過労死予備群の「食から笑顔になる生活」

夜討ち朝駆けで仕事する日々。忙しくとも自分なりの手間をかけて、美味しく笑顔になる生活を志します。

宮沢賢治 追想1. 賢治を偲ぶ

2023-12-08 16:27:00 | 旅日記


レンタカーのナビに従い、町中から、花巻市立文化会館に向かって、上る坂の途中に、ひっそりと、看板があります。
市立文化会館は、以前は賢治が勤務した、花巻農学校のあった場所。この辺りを、賢治は、何度も歩いたろうか?と思いながら、降り続く雪中を歩く。


坂から、身照寺への石段には、お地蔵様ではなく、フクロウが立っていて。この先に、賢治が居てくれる、と想いが鎮まる。


身延別院とある。これは身延山久遠寺の別院を意味する。見延山久遠寺は、日蓮宗の総本山(祖山)、その別院は、地域と祖山をつなぐ役割を担うと聞く。

本山から贈られた、枝垂れ桜の巨木もあり、春になれば、賑やかに人が集まると想起して、私は嬉しくなりました。

この寺の前身は、日蓮宗花巻教会所で、建立のために、賢治が長く奔走したことを、歴史が伝えています。
そして、賢治が旅立った後に、浄土真宗であった賢治の父も、墓所、菩提寺を移したことも伝えられています。

賢治の甘えも受け止めた、親御様の気持ちも、分かる年になった自分が。青年の日の気持ちで、賢治の前に立てるのか?
私の葛藤を知らぬように、雪は降り、私の足を促します。



あ、なんと清楚な! そして沢山の花!
これは供養塔(五輪塔)で、日蓮宗らしい在り様でした。

雪が降り、他者は居ない。
賢治の前にたち、私からは、戦争を無くせない繰り言、本当の幸いをもたらせない不甲斐なさ、そんな想いが溢れて止まりませんでした。青年の日の自分は、未だ、この身にあって、今なお、途上の道を彷徨っていたのでした。

雪の日であって、有り難かった。賢治という名の、私の心の鏡に、自分を映す様な、厳しい、されど安らぐ、不思議な時間を過ごせました。

『世界がぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はあり得ない』
今の地球をみて、賢治はまた哀しむ。
だからこそ、私は今日もまた諦めずに、己の務めを果たしていきたい、と思うのです。
▪️身照寺、岩手県花巻市石上山町


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