今日は個別相談会があった … ってふつうに言うけど、こういうシステムをとっている県は日本中でどれくらいあるのだろう。
私立高校の数自体が少ない地方の県は、ないんだろうな。考えてみれば不思議なシステムのような気がする一方で、自分で行きたい学校に説明を聞いて合格の目安について相談するのは、就活と似たシステムで、自分の行きたい学校を自分で調べるという自己責任の存在するシステムと言えるかもしれない。
むしろ、中学校の先生が女衒のように間に入っていた十数年前までのやり方の方が、いま思えば不適切だったとも思えてくる。自分の進路は自分で決めろと言う一方で、実力に応じた受験校をかなりの強制力をもって勧めるのは矛盾するから。
相談会は、保護者の方と受験生本人という組み合わせで来られるのが普通だが、受験生一人で来る子もたまにいて、ちょっとしっかりしてそうで頼もしく感じた。お兄さんとの組み合わせがあって、いくらなんでも見た目が若いので「あの、お父様ではないですよね」と訊ねたら兄ですと答えた。でもまれに本当に若いお父さんもいる。
夏休み前から続いてきた一連の営業活動も、これでいったん終わった。
あとはたくさんの受験生が、そして多くの入学生が来てくれることを祈るばかりだ。
来年もおまんまがいただけるように、そしてたくさんの部員に恵まれますように。
予想よりも多くの来校者があり、一連のお仕事をおえたあと、電車を乗り継いで町田へ。
ちなみに今読んでいる高村薫『冷血』は、町田、狭山、川越、という16号線沿いが(おお、山田うどんが郊外化した地域だ)舞台になっていて、けっこう入り込める。
音楽座さん『とってもゴースト』の大千秋楽を観劇することができた。
交通事故で亡くなった入江ユキさんの霊が、人を愛する経験をするためにもう一度生身のからだをくださいと、冥界のガイドに懇願するシーンがある。
「おねがい、一ヶ月」「無理に決まってるでしょ」「三日でいいわ」「だめです」「じゃ、一日。一日だけ … 」
ここは泣けるというよりも、一日ってほんとに大事だよなあとしみじみ思った場面だった。
稽古場のある町田ホームタウン公演は、客席の雰囲気も実にあたたかく、役者さんも最後のちからをふりしぼって演じているように見えた。
芝居がはねた後、先日お世話になった藤田さんや北村さんにごあいさつし、来年も踊ってくださいと言われ少しはずかしくなり、でもほっこりした心で町田駅まで歩いていくと、ほどよいロマンスカーがあったので特急券と缶ビールを買う大名旅行で帰途についたのだった。
しっかり働いて、いいお芝居を観て、おいしいビールを呑める一日があると、「だって、生きてるじゃない、すごいことなのよ」というセリフが心にしみる。