玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

岩波新書「巻末挨拶」―3-

2021-10-20 11:30:29 | 

1970年3月、「岩波新書について」というまっとうな題名で始まる。

そして、「新書の赤版百冊は日中戦争から太平洋戦争たけなわまで及ぶ。休刊後1949年赤から青版に改め再出発した。…『戦争は惨憺たる敗戦をもって終わり…』」という下りが出て来る。

ところが、それから7年後に、巻末挨拶は変更された。

1977年5月、「岩波新書新版の発足に際して」と題して、急に青版から黄版に装丁の色が変わったのが、挨拶変更の理由としている。

そこには「日本軍部は中国大陸に侵攻」「一九四五年八月戦争は終わった。日本の民衆が、敗戦による厳しい現実を見据え…、」との文章に目が行った。

1970年安保の時には『敗戦』を認め、僅か7年後には「終戦」と「敗戦」を両語併記とし、俄かに戦争の主体は「軍部」と言い出した。

この僅か7年に何があったのだろうか。

70年安保・万博(70年)・沖縄返還(72年)・日中国交正常化(72年)・天皇の「戦争責任での「言葉のあや」発言」(75年)

このあたりから、急に戦争責任の軍部に押し付け、中国大陸侵攻の是認といった政治的な配慮が窺える

その挨拶変更の理由として本の装丁の色まで買えるとは、まだ出版業が隆盛していたのだろう。それから10年後にまた装丁の色を赤に戻した。

ここで紙幅の都合で、次回へ

セイタカアワダチソウは外来種なので強い。30年前ぐらいに目についてきた。ススキが駆除されるかと心配したら、何処かの学者が必ず”共生”すると言ったが?

コメント
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