「本日も晴天なり。あーあ、掘ってますか⁉」掘ってますようんざりしつつも。と自悶自闘しつつ今日も日日是平日なのであった。寒中とは思えない温かさには有難いけれど水域に水が切れる事態は避けたくて砂礫掘りしているものの全くあたりは無い。探索棒を使うようになったしトレンチで溝を掘れれば作業も早いはずなのだが砂礫層は掘り下げれば掘り下げる程、比例して開口部も広げなくては崩れて来る。この量が掘り下げたい量の何倍にも達するからご老体かつ腕・肩の痛みに憑りつかれているわが身には辛い。
30cmほど上流側を掘り進めたいけれど掘り捨てなければならない砂礫の量は何倍に増えるのだろうか。流路ギリギリまで攻めれば浸透水で更に崩れやすくなるし、ここまでくると「何時、撤退の決心をすべきかどうか」も現実的になっているのである。この日は前日に掘り出せれなかった流木を金梃子を使って水面上に持ち上げたのでチェーンソーを使って切断出来る。半分になれば動かすのも楽になる。まあ、穴から場外に出したとて探索棒からは何の返信も無かった。すでに元の河床からスコップの長さに相当する深さに達したのだが当たりは無いのだった。
ここまでに至ると「伏流水で送水できているのだから、これにだけ頼って維持するか⁉」の浮気心もちょくちょく頭をもたげて来る。上流部まで河床が埋まり河原が広がった状態を放っておけば流路が出水の度に移動して取水堰から離れた左岸流になる可能性は高いままなのだ。立ち枯れしている大径木を伐採して流路安定化のための堤代わりにする作業をした方がベターに思えて来た。流路安定化作業の方が即効性があるからだし、仮に取水升を掘り出してみたところで周囲と上流側に大量に堆積している砂礫の再堆積で埋没を防ぐ算段は今の処皆無だし・・・。深夜、肩の疼きに悶えてみたところで解決策は出て来ないのである。そもそも孤爺の人力、馬力に換算すれば0.1馬力にも満たない出力では無勢に多勢なのである。勝負は決する事すら不要で既に決している中のもがきでありあがきなのである。
まあ、溺れる者は藁をもつかむ、そのものでもある。そろそろニホンアカガエルが産卵に来る頃になったのだが水域への送水が滞るにしても、せめてオタマジャクシが幼体になるまでは水を維持したい。現状では定着したトンボの絶滅回避までは無理の様に思えて来た。