玄冬時代

日常の中で思いつくことを気の向くままに書いてみました。

「血の歌」なかにし礼

2023-09-03 12:09:31 | 

この本は何で読んだかと云うと、ネットでなかにし礼の死後に机の中から出て来た遺作であり、内容はなかにし礼の姪が森田童子であることが書かれていると聞いたからです。

戦後生まれの七〇年代を生きた者にとって、森田童子は全く素性や素顔のわからない歌手でした。私の頭の中ではあがた森魚と重なって性別すら有耶無耶になっていました。

かなりたってから、テレビドラマ「高校教師」の中で歌(「ぼくたちの失敗」)が流れていたのを記憶しています。真田広之と桜井幸子の主演でした。そう言えば、この二人も近頃は映像やTVで見れません。

つまり色々な理由があって読みたいと思うのですが、買うのはもったいないので図書館で借りて来ました。たった二晩で読んでしまいました。原稿用紙六十枚だそうで、なかにし礼の書いた「兄弟」の基になる習作だったのかもしれません。

読んでいて、作詞家だから当然に言葉は豊富でしたが、情景描写がお座なりだったような気がしています。

近頃小説というモノをめったに読んでいないので、少しは昔の学生の頃に戻ったような新鮮な体験を貰った気がしました。

昔気取って銀座の「銀巴里」に行くと、入り口の後ろの席で立教大学の学生だったなかにし礼がシャンソンの訳詩をしていたと店の人から聞きました。そんな薄暗い店内の隅の席を思い出します。

コメント
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