1944年4月、清沢は、「不敬罪」はいくつもある。㈠皇室、㈡東條首相、㈢軍部、㈣徳富蘇峰だ。これらについては一切の批評を許されない、と書いている。(『暗黒日記』岩波文庫)
差し詰め、今のこの圀では、「不敬罪」ならぬ「不忖度罪」がありそうだ。
㈠故安倍氏の神格化、㈡キャリア官僚の天下り、㈢財界大企業の補助金たかり、㈣大手新聞・テレビの無言化、㈤橋下徹のような御用コメンテーターのヨイショ発言、そしてちょっと前は、ジャニーズ事務所があった!
清沢の揶揄した「不敬罪」があった「戦前」から八十年以上経ったが、今も適切に忖度しなければ、或いは、まともに批判をすれば、どのような炎上が待ち受けているのか解らない時代の空気になった。
これも「新しい戦前」の一つの予兆ではないだろうか。