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水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

とってもゴースト

2012年12月02日 | 演奏会・映画など

 先週、みんなで音楽座さんに参加したときに驚いたのは、本校の卒業生に会ったことだ。
「先生、○○です。97年卒で、三年時に先生のクラスだった」
「えっと、○○くん? なんかイメージ変わったな、でかくなったのか」
「今日、パンフレットに川東と先生のおなまえがあって、びっくりして。」
「よく観に来てるの?」
「はい、けっこう」
「えー? 川越東の卒業生だったんですか?」と音楽座の方がおどろく。
 それくらい常連さんみたいだった。
 昨日も会った。
「○○くん、いつから見てるの?」
「はじめて来たのは高校のときなんですよ」
 すごい、おれが存在さえ知らなかったころから通ってたなんて。
「いえ、でも大学から社会人になってしばらくは来てなかったんですが、最近けっこう通うようになって。」
 うん。
「で、今の歳になって、なんかほんとに身にしみるようになりました」
 いま何歳? へえ、34歳か。先生は? えー変わらないですね。いやぁ、はっはっは~。
 
 もし自分が高校生のときに見たら、どうだったろう。どうだったかなあ。
 圧倒されたかな。圧倒されて自分もこういう道に足をふみいれたいと思っただろうか。
 とりあえず劇団アポロに入って修行をつもうということになって、そしたらいっこ下の俵万智ちゃんと親しくなれたかもしれないな。
 もしくは受け入れなかったか。これは、ちがうと。
 人間が感情を高ぶらせた瞬間歌い出したり踊り出したりするのは変だと主張し、おれは認めないと言ってたかもしれない。自分がそこにいれないくやしさの裏返しで。
 それくらいのことを思ってしまうくらい不遜だったし、全能感をもっていきていたような気がする。
 宇宙人やら幽霊やらがでてくるのはおかしいと思ってしまったかもしれない。
 あおいな。あおいけど、ちょっといとしくなってきた。
 高校生だった自分にもしあえたとしても、多分何も言わないだろう。そのまま生きてればいいから。
 紆余曲折はあるけれど、とんでもない失敗もいろいろするけれど、そして何十年かかかるけど、今日のお芝居のすばらしさを純粋に受け入れられる日がくる。
 それは一抹の寂しさを伴うものでもあるけれど、いまそこに自分がいることを感謝する思いだ。


~ ユキ「ああ、ここはほんとうに素晴らしいところ。手を伸ばせば、何にでも手がとどくわ」
  ガイド「幸せになるって、案外簡単なことかもしれませんね」
  ユキ「もっと、はやく教えてほしかった」
  ガイド「自然は、いつも語り続けてますよ」 (音楽座ミュージカル「とってもゴースト」) ~

コメント (1)
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