ」と言って姑がカチンと来て大暴れしたのであった。(暴れると言っても夜中に電話してきて暴言を吐くくらいのことだけど、ワタシは普通の大人、そしてヨメに対してそういう事をするのが自分の姑ってことにかなりショックを受けたのである)まだ暴れる体力気力のある頃である。まだ自分が調べてとか言えばもうちょっと素直に聞いただろうに。オトコってもんは配慮がないちゅうかずるさが足りないね。
しかし今日は
「そうね、局さんの言うこと聞いてやるのが一番よね」と妙にしおらしい。あの頃に比べて姑も年をとったものである。
この間3時間ほど。最後にまた絆創膏を貼るのは絶対イヤという姑を説得してパッドを貼った。あんぱんまんの時よりずっと見かけもマシになった。
オットと駅へ向かう途中、猛然と喉が渇いているのに気づく。
今日も「お茶一杯」出なかったのである。
オットを責めるつもりはないが
「言いたくないけどさ、これだけやってお茶の一杯も出さないって言うのは信じられないんだよね。私がひねくれたヨメだったら意地悪されてるってとるよ。」
「まあ怒るなよ。お前の家と違ってさ、お客なんか来ない家だから仕方ないんだよ」と一応母親をかばうムスコである。
「怒ってないよ、ただびっくりしてるだけですよ」
7人兄妹の末っ子で、小さい頃から片付けでもなんでも全部気の利く姉たちにやってもらって育ち、同じく末っ子の義父と結婚して故郷を離れて義父の両親も自分の両親の面倒もまるでみたことのない人である。
この先もっと身体が弱っても当然私たちに面倒みてもらうと思ってるんだろうけど・・・
自分は親の世話をしてないのにそれを自分は当然のこととして享受できると思っているある意味能天気さは「お茶も出さない」文化に相通じるものがある。(ハイ鬼嫁ですよ たまには言わせて欲しい)
私の母はボケた舅姑をみとったあとに自分の母親も引き取って最後まで面倒をみた。
その姿を見てるから 私は母に何かあったら「義務感」でなく駆けつけようと思うのである。
そして年よりの面倒を見た経験があるからこそ「私は寝たきりになったらそれなりの施設に入りますからね、あなたや○○(弟)に下の世話までやってもらいたくないからね」というのである。
それに比べて・・・ なんて言いたかないけど、つくづく困った人だと思う。
オットは「おふくろはお前の言うことは素直に聞くようになったよな~ これからもよろしくな」だと。
「まあ やることはやりますよ。ただあなたがお母さんより早く死ぬのだけはやめてよね!」と言わずもがなの釘を刺してしまった鬼嫁であった。