抑々、戦争というのは、まさかで不条理なモノだろう。プーチンは原爆を落とすかもしれない。その理屈は、アメリカも1945年8月にやったじゃないか、という理屈だ。
大国ロシアは大国として振舞っただけ、とあの表情の薄い冷たい顔で言うだろう。その時彼は世界が認める「狂人の指導者」になる。
この国の戦争のはじまりは浪花節や歌舞伎の世界でもあった。
1941年12月8日の真珠湾奇襲の前に、東郷外相が11月29日の大本営政府連絡会議で「○日ヲ知ラセロ、之ヲ知ラセナケレバ外交ハデキナイ」 と軍部に迫った。
その時、海軍の永野軍令部総長(伊藤整一次長という説もある)は「ソレデハ言フ ○日ダ・・・」と初めて攻撃の日取りを軍人以外の文官に教えた。そして、永野・島田・岡等海軍側は「国民全部がこの際は大石蔵之介をやるのだ。」とも言ったという記録がある。
何と悲しいほど安易で、愚かな大義だろうか。そのおかげで320万人以上の同胞の命を失い、2000万人以上の周辺諸国の人たちの命を奪ったのだから。
平成上皇が一生をかけて周辺諸国の戦地を訪問し、慰霊に努めた姿勢が分かる。そして、昭和天皇が戦犯を祀った靖国に参拝しない理由も少しわかる気がする。
【引用先:『杉山メモ』原書房、保坂正康・半藤一利『「昭和」を点検する』講談社現代新書】
次の桜までは、ともかく梅を満喫しよう。