高校三年にもなると、学生服をまとった姿に違和感を感じる生徒さんもちらほら出てくる。
もっとはっきり言うと、おっさん化してくる。内面の硬直化とか、フレキシビリティのなさとかのオヤジ化ではなく、あくまで見た目のおっさん化。ファミレスに行くと、「禁煙、喫煙どちらですか?」と普通に尋ねられる彼とかね。
女子もいるんじゃないかな。街中で見かけることもあるし。どこのお店? と聞きたくなる子とか。
百瀬役の早見あかりさんは、実年齢は何歳なのだろう。
内面は見事に女子校生を演じていたが、ビジュアルが制服をもてあましているように思えたのは、自分だけだろうか。それほど存在感を感じたということでもあり、今後女優さんとしていい作品に恵まれていってほしいなと思う。
でも、と思う。
見てしまったからかもしれないが、この作品の成功は、やはり早見さんの存在によるところが大きいのもたしかだ。
石橋杏奈さんもかわいいし、高校の後輩中村優子さんもいい仕事をしてらしたが、早見さんのための映画だった。
ちがうな。早見さんのような子がそばにいながら、ラブラブになれない男子の気持ちがわかる人向けの作品だ。
だから、青春の渦中にある若者よりも、ラブ市場からはじかれつつあるおっさん達の方が、より切実にこの作品のよさを味わえるのだ。味わえたもの。
そして主題歌「こっちを向いて」がよかった。
帰ってから検索して、すぐamazonで注文して聞いたけど、実にいい。
どれくらい有名なバンドさんなのかは知らないが、来月出るというWEAVERさんのアルバムが楽しみだ。