今日は文化の日。天気がぱっとしないため"音楽鑑賞の日"としました。午前中は、リストのピアノソナタロ短調やメンデルスゾーンの厳格な変奏曲ニ単調、ショパンの小品などを、「いつかは弾いていたい」と思いながら耳を傾け、午後からはオペラを聴くことに。昔のビデオテープを引っ張り出して悩んでいたところ先月末に新国立劇場で聞いたリゴレットを再び見たくなり、1993年にボローニャ歌劇場が初来日した際にフジテレビで放映された録画を楽しみました。
収録があった1993年6月19日(初日)は、奥さんと二人で東京文化会館まで見に行った公演です。いきなりイタリア・日本両国の国歌演奏から始まり、とても厳粛な雰囲気が漂っていました。音楽監督リッカルド・シャイーの若々しく躍動感溢れる音楽作り、そして父親としての苦悩と復讐を歌と演技でぶつけてくるレオ・ヌッチのリゴレットに感動したのを今でも思い出します。配役は以下の通りです。
マントヴァ公爵 ヴィチェンツォ・ラ・スコーラ
リゴレット レオ・ヌッチ
ジルダ ルチアーナ・セッラ
スパラフチーレ ニコライ・ギャウロフ

15年前の感動がビデオから伝わってきました。ヌッチのリゴレットの凄さ。今でもヨーロッパで大活躍のようですが、当時は50才台前半の絶頂期で声の張り、艶、凄みに感情表現が加わり見事です。2幕の悪魔がのり移ったかのような迫力には圧倒されました。ジルダのセッラはあまり記憶に残っていませんが、ビデオで見ると容姿が美しく透明感ある声で魅力ありました。公爵のラ・スコーラは当時30才台前半で、若々しいマントヴァ公を演じています。スコーラはこの3年後にフィレンツェ歌劇場の「ルチア」でグルベローヴァと競演し、この時のエドガルド役の印象が私には強烈に残っています。スパラフチーレのギャウロフは、私が生で聞いた最後のオペラ公演となりました。でも、ここぞという時の迫力はヌッチよりも上でした。演出は非常に簡素。舞台上の大きな鏡で公爵の宮廷と外の世界を分け、当時としては現代的なもので、私の記憶にも残っていました。
以上あれこれ思い出しながら、ビデオを2回も見てしまいました。テープにノイズがのりビデオデッキとの相性が悪いせいかトラッキングがずれていたため、無理やりマニュアルで調整。大変苦労したので、2回目はDVDにダビングしました。
しかし、録画には不満が残ります。やたらと指揮者のシャイーをクローズアップして、3幕の4重唱では中心に指揮者が浮かび上がる有様。最後のAh la maledizione! で終わる感動的な幕切れも、突然指揮者へ画像が切り替わりエンティングとなってしまいすっかり興醒めです。音楽監督でもあるシャイーへの配慮かもしれませんが、視聴者への配慮が足らないなという印象。フジテレビなので仕方ないか・・・
昔の公演録画を見ながらあれこれ思いをめぐらすのも、たまには楽しいものです。次はプロッティ演じるイタリア歌劇公演のビデオを見てみよう。
収録があった1993年6月19日(初日)は、奥さんと二人で東京文化会館まで見に行った公演です。いきなりイタリア・日本両国の国歌演奏から始まり、とても厳粛な雰囲気が漂っていました。音楽監督リッカルド・シャイーの若々しく躍動感溢れる音楽作り、そして父親としての苦悩と復讐を歌と演技でぶつけてくるレオ・ヌッチのリゴレットに感動したのを今でも思い出します。配役は以下の通りです。
マントヴァ公爵 ヴィチェンツォ・ラ・スコーラ
リゴレット レオ・ヌッチ
ジルダ ルチアーナ・セッラ
スパラフチーレ ニコライ・ギャウロフ

15年前の感動がビデオから伝わってきました。ヌッチのリゴレットの凄さ。今でもヨーロッパで大活躍のようですが、当時は50才台前半の絶頂期で声の張り、艶、凄みに感情表現が加わり見事です。2幕の悪魔がのり移ったかのような迫力には圧倒されました。ジルダのセッラはあまり記憶に残っていませんが、ビデオで見ると容姿が美しく透明感ある声で魅力ありました。公爵のラ・スコーラは当時30才台前半で、若々しいマントヴァ公を演じています。スコーラはこの3年後にフィレンツェ歌劇場の「ルチア」でグルベローヴァと競演し、この時のエドガルド役の印象が私には強烈に残っています。スパラフチーレのギャウロフは、私が生で聞いた最後のオペラ公演となりました。でも、ここぞという時の迫力はヌッチよりも上でした。演出は非常に簡素。舞台上の大きな鏡で公爵の宮廷と外の世界を分け、当時としては現代的なもので、私の記憶にも残っていました。
以上あれこれ思い出しながら、ビデオを2回も見てしまいました。テープにノイズがのりビデオデッキとの相性が悪いせいかトラッキングがずれていたため、無理やりマニュアルで調整。大変苦労したので、2回目はDVDにダビングしました。
しかし、録画には不満が残ります。やたらと指揮者のシャイーをクローズアップして、3幕の4重唱では中心に指揮者が浮かび上がる有様。最後のAh la maledizione! で終わる感動的な幕切れも、突然指揮者へ画像が切り替わりエンティングとなってしまいすっかり興醒めです。音楽監督でもあるシャイーへの配慮かもしれませんが、視聴者への配慮が足らないなという印象。フジテレビなので仕方ないか・・・
昔の公演録画を見ながらあれこれ思いをめぐらすのも、たまには楽しいものです。次はプロッティ演じるイタリア歌劇公演のビデオを見てみよう。