玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

歴史の学び直し

2022-05-20 19:15:03 | 近現代史

近頃、東郷茂徳の『時代の一面』を読み返している。つい先日は、1939年12月のソ連が芬蘭(フィンランド)侵攻した個所を読んでいた。

1940年2月、勇敢なフィンランド軍も物量のソ連に対抗できずに3月13日にソ連の要求を承認して休戦となった。結果、カレリア地峡、ハンゴ半島の長期租借を認めた。

この後に、ソ連大使だった東郷茂徳はフィンランドを訪問した。東郷はヘルシンキに入り、ソ連軍の爆撃の跡を視察した。その時に会談したほとんどすべてのフィンランド人がソ連に対する強烈な敵愾心を示し、…国民の熱烈なる自主独立の気概に感銘した」と記している。

次に、東郷は瑞典(スェーデン)にも行くが、そこでも「ソ連に対する恐怖心は甚だ強く、今にも進撃し来るに非ざるやを危惧し、…」とも記していた。

まさに昨今の状況は、80年前に戻っていないだろうか。

フィンランドとスェーデンは今までの中立政策を止めてNATO加盟の道を選ぶという。この両国は80年前の出来事を国の歴史として明確に残しているから、今のプーチンにスターリンを重ね合わせて即断ができるのだろう。

この教科書は昭和31年に刊行された自衛隊の幹部学校の教科書です。ちなみに昭和29年に5月に自衛隊法ができました、…。

北欧二国の厳しい歴史認識の上のNATO加盟への判断であろうと思います。これに引き替え、此の國は未だに周辺の国々から、従軍慰安婦問題、徴用工問題、南京虐殺問題の歴史認識を問われ、広島・長崎に原爆を「二度と許すまじ」と歌いながら、落とした敵国をどう思うべきかすらも明らかにしていない。

自らの歴史も相手の歴史も見ようとしないで、この先の世紀をどう進めて生きるのだろうか。核の共有や敵基地攻撃能力、防衛費GDP2%がその回答である筈がない。この國は国の在り方を考える前に、個人のとしての自覚が、???。

コメント
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