昨年、10号台風の置き土産で根起し倒木となった山桜の大径樹、担当課に処理をお願いしていたのだが見通しが立たず水源地の出入りに不都合極まりなく、その上、右肩の痛みと不自由さでは林道のバック運転は操作が遅れるしバック運転のハンドル操作は軌道の変化が大きくて沢に転落のリスクも高くなる。まして広葉樹の特徴である枝の展開が切断時にどのような挙動を生じるか予想も難しく、尚且つ、切断作業を行う位置が頭部の高さでは更に危険が伴う。故に高所作業車で倒木の上部から処理してもらいたいと要望を出していたのだが未だに手つかずで遂に手を出す羽目に至ったのだ。
1月のほとんどは災の河原の砂礫掘りを行い、結果的に取水升の維持管理は「絶望」と判断して、それでも伏流水を得るために流路を取水升上に安定させておきたい。そこで上流部の大径木を伐採して導水堤代わりに据えて流路を右岸方向で固定したいからその作業を行うため更に半月程度は通わねばならない。その折には牽引器やロープ、杭や掛矢等々、資材を運び込まねばならず、そのためには林道終点まで車載して運びたいのである。現状の肩の痛みでは伐採作業も「良し」とは言えないのだが、せめて取水升上の河原には水を通しておきたいし、今の孤爺に出来るたった一つの水源管理でもある。
腕の状態が良くても危険な処理作業は変らず、曲がった太枝が二カ所で掛かり枝になっている状態では何処にどんな応力が潜在しているのか予断を許さない。切断された段階で跳ねたり伸びたり等の挙動変化も当然ありうる訳なので急ぎ働きは禁物なのだ。まずは主幹に荷重をかけている太枝を切り離す必要があってもすべてが頭部の高さで切断になるから右腕の負担は大きかった。自宅で念入りにチェーンソーの刃を研いで作業に入ったのだが山桜の材質は緻密で硬い。直ぐに切れ味が鈍り腕への負担が増してしまった。そこで再度の研磨は省略して新品の刃に取り換えた。やはり新品の切れ味は鋭くチェーンソーの自重で切り進んでいくほどなのだ。現場の状況から切り進むのを押さえながら挙動を確かめながらの作業になった。
更に落とす ➡
根株周りに集積 根株と幹は切り離し安定させたかったが牽引器無く現状とする
ここまで行ってようやく車両の通行が可能になった。太枝の比較的真っ直ぐな部分は林道終点のUターン場所まで運び、切り返し時の脱輪防止材として据えた。これで安心して終点まで機材を運べるし運搬の労力も少しだけ緩和されるはずだ。